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SとM みんなのレビュー

  • 鹿島茂 (著)
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みんなのレビュー1件

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紙の本

紙の本SとM

2008/08/09 19:02

ヨーロッパのSMは「鞭」、日本は「縄」、ボンデージ・スーツと緊縛の違い、納得。子供のお尻ぺんぺんも基本はヨーロッパ、はい

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

あの鹿島がSMについて書くかな、なんて思いましたよ、実際。ま、鹿島がフランス文学者であることを考えれば、不思議ではないんですが、必然性は感じません。きっと彼ならではの視点があるんだろうな、なんて思い、恥ずかしそうな顔をしながら手にしました。正直、電車のなかで読んでいると、人目が気になりました。どんな女性にみられているのかと。

でも、気にしていたのは読者ばかりじゃないんです。鹿島もなんですね。エピローグには、この本が語り下ろしであることとともに

 あらかじめお断りしておきますが、本書はSMの実践的指南書ではありませんし、SM業界(そういうものが存在しているとして)のインサイド・レポートでもありません。
 ですから、その種の本を期待されて、本書を手に取られた読者は、そのまま書店の棚に置きなおすことをお勧めします。
 では、およそ門外漢の私が、なぜ、このようなタイトルの本を作ったのかといえば、それはまえまえから、SMというものは、ある種の文明的な産物と感じていたこと、苦痛と禁欲というものを基盤に据えて発達してきたキリスト教特有な現象ではないかと思っていたからです。
 つまり、文明史的にSMというものを位置づけてみたいという気持ちがあったのです。
 それと、もうひとつ、キリスト教文明と縁の薄い日本の土壌に何ゆえにSMという珍種が花咲いたのかということも考えてみたかったのです。

と、その動機が不純なものでないことを力説しているわけです。はい、私の中にあったのも文明史的な好奇心です、絶対に・・・。ちなみに私は今まで気にはしてきたもののサドの『ジュリエット あるいは悪徳の栄え』『ジュスチーヌ あるいは美徳の不幸』『ソドム百二十日』を読んでいません。

ユイスマン『さかしま』『彼方』もですし、レアージュ『O嬢の秘密』も、ましてやマゾッホ『毛皮を着たヴィーナス』といった団塊の世代が反権力を隠れ蓑に、たんなる性的な好奇心を満たすだけの為に読んでいた本も、読んでいないんです。ホント。ま、それ以降の、たとえば高橋三千綱や嶽本野ばらの、その手の作品はちゃんと読んでますけど。

でも、ヨーロッパでの肛門性交をこう解き明かされると、そうなんだ!と思わず納得。っていうか、処女性との関連なんて考えたこともありませんでした。第一、歴史や社会学の本にそんなこと絶対書いてありません。鹿島理論で言えば、キリスト教圏では結婚前の女性にとって肛門性交は当たり前の行為になります。てか、ほんとかよ!それ?

目からウロコは、ヨーロッパのSMの中心に「鞭」があるのに対し、日本のそこには「縄」があるということ。無論、SMをキリスト教との関連で定義づければ、日本のSMなんてマガイモノでしかなくなってしまうんですが。それと、本当のSMにはセックスが不要だ、というのも驚きです。SとMの関係だって、主体がMにあるなんて・・・

書き出せばキリがありません。ま、その道のひとには常識的なことなんでしょうが、ただただ、はは~、っていう感じ。それと谷崎潤一郎ですね。私は世界に誇る日本文学者は、川端でも三島でもなく谷崎だと思っているんですが、それをSMとの関連で説明されると、やっぱり腑に落ちるんです。目次を紹介しますが、印象に残った小項目のタイトルも写しておきましょう。

目次
プロローグ あなたはS? それともM?
第一章 そもそもSとは?Mとは?
     SMの本質は、エロティックな信頼関係にある
  本来的なSMは、支配願望とはまったく別のものである
    Mとは、失われた絶対者へのノスタルジーである など

第二章 SMって何?いつから発生した?
   苦痛を求めるキリスト教文化が、SMの原点である
   「鞭で、尻を打とう」は、家畜文化圏の発想である
  同性愛もオナニーもアナルセックスも「死刑」だった など

第三章 SMは、どのようにエスカレートしたのか?
  神を冒とく(漢字、でません)することに快楽があるなら、聖母マリアを陵辱することが最高の快楽
  とく聖(漢字、でません)こそがエロティシズムの根源という発想と黒ミサ
         SMは、セックスとちがうものである など

第四章 SMは、歴史の必然から生まれた
        SMの本質は「逸脱」を楽しむことである
      Mは、絶対的な「神」に処罰してもらいたがる
         時代は、また、Mを求めることになった など

第五章 SMの理想の相手は、どこで見つかるのだろう?
M願望は「支配している相手に、支配されてみたい」である
             Sは、「サービスのS」である
           ほんとうのSは、どこにいるのか? など

第六章 SMは、文化のバロメーターである
    すべての文化は、最終的にはMにたどりつくもの?
文明の尺度は、「女の人がどれだけ解放されているか?」である
      屈辱や殺意を感じるほど、快感が高まっていく など

第七章 日本人にとって、SMとは何か?
      日本独特のSM文化は、団鬼六からはじまった
          日本のSMの本質は「羞恥心」である
       谷崎潤一郎は、世界最高のSM文学者である など

エピローグ

です。ブックデザイン 鈴木成一デザイン室、編集協力 木村俊介。最後に刺激的なカバー後の案内のコピペ。

娼婦に肛門性交を強いて国を
追い出された作家マルキ・ド・
サド、被虐趣味に溢れた小説を書
き一躍有名になったザッヘル・マゾッ
ホ。彼らの嗜好を基に命名された
「サディスム」「マゾヒスム」が浸透したの
は十九世紀だが、そもそも精神
的・肉体的な苦痛を介して人が神
に近づくキリスト教に、SM文化の
源流はあったのだ。鞭とイエスはど
んな関係があるのか?そして、SM
が輸入されることもなく日本で独
自の発展を遂げたのはなぜか?縦
横無尽に欲望を比較する画期的
な文明論。

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