ぼくたちの家族 みんなのレビュー
- 早見和真 (著)
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紙の本ぼくたちの家族
2019/01/26 12:22
家族
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投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
「家族」をテーマとして、一貫した話、主張がありながら、エンタメ性もしっかりある作品であると感じた。文章も読みやすい。章ごとに主人公を代えながら、母玲子、兄浩介、弟俊平、父克明それぞれの若菜家への感じ方がみてとれる。さらに主治医の宮下医師の木下教授との元夫婦関係や浩介の妻深雪の家など、若菜家以外の家族にも言及されている。
三好(現実世界では多摩ニュータウンが相当するか)という都心から離れた田舎に家を買った克明と、それに抵抗感を持って三好を嫌いながらも贅沢を我慢したつもりで生活していた玲子。それぞれの感覚のずれが、実際の熟年夫婦の状態を非常によく表しているように思う。そして一大事が起こったときに、家族の真の力は発揮される。それまでなんとなくバラバラであったのが、崩壊してしまうのか、本作の若菜家のように好転する機会となるかは、結局はそれまでの積み重ねた感情なのだろう。克明も玲子もお互いを根の深いところでは愛していた。だから生死を問われる場面で家族は本来の機能を十二分に果たしたのだ。
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