瑠璃色にボケた日常 みんなのレビュー
- 著者:伊達康, イラスト:えれっと
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紙の本瑠璃色にボケた日常 1
2015/09/30 14:08
球を捨てて霊につかれる
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投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る
中学時代は全国屈指のピッチャーだった紺野孝巳は、交通事故で肩を粉砕骨折し、野球の道を完全に断たれた。不貞腐れてギリギリで青鶴高校に進学した紺野孝巳の夢枕に、彼のせいで中学時代は一度もマウンドに上がれなかった小田切和人が立った。
高校入学後に、部活動中の熱中症でこの世を去った彼は、きっと自分を恨んでいるに違いない。そう思った紺野孝巳は「おはらい研究会」に相談に赴いた。ところがそこにいた有働瑠璃は「おわらい研究会」だと言い、紺野孝巳にツッコミを強要してくる。
期待はずれだと思ったのも束の間、有働瑠璃は小田切和人の幽霊を呼び出すと、紺野孝巳の認識を再定義し、成仏させることに成功してしまった。彼女は、その身に数多くの怨霊を宿す霊感少女だったのだ。
除霊のお礼として無理やり入部させられた紺野孝巳は、日々、お笑いの練習に付き合わされつつ、彼女の霊感に感化されたらしく、山根由香子という少女の幽霊を目撃するようになった。そして同じように少女が見える鴫原翠から、彼女とクラスメイトの瀬戸川圭太には近づかないように釘を刺されてしまう。
それでも鴫原翠が少女の幽霊を成仏させることなく放っておくのを見て、孝巳は瀬戸川圭太に接触を図ってしまう。そして彼から、山根由香子は自分の彼女であり、不良の武本京也に奪われた揚句、妊娠して自殺したと聞かされるのだった。
コメディと言うけれど、幽霊関係がテーマとなっていることから、死んでしまった人間が数多く登場する。しかもその死に方があまり良いものではないわけで、気分が良いわけもない。ところがぎっちょん、有働瑠璃はそんな幽霊たちを軽視し、とにかくボケを飛ばしまくるのだ。
そんな彼女のやり方に反発する鴫原翠は、禽踊と牙穿という霊獣を守護霊として持つ霊導師で、有働瑠璃とは浅からぬ縁がある。そして彼女は彼女で山根由香子を救おうとするのだが、その意図を明確にしないせいで、短気な紺野孝巳とぶつかることになるのだ。
重い話は今巻で決着がついたように思えるので、次巻以降があれば普通のコメディになるのだろう。設定やキャラクターは面白い気がするのだが、構成が整理しきられておらず、硬軟を上手く見せることができていなかった気がする。
第8回MF文庫J新人賞佳作受賞作品。
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