センチメントの季節 みんなのレビュー
- 榎本 ナリコ
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2020/01/05 15:09
えっち
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:034 - この投稿者のレビュー一覧を見る
女子中学生たちのえっちなストーリーです!どのストーリーも読みごたえあります!次のストーリーが気になります!
センチメントの季節 4 (Big spirits comics special)
2005/02/18 12:06
永遠の少年
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:まさぴゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
彼女の作品で一番好きなのが、野火ノビタ名での『ハルオ』とこの4巻に入っている『永遠の少年』。サッカーが大好きだけど、続けるところがない女の子と怪我でサッカーができなくなった青年のラブストーリー。でもテーマは愛ではなく、失われてしまったものへの愛惜と失ってしまったもの同士の共感。彼女は、青年漫画誌でメジャーデヴューして一貫してHシーンばかりを描き続けているわりには、本質は「マイノリティの寂しさ」なんですよね。その本質が出ていて僕はこの作品が好きです。ただ自傷的な部分ばかり、これでもかっと執拗に描くのは、不健全で疲れます。
彼女は、あとがきで「男勝りの才能を持っているのに、成長して女になってしまったばかりに、男の子(主人公)と同じグラウンドに立てなくなる女の子をみるとぐっと来る」といっていたが、男性でありながら僕もぐっと来るのです。那州雪絵さんの『天使とダイヤモンド』も好きだったなぁ。男っぽかった女の子はみんな見事に、主人公の恋人となって折り合いをつけるんだけど、それって凄く切ないよなぁ。だって、自分は生涯物語の主人公にはなれないという宣言ですからね。
彼女たちの、サッカーをしたいとか野球をしたいという希望を断念しなければならなかった時の気持ちってどんなものだったのだろう。これは夢の「断念」の物語。世界は、成功者に満ちています。けれでも野球好きな子供が誰もがイチローになれるわけでもなく、サッカー好きな子供がベッカムや中田になれるわけでもありません。そんな「断念」を繰り返して、人は大人になっていくものです。けれど、成功者を推奨する現代グローバルな競争社会では、成功の影に捨てられた夢を省みることはありません。弱いものだけが知る真理がある、という言葉がありますが、僕もまさにそう思います。立身出世を国是とする近代社会では少年や男性と違い「少女」というカテゴリーは、そういう意味で断念の連続です。
僕はフェミニズムがあまり好きではありませんが、中島梓さんの評論「コミュニケーション不全症候群」や彼女の評論を読んでいて、受身で男性の狩りの対象である「少女」は、大変だと思います。だって「タッチ」の南ちゃんは、かっちゃんの代わりにマウンドには立ちませんもんね。不良マンガなんか、すべて置物飾りですし。少年青年漫画を見るとその画一的扱いは、もはや笑うしかないほどですもんね。それゆえの、美しさというのもまた逆にあるのだろうけれども。蛇足ですが栗本薫さんの「真夜中の天使」という傑作小説は、この非支配者の側が、愛というものを通して、支配者との関係を逆転して行く部分にあります。
甲子園などのスポーツは、ぬきがたく「男社会の象徴」なので、甲子園で優勝を目指す少女やサッカーをやりたい女性というだけで、違和感を感じてしまう。インド人の女の子がサッカーをしたくて頑張る『ベッカムに恋して(英題はベッカムのように曲げろ)』が、そもそも映画になってしまうのも、その困難さが大きいからだと思う。そして、当たり前に「できることをする」よりも、「できないことに挑戦する」からこそ、物語になるんだろうけど。
僕としては、永遠の少年のままではなく、サッカーが好きな女の子が困難と闘って、成長して、自分を見出す「ところ」をこそ書いて欲しいが、著者の描きたいテーマと外れてしまうんだろうな。 自傷系の主人公をこれでもかって連続して書き続ける榎本ナリコさんは、正直言って食傷気味です。自傷系はいかにもナルシシズム的で同時代的ですが、袋小路を感じるので、クリエイターは「その先」を目指すべきだと思います。しかし繊細に人の心を弾圧するものに対して敏感に感じる作者の視点は、嫌いではありません。
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