ヨーロッパから民主主義が消える みんなのレビュー
- 川口マーン惠美
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ヨーロッパから民主主義が消える 難民・テロ・甦る国境
2016/01/06 20:59
EUの正念場
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ギリシャ危機・難民問題・テロ等により動揺するEUの現状を、分かりやすくまとめています。
内容は、第1章は民主主義の歴史について、第2章はEUの利益について、第3・4章はギリシャ危機について、第5章はドイツの現実について、第6・7章は難民問題について、第8章はテロとナショナリズムについて、終章は日本の選択についての9章で構成されています。
特に、難民問題の経過を時系列で丁寧に追っていますので、当初から安い労働力が手に入れることができると喜んでいたドイツと他国との温度差や、その後のドイツの見通しの甘さによる変わり身の早さやEU他国との軋轢等が良く理解できました。またテロ犯が自由に広域を移動している状況を鑑みると、経済的繁栄の目的のみで国境を取っ払うことは正しいことだったのか良く分からなくなりました。
ただし、終章の「日本」に関する浅い考察は余計でした。むしろ、第8章までの現状認識を踏まえ、EUの今後の展望等にかかる川口氏の見解を示してもらいたかったです。「日本」を語ってお茶を濁した印象です。結局、本書はヨーロッパの現状認識を示しただけであり、川口氏が専門家ではない限界が露呈し、残念でした。
2009年のギリシャ危機に端を発し、EU崩壊もありうるとの論評が数年前からありますが、私は半信半疑でした。が、人権問題等は見て見ぬふりをして中国に媚びへつらうイギリスやドイツの姿に、EU諸国の窮状を見るような気がしますし、ドイツが独り勝ちする構造を孕むEUは、今後バラバラになる可能性も否定できません。
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