動物農場 みんなのレビュー
- ジョージ・オーウェル (作), 川端康雄 (訳)
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紙の本動物農場 おとぎばなし
2019/03/09 22:44
むなしい
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:メイチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
展開がむごすぎて途中でやりきれなくなったけど、おとぎ話って書いてあるし、最後には救いがあるのかな、と淡い期待を抱いて読み進めたが、そんなことなかった…。
でも動物たちが洗脳されてて、日々辛いけど状況は以前よりよくなっているんだと信じているなら、当人たちにとってはある意味救いなのか?いや、やっぱりそんなことないよな。
善人の掲げる理想は、狡猾な奴等に利用されてしまう脆弱性を孕んでいる。無知もそうだ。社会に生きるひとりの人間として、もっと学ばなければいけないなと考えされられた。だが暴力にはどう対抗したらいいんだ…。
紙の本動物農場 おとぎばなし
2015/08/14 12:04
おすすめです
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:john - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔学校の教材で呼んですごく面白かったので、もう一度読みたいと思い、購入しました。買ってよかったです。
紙の本動物農場 おとぎばなし
2009/07/26 23:10
普遍的価値をもつ社会主義国家批判の書
23人中、12人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コーチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
民衆の解放を唱え成立した社会主義政権は、どれも最終的には指導者個人や党の独裁を生み、民衆を解放するどころか以前よりもひどい搾取と隷属のもとに置き、より多くの不幸と悲惨を生み出した。これは、ロシア革命以来すべての社会主義国家に共通して言える歴史的事実である。
ジョージ・オーウェルのこのおとぎ話は、そんな社会主義体制への痛烈な批判の書である。主人公は、農場の家畜たち。あるとき彼らは飼い主の人間を追い出し、動物一匹いっぴきがみずからの主人であるような社会の建設をめざして、「動物農場」を建設する。最初は、自由と平等の理想に燃え、共同社会の建設に励む彼らであったが、次第にナポレオンというブタが権力を掌握し...
この物語で、作者が風刺の対象としたのは、スターリン体制下のソ連だが、そこに描かれた一般的状況は、現在の中国や北朝鮮にも完全にあてはまる。すなわち、民衆の洗脳。熾烈で醜い権力闘争。個人崇拝と恐怖政治...その他あらゆる自由の抑圧、不平等だ。物語では、ブタが支配者に、馬や鳥、羊など他の動物は彼らに指示されて働く存在となってゆくが、ブタの唱える理想を愚鈍なまでに信じて疑わない後者の姿は印象的である。殊に、力持ちの牡馬ボクサーのけなげに働く姿とその残酷な最期には、胸がしめつけられる。現実の社会主義国の支配者も、どれほど多くの無垢な人々を騙し、その誠実さを利用してきたことだろう!
社会主義が必然的に独裁に向かうプロセスを、本書は実にうまく描いている。彼らはまず、耳に美しく響くイデオロギーを民衆に吹き込む。やがて強い権威をもつようになったこのイデオロギーを通じて、権力者は人心を掌握する。人々は、いつの間にか彼らの言いなりになり、ついには奴隷と変わらない生活を強いられるのだ。
現代人はいいかげん、階級闘争や発展の概念でわれわれを惑わす社会主義の欺瞞から目を覚ますべきである。どんなに美しい理想も現実の国家を動かす車輪とはなりえないことを、それどころか、その美しい理想こそが詐欺師のようにわれわれを欺き、大きな不幸へと陥れる罠だということを、歴史は十二分に証明しているのだから。
最近、このような理想を信奉する大昔の小説がブームになっているようだ。しかし、そういうプロパガンダ小説を紹介して、いまだに社会主義を標榜している政党の宣伝に手を貸すよりも、同じように古いが、いまだ価値を失わず、ますます強くわれわれの心にアピールするこの『動物農場』を、私は現代の若者に薦めたい。
最後に、今回刊行されたこの新たな翻訳には、『出版の自由』と題された序文も掲載されている。これは、作者が戦時中に本書を最初に出版しようとした際、どの出版社からも断られた経緯を述べながら、ソ連寄りの当時のイギリスの知識人を批判した文章だが、現在の日本の知識層へもそのまま向けられるものとして注目したい。以下の文中、「ロシア」や「ソ連」をたとえば「中国」に、「英国」や「イギリス」を「日本」に変えて読んでみよう。
「英国には口やかましい平和主義者があれだけ多くいるというのに、ロシアの軍国主義への崇拝・・・に対して反対の声をあげられずにいる。・・・赤軍がするのであっても戦争はやはり悪である、と言い切った者が、彼らのなかにどれほどいただろうか。ロシア人には自衛権があるようだが、どうやらわが国が同じことをするのは大罪ということになるらしい。この矛盾を説明する方途はただひとつ。すなわち大多数のインテリゲンチャがイギリス人よりもソ連に愛国心をいだいており、そうした連中に迎合したいという、臆病な欲求によるものなのだ。」
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