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木戸のむこうに みんなのレビュー

  • 澤田ふじ子
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紙の本

木戸のむこうに

紙の本木戸のむこうに

2004/01/15 00:38

木戸の向こうにいる人は

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:星落秋風五丈原 - この投稿者のレビュー一覧を見る

表題作と「竹のしずく」では料理、「雁の絵」では表具師、「憲法の火」
では染め物屋と、多くの職人達が登場する本書だが、江戸時代の京都には、
武士と町人の他に、もう一人、ある種の人々が多く住んでいた。
貴族である。
この第三の男ならぬ、第三の存在・貴族がいた事で、
同じ江戸時代でも、京都を江戸とをずいぶん
と異なる雰囲気にしていた。彼等は、生活のテンポや考え方が、武家とも
町人とも、根本的に違っていた。

「まろ」「そち」などの御所言葉を使い、概ね手許不如意。
町人の売り物を「献上かたじけない」と受け取り、戸を閉める。
後に残されるのは、代金をもらいそこねて呆気に取られる
町人。著者の「公事宿事件書留帳」シリーズ「中秋十五夜」では、
悪の権威の印象が強かったのに、何ともおとぼけキャラである。
しかし、彼等だって生活がある。浮世離れは、してられない。
そこで、本編の「竹のしずく」では、町人と貴族が身分
の違いを乗り越えて手を携え、出入りの子供まで巻き込んで、
一つのもの-料理-を作り出そうと工夫を重ねる。
木戸ならぬ身分の垣根を乗り越えて手を携える彼等の様子を読んでいると、とても心暖まる。
まあ、「乗り越えて」と言っても、本編の主人公・藤原信賢の人柄から
すると、
「さあて、乗り越えた覚えはない。気がついたら、こっち側だったかな。」とでも言いそうだが。

でも一方で、なかなか乗り越えられない貴族もいる。
「病葉の笛」では、貴族である事を窮屈に思いながらも、
結局自分に取っての「売り」が、それしかないと諦める左内が、その人である。
高貴なる身分と、裏腹の現実。その格差の苦味を割り切って、別の暮らしを求めれば、ずんと気分は楽になる。けれど何か新しい事を始めようと、腹をくくれない。
狭間でぐずぐずしている左内に比べ、クライマックスに登場する
町人の娘・登世の、潔さが一層際立つ。
そこには、身分の差など存在しない。人格の差があるだけだ。
それは今も、変わらない事実。

遠く離れた時代に生きる人の姿を通じて、永久不変のメッセージを私達に届けて続ける氏の短編集は、好対照な生き方をする貴族を描いた二編他「雁の絵」「二人雛」「憲法の火」 「木戸のむこうに」「戦国地蔵」を収録。

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