微睡みのセフィロト みんなのレビュー
- 冲方丁 (著)
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
2 件中 1 件~ 2 件を表示 |
紙の本微睡みのセフィロト
2010/03/06 23:04
失われない悲しみと怒りを癒すもの
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
2002年4月刊の復刻版。
人類の一部が超能力フォースを発現し、旧来の人類サードとの大戦争が勃発。超能力を持つ人類を率いた女王が、イタリア半島と共に新たな衛星となり眠りについてから17年。双方の人類は、かろうじて協力体制を築き、世界政府準備委員会の下で各行政機関が機能していた。
そんな状況の中、政府機関の大物が超能力により捕われる事件が発生する。この事件を担当することになった捜査官パットは、超能力者を教育する機関から派遣された少女ラファエルと共に事件の犯人を追いかけていく。
大戦で妻子を失ったパットの負の感情は、政府機関によって心体に施された処理により、浮かんだとしてもすぐに相殺されてしまう。心の奥底にある、妻子を殺したフォースに強烈な怒りが薄れることもないが、それが行動を左右することは、政府機関の一員として絶対に起こりえない仕組みなのだ。
そんな彼の下に現れたラファエルは、フォースの使い手としてトップクラスでありながら、むしろフォースの過激派を排し、フォースの行動を制限するサードの立場で行動する。彼女の力はパットの怒りを再燃させながらも、それを徐々に癒していく。
新たな力を手に入れた先に訪れる人類の世界とは?
紙の本微睡みのセフィロト
2017/03/31 16:52
何度も読み返してしまう
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:徒徒徒 - この投稿者のレビュー一覧を見る
冲方先生の作品でも,特に思い入れが深い作品です.マルドゥックシリーズのような燃え盛る展開や,熱い人間賛歌といった雰囲気ではなく,全体に静かな空気を湛えている物語です.それは冒頭の浜辺から戦闘シーン,そして物語の最後まで変わりません(勿論盛り上がりに欠けるというわけではなく).内容としては超能力者の出現が大きな戦争を巻き起こしてから十数年後の世界で,元兵士と少女が猟奇的誘拐事件に立ち向かうといったものです.己の無力さに打ちひしがれ,戦うことに自分の存在意義を見出すしかできなかった主人公が,最後に1つだけ得たものとは.是非,ご一読ください.
2 件中 1 件~ 2 件を表示 |