鉄道計画は変わる。 みんなのレビュー
- 草町義和
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鉄道計画は変わる。 路線の「変転」が時代を語る
2015/02/15 21:24
興味深い鉄道の路線計画の変遷
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る
鉄道は距離が長いほど、一朝一夕に営業運転ができるわけではない。相当長い期間を要して計画を立て、さらに用地の買収や鉄路の建設にもかなりの期間を要するものである。現在、車両が営業運転を行っている路線も、それぞれの誕生までの歴史がある。本書は路線をいくつか選んで記述したものである。
計画は当然乗客の需要があるから立てるものであるが、計画の期間が長いので、計画を立てている最中にその需要が変化したり、別の計画との関連で消滅したり、実に多種多様である。本書に書かれているのは、9つの計画、路線である。
いずれも興味深いのだが、第1章が東京、大宮間の計画である。ようやく上野、東京感が接続され、東北、上越、常盤などの北側中距離電車が東京を経由して、東海道などに直通する営業運転がもうまもなく実現する。ここに至るまでには計画の変更があった。これと関連して、飽和状態の東京駅ホームについては第9章に記述されている。
近年、郊外の私鉄線が地下鉄に乗り入れて都心を通過する例が増えている。現在は東京メトロ半蔵門線に乗り入れている東急の田園都市線であるが、当初は銀座線に乗り入れる予定であったというので驚いた。銀座線は標準軌ではあるが、車体の幅は狭いし、トンネルもそれに合わせているので、通常の標準軌車両は通行できない。さらに給電方式が第3軌道方式である。
計画を実行するためには相応の費用を要するわけである。しかも、当初の田園都市線は大井町が終点である。新玉線との兼ね合いもある。さて、二転、三転した結果は如何に現在の姿になったのであろうか。
間もなく北陸新幹線が開通する。これまで首都圏と北陸を繋ぐのは、上越線六日町から北越急行ほくほく線を通って行く特急はくつるがメインであった。昭和30年代からしばらくは白鳥、日本海などは長岡まで出ていたことを考えると、相当時間が短縮されていた。北越急行ほくほく線が北陸新幹線完成までの繋ぎ路線として重宝された。この路線は第3セクターであって、経営はJRから独立している。新幹線完成後の経営は誰しも懸念するところであるが、数字の上でもそれは明白である。さて、どうなるのか。
その他、選ばれた路線は首都圏に偏っているが、奥羽本線のミニ新幹線、JR湖西線などそれぞれ実に興味深い内容が記されている。鉄道ファンならずとも是非一読いただきたいものである。
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