「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
紙の本
金融サービスの未来 社会的責任を問う (岩波新書 新赤版)
著者 新保 恵志 (著)
銀行が社会の一員として本来果たすべき金融的役割とは何か。スルガ銀行事件、ゆうちょ銀行事件など過去の重大不祥事を検証し、さらに暗号通貨やオンライン融資など、金融サービスの最...
金融サービスの未来 社会的責任を問う (岩波新書 新赤版)
金融サービスの未来
ワンステップ購入とは ワンステップ購入とは
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
銀行が社会の一員として本来果たすべき金融的役割とは何か。スルガ銀行事件、ゆうちょ銀行事件など過去の重大不祥事を検証し、さらに暗号通貨やオンライン融資など、金融サービスの最前線の動向を平易に解説する。【「TRC MARC」の商品解説】
新しい金融技術が導入され、地方銀行の吸収・合併が進む中、金融サービスはその姿を大きく変えつつある。本書では、スルガ銀行事件、ゆうちょ銀行事件など過去の重大不祥事を検証し、さらに暗号通貨やオンライン融資など、最前線の動向を平易に解説。銀行が社会の一員として本来果たすべき金融的役割とは何かを考察する。【商品解説】
本来できることは? 徹底した利用者目線から、過去の不祥事を検証し、最前線の金融技術を平易に解説する。【本の内容】
目次
- はじめに
- 序章 金融サービスと社会的責任
- 1 企業の社会的責任
- 2 銀行の社会的責任
- 第1章 金融不祥事を振り返る
- 1 スルガ銀行事件
- サブリース方式
- 「かぼちゃの馬車」事件の本質的問題
著者紹介
新保 恵志
- 略歴
- 〈新保恵志〉1955年石川県生まれ。一橋大学経済学部卒業。日本開発銀行、住友信託銀行調査部などを経て、東海大学政治経済学部特任教授。専攻は金融論。著書に「金融機関は今何をなすべきか」など。
関連キーワード
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
銀行がまだオワコンではないと思わせてくれる良書
2022/01/28 13:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:コピーマスター - この投稿者のレビュー一覧を見る
ほんらい新書というジャンルのミッションは過去・現在をハッキリ判らしめることであろうが、本書は単に過去を総括するにとどまらず、閉塞感きわまる日本社会のあかるい未来を創造する兆しを垣間見させてくれるところがよい。エグい手数料で高齢の女性顧客の財産を食い物にする金融商品を売りつける不道徳経営から脱却し、顧客の生活資源である財産を育て、一方見込みるベンチャー企業を支援するという銀行ほんらいのミッションに立ち返り、あかるい未来を創造する具体的な提言がなされている。たしかに本書で語られる理想やアイデアは実装段階で幾多の壁にぶちあたるしろものかもしれぬが、こういうビジョンやリーダシップは大事である。度重なるシステム障害と容赦なきリストラ、仁義なき合併を繰り替す銀行業界の復権があるとすればかくのごとし形かもしれないと思わせてくれるきらぼしのような夢のような至福の237頁。金融にたずさわる諸氏にはぜひ読まれたし。
紙の本
その手数料の根拠は?
2022/01/27 21:47
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は二つの銀行勤務を経て私立大学教授に転身、銀行内部の状況に精通した研究者といえるだろう。銀行の本来果たすべき金融的役割を考察することを目的として、金融不祥事
(スルガ銀行不正融資、新銀行東京の赤字垂れ流し、ゆうちょ銀行不正引出事件)、金融商品販売にまつわる顧客とのトラブル、銀行の手数料や今後の金融界の動向についての解説が本書の大宗を占めている。これから銀行で金融商品の購入を考えている読者にとって、本書の次の記述は特に、肝に銘じておくべきではなかろうか。<金融商品の販売に絡めてノルマを強いる金融機関が多く見受けられる。本当に利用者の金融資産増加に資するような金融商品を販売し、利用者も満足が得られるのであれば問題はないが、無理矢理販売しているのが実情だ。販売を担当している銀行員からは、顧客の利益に反するような金融商品の販売に辟易している声が多く漏れる。金融商品を販売している担当者の中にも後ろめたさを感じている人は多いようだ。>研究者らしく冷静な筆致で金融機関の社会的責任の欠如(?)を指摘している。誰もが金融機関とは大なり小なり付き合わざるをえない。本書はその金融機関との付き合い方についての一助となる。一読をお勧めする。
紙の本
銀行は生き残れるのか、生き残ろうとしているのか
2022/04/07 20:10
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
金融機関の経営悪化、特に地方金融機関の厳しい状況が伝えられている。原因はいろいろあるとあると思われる。
日本銀行の金融政策でゼロ金利政策が長年続き、政府は財政出動を繰り返しながらこれといった効果が出た感じがなく、赤字国債を積み上げてきただけ、成長戦略を描くことすら出来ていない。結局、金融機関の経営悪化を生み出し、預金者の本来受けるべき利息収入を移し替えただけと言われている。
金融機関は貸付と預金の利率の差での収入を得ることが難しく、手数料稼ぎに傾斜していると指摘される。
筆者は、さらに幅広く、かつ深堀していく。
まず、序章で、そもそも抽象的であるが、企業や銀行の社会的責任を問う。やはり、これを果たせていないところに問題があると指摘する。
第1章で金融機関の不祥事を振り返る。スルガ銀行の不動産融資でのでたらめと言える融資(金融庁が高く評価していたはずではという例)、新銀行東京では東京都知事のパフォーマンス先行の中小企業向け融資の銀行の設立及び失敗を金融政策の面で分析、ゆうちょ銀行の預金不正引き出しを取り上げる。記憶されている方も多いと思う。詳細は一読されて確認してほしい。
第2章は金融ビッグバンでフリー、フェア、グローバルのフリーだけを銀行が都合よく推し進め、一時払い変額保険等を窓口で販売。低金利、ゼロ金利での減収を手数料で補えとしか見えないなりふり構わない販売でトラブルが続発した。
第3章でこの手数料問題に切り込んでいく。このままでは、銀行等は生きていけるのかと思うわせる課題である。
第4章で金融サービスの新たな潮流、第5章で銀行はこれからと取り上げ、暗号資産、フィンテック等の動きに対抗できるか、新しい時代に向けた人材不足、人材育成に触れ、統廃合だけでは変わらない現実を押さえる。
第6章で個人向け金融サービスの未来、第7章で企業向け金融サービスの未来を丁寧に説く。本当に、今の銀行等で乗り越えていけるのかと思ってしまうが、それにチャレンジしない限りは未来は開けないと思う一冊である。