蜜のＤｅｓｔｉｎｙ（ディスティニー） みんなのレビュー

身体だけが近くても、気持ちがそばになくては。

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投稿者：kaede　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　四つのお話の短編集。
　喧嘩友達ぐらいの同僚と、ある日酔っ払って一夜を共にしてしまうOL。その後しばらく、身体だけの気楽なつきあいを続けていたが、いつしか本気で好きになっていることに気付くお話。
　大学時代の後輩をひそかに想いを寄せつつ、女を意識させない姉貴分としてつきあいを続けていたが、後輩が失恋したことから、慰めるという名目で一夜を共にする。なのに一夜だけでも、という想いが、逆に自分を追い詰め、気持ちを打ち明け、気まずくなってしまうお話。
　大失恋の後、眠れなくなってしまった女の子の高校時代から七年のつきあいの後輩クンが、えっちすれば眠れるんじゃないか、と提案。それを信じたわけではなかったけれど、失恋後のヤケの延長で、後輩クンの提案に乗ることにし、本当に眠れてしまう。その後もしばらくじゃれ合うような心地いい関係は続いたけれど、優しさに甘えていてはいけないと、新しい恋をしようとするが自分の本当の気持ちに気付いてしまうお話。
　みんなの憧れのミス南校に選ばれるほどの女の子が恋をしたが、相手の柔道部の男の子は地味な子が好きだとフラれてしまう。ショックだったが、何とか近づこうと地味にしてみたり、お守りを作ってみたりするが、想いは届きそうになくて、それでも柔道を頑張る男の子を応援したいと、勝利を願うお話。

　最後のお話だけはプラトニックな高校生の女の子の恋のせつないお話ながら、他の３作品は、恋人でもない相手と気楽に身体を繋げてしまうけれど、結局身体だけの関係の、感情が伴わないせつなさを思い知らされてしまう、という感じのお話。確かにせつなくはあるんだけれど、そのせつない想いを乗り越え、せっかくのハッピーエンドが、ちょっとあっけない感じがして残念だった。