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詠う少女の創楽譜 みんなのレビュー

  • 著者:雨野 智晴, イラスト:たにはら なつき
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みんなのレビュー5件

みんなの評価3.7

評価内訳

  • 星 5 (1件)
  • 星 4 (4件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
5 件中 1 件~ 5 件を表示

紙の本

紙の本詠う少女の創楽譜 5

2015/09/30 14:09

祭典の裏側で

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

私立カンタトリス音楽院の学院祭が始まった。学院長の東雲詩乃、日本の《太陽の独唱者》姫咲明日香、フランスの《電子の翆玉》メアリー・マルソーという3人の宝石歌姫を迎えて始まった学院祭は、多少のトラブルはありつつも、楽しく進行していた。
 歌姫候補生の山辺花穂やシルヴィ・マルソー、妹の姫咲明日香とそれぞれ楽しい思い出を作りつつ過ごしていた神凪タケルだったが、事態は急転直下、きな臭い方向に動き出す。防衛省情報本部勤務の東雲暁から、セントポール大聖堂に安置されていた《独奏者》姫咲ヒミコの遺体が消え、生き返ったヒミコが神楽特区へ進行中との連絡が入る。加えて、ロシアの《深雪の妖精》アナスタシア・カーチナ、イタリアの《轟炎》モニカ・フェリッリ、中国の貂蝉、ドイツのナスターシャ・ジェンチも同盟してヒミコに追随し、イギリスの《純潔の獅子姫》クレア・ワイズ、アメリカの《光帝》リアーナ・ライムスも加わった、宝石歌姫総出演の対立が生まれて行く。

 前半は学院祭でのイチャイチャラブラブモード。そして後半では、次巻以降のバトル展開に向けたプロローグとなっている。ヒミコと詩乃の過去も明らかになり、歌姫にまつわる暗い過去も詳らかにされている。
 今回一番頑張ったのは、シルヴィ・マルソーかな。

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紙の本

紙の本詠う少女の創楽譜 4

2015/09/18 11:22

デート&デート

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

私立カンタトリス音楽院は、歌姫《カンタトリス》と奏士《トルヴェール》と呼ばれる、演奏を通じて魔法を行使する人間を養成する学校だ。人類の中でもごく少数の有資格者から才能を選別する養成所であり、その環境は人格的に破綻した人物も内包する。そして限られた特別な才能は、その数によって国家間の戦力バランスを左右していしまうのだ。
 そんなシステムの負の側面である張榮威による事件を解決し、神凪タケルは奏士候補生として世界中の関係者から注目される存在となっていた。しかし本人にその自覚はない。だが妹の《太陽の独唱者》姫咲明日香は、彼を狙って世界中の宝石歌姫が迫って来る未来を予想しており、焦る気持ちは兄に対する積極的なアプローチとなって溢れていた。

 そんな妹の気持ちを真正面から受け止めつつ、シルヴィ・マルソーともデートしたり、歌姫候補生の山辺花穂から手作り弁当を供されたりする幸せな日常の中、彼らは学院祭に突入する。
 世界中から人々が集まると言う学院長の私立カンタトリス音楽院の学院祭は、魔法に反対する勢力にとっても重要なアピールの場だ。当然、学院警備の問題が発生する。学院長の東雲詩乃は、その戦力として、姫咲明日香とフランスの《電子の翆玉》メアリー・マルソーに期待するのだった。

 約七割は、妹とぺったん娘とへなぽ娘とのラブコメで、このまま何も怒らないまま終わるのかなと思ったところで、ちょっとした復讐劇が発生する。そしてその流れを継ぐように、次巻における悲劇の幕開けが伝えられるのだ。

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紙の本

紙の本詠う少女の創楽譜 3

2015/08/28 13:15

意趣返しに触手プレイ

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

私立カンタトリス音楽院は神楽特区に設置された、歌姫≪カンタトリス≫と奏士≪トルヴェール≫を養成する学校だ。神凪タケルは奏士候補生で、妹に≪太陽の独唱者≫姫咲明日香を持ち、学院長の東雲詩乃、歌姫候補生の山辺花穂、≪電子の翆玉≫メアリー・マルソーの妹シルヴィ・マルソーに気に入られている。
 元々は妹にコンプレックスを抱いていたが、今では真剣に奏士を目指して努力中の身の上で、かつ、彼自身も特殊な人材であることが一部では明らかになって来た。

 そんなある日、山辺花穂の親友の川澄花音が学院を訪ねてくる。花音は、花穂が宝石歌姫になって舞台に立つのを見て自慢するのが夢だったのだが、そのタイムリミットが迫って来たのだ。花音は病気で余命宣告をされた身の上だった。
 しかしいまの花穂の実績では、タケルが足を引っ張っていたこともあって、次の舞台に立つことができない。何とか花音が生きている間に晴れ姿を見せたい花穂は、裏技として、一旦、タケルとコンビを解消し、演者に選ばれる可能性の高い上級生の張榮威にコンビを組んでもらえるよう、お願いすることにする。

 タケルはこれまでの実績は劣等生だが、その才能を認める優秀な歌姫が多くいるため、学院内でも特殊なポジションにあると言える。しかしそれは、自分に自信を持つ奏士候補生に屈辱を与える結果となっていた。その代表が張榮威だ。そして彼は、その意趣返しに、花穂を奴隷の様に扱う。
 その様子を見ながら花穂の思いを尊重して我慢するタケルだが、その嫌がらせが頂点に達した時、ついにブチ切れてしまうのだ。そこで保険が生きてくる。

 今回はお風呂場でガールズトークやら、触手プレイやら、エロ展開が満載。花穂の行動は納得がいかない部分も多いが、終わり方はなかなか良いと思う。

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紙の本

紙の本詠う少女の創楽譜 2

2012/03/10 00:59

心に届く音を出せ

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ドイツの宝玉歌姫ナスターシャ・ジェンチの音楽祭襲撃により、学院長・東雲詩乃や≪太陽の独唱者≫姫咲明日香、歌姫候補生の山辺花穂が殺されそうになった事件からしばらくが過ぎた。それに対する歌姫協議会の決定は、注意と静観。当事者だった奏士候補生の神凪タケルは怒っても良いくらいだが、正直言ってそれどころではない。妹の姫咲明日香が転校してきてパートナーの山辺花穂と張り合ったり、誘惑してきたり、東雲詩乃がセクハラしてきたり、日常で気の休まる暇がないからだ。
 そこに今回は、新たな悩みの種がひとつ加わる。フランスの≪電子の翆玉≫メアリー・マルソーの妹にして一学年先輩のシルヴィ・マルソーに対して、知らないこととは言え、小さいとか、小学生とか、ぺったんことか暴言を吐いてしまったのだ。しかもどうやら彼女、才能の無さでいじめを受けているらしく、学院長から何かと気にかけてくれるようにお願いされてしまう。

 出会いの第一印象が最悪な相手と仲良くならなければならない。まるでギャルゲーの様なミッションに挑むタケルは、妹やパートナーの助けを借りつつ、何とか話せるようになろうとするのだが、なぜか全てが裏目に出て怒らせるばかり。一体どうすれば彼女に気持ちが届くのか?

 というわけでハーレム展開に向けて学園ラブコメ全開。明日香や詩乃の誘惑を交わしつつ、シルヴィ攻略に挑む。
 でもそんなラブコメの裏では、魔法にまつわる陰謀も進行していたりして…。

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紙の本

紙の本詠う少女の創楽譜 1

2012/03/10 00:57

音楽が生み出してしまった戦場

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くまくま - この投稿者のレビュー一覧を見る

 10年ほど前、科学の世界に突然、魔法という異分子が混ざり込んだ。その魔法は、歌姫≪カンタトリス≫と呼ばれる、才能を持った女性のみが発動させることが出来、それをサポートする役割として、奏士≪トルヴェール≫という演奏者が存在する。
 そして突然世界に現れた、隔絶した力は、軍事バランスすらも一変させてしまった。歌姫による先制攻撃は多くの犠牲を出し、その教訓に基づいてカンタトリス平和条約が結ばれ、歌姫協議会が設置された。その結果、新神奈川音楽特区に設立されたのが、私立カンタトリス音楽院だ。世界中から歌姫と奏士の候補生を集め育成し、軍事バランスを保つ。神凪タケルはおちこぼれの奏士候補生、山辺花穂はそのパートナーの歌姫候補生だ。

 タケルは歌姫から見れば魅力的な奏士に感じられる。それは学院長にして宝石歌姫の東雲詩乃も認めるところ。しかし何かが決定的にかけている。ゆえに、花穂と組んだ模擬戦にもボロ負けをしてしまう。その欠陥は、彼の妹にして太陽の独唱者≪ソロ・ソレイユ≫姫咲明日香、そして母親の姫咲ヒミコとの関係に隠されていた。

 主人公の神凪タケルは、妹やパートナー、アーシア・エレオノーラなどの他の女性陣からも何故かモテモテの学園ラブコメであり、そして音楽を魔法に結びつけて戦う異能バトルでもある。学園ラブコメはあまりにもテンプレではあるが、音楽が武器というところはセールスポイントになるだろう。
 ただ、分かりきったことではあるが、音楽を文字で直接的に表現するのは難しいので、それが引き起こす演奏者や観客の熱狂、など、何か別のものを通じて音楽を文字で表現できないと、音楽を売りにする意味がない。今巻の時点ではそこまでの工夫はあまり見えず、ラブコメが前面に押し出され気味の感があるので、バランスを求めて今後に期待したい。

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