ねじれた文字、ねじれた路 みんなのレビュー
- トム・フランクリン (著), 伏見威蕃 (訳)
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紙の本ねじれた文字、ねじれた路
2016/02/28 14:48
ダークでリアルな“少年時代”との邂逅
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投稿者:かしこん - この投稿者のレビュー一覧を見る
<ねじれた文字>とは<s>のこと(アメリカ南部の子供は綴りを覚えるのにそう呼ぶとか。 日本で言う<くっつきの“を”>みたいな感じ?)。 というわけでこの物語の舞台もアメリカ南部、ミシシッピ州です。
白人の子供・ラリーと黒人の子供・サイラス。 二人はひそかに特別な友情を育んでいたが、高校のある日の出来事を境に二人の人生はまったく違ったものとなる。 そして25年後、治安官となってこの町に戻ってきたサイラスの前に死体発見と女子大生の行方不明事件が起こり、離れたはずのラリーとの関係が再び。
アメリカ南部といえば私にとってはロバート・R・マキャモンの『少年時代』が思い出されますが(解説でも冒頭にその一節が引用されている)、それよりも明らかにハードで救いがない感じ。 『ミシシッピ・バーニング』という映画もありましたが(『警察署長』もそうですね)、正直なところ「南部ってめんどくさいな!」という印象・・・黒人差別の歴史がいまだに尾を引いているというか、それでそれだけの物語ができてしまうというのがなんとも。 もっとも、人種差別の歴史を語ることがタブーになってないのだから、それはそれで利点といえるのかもしれないのですが。
結構早い段階で「犯人、わかっちゃったんだけどいいのかな!」という心配が起こりますが、これは犯人が誰とか高校時代のラリーとサイラスに何があったかという謎で引っ張る物語ではなく、過去と折り合いをつけて再び友情の灯をともす男たちの物語でした。 だから全然退屈はしないし一気に読んでしまえるのですが、悲しいことに女の出番はないのです・・・。 ま、でもそんなもんですかね。 女同士の物語に男がいたら邪魔なように、男同士の物語にも女は下手にいない方が面白い。 そう思うと男と女はやはり違う生き物なんですかねぇ、としみじみ(だってサイラスとラリーの関係、女同士なら違う感じになりそうだもん)。
田舎町の狭いコミュニティ、これで主人公が女性ならコージーミステリになるのかも!、と新たな発見をした気分。(2012年4月23日読了)。
紙の本ねじれた文字、ねじれた路
2015/08/25 17:16
人は言葉ではお互いを理解出来ない。
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投稿者:sin - この投稿者のレビュー一覧を見る
孤独な魂が触れ合いを求めるが人は言葉ではお互いを理解出来ない。勿論立場が違えば求めるものも違うそして集団のなかでは自分の気持ちに素直になれない。小手先だけの推理小説などではなく上質のクライムノベル、作者の筆が読者をアメリカ南部の情景に主人公達の少年時代に誘う。物語は結末をむかえその先に新たな物語を暗示する。物語は終っても人生の様に続いてゆくここんところで言葉少なに感動が伝わってきました。
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