スタートアップとは何か 経済活性化への処方箋
著者 加藤雅俊(著)
イノベーションや雇用創出といった経済活性化への期待も寄せられるスタートアップ(創業間もない企業).アカデミックな知見に基づきその実態を見定め,不確実性とリスクを負担し勝者...
スタートアップとは何か 経済活性化への処方箋
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商品説明
イノベーションや雇用創出といった経済活性化への期待も寄せられるスタートアップ(創業間もない企業).アカデミックな知見に基づきその実態を見定め,不確実性とリスクを負担し勝者になる可能性のある「挑戦者」への適切な支援を考える.新しい事業に取り組む「挑戦者」に対する社会の態度がいま問われている.
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ベンチャーはどうなったのだろうか、スタートアップとの意味は違うのだろうか
2024/07/26 21:17
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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
スタートアップとか、ベンチャーとか、いろいろ聞くようになってきたが、わかっているようでわからないのが本当のところだろう。本書は、そういった疑問に答えようとするものであり、民間と政府の役割・関係はどうすればいいのかに迫ろうとしている。アベノミクスの時に、ベンチャー支援という政策があり、3本柱のうちの成長戦略に位置づけられ、その成果が見えないうちに、岸田政権で「スタートアップ育成5か年計画」が打ち出され、経済産業省を中心に多額の予算が計上されている。新しい産業が、新しい分野が勃興するのであろうかと思いながら、その姿は分かりにくい(見えにくいのだろうか)。目次を見ると、
はじめに
第1部 スタートアップを知る
第1章 研究者の視点で見るスタートアップ
第2章 多様な起業家とスタートアップ
第2部 スタートアップの登場・成功を探る
第3章 スタートアップの登場要因
第4章 スタートアップの成功要因
第3部 日本のスタートアップを考える
第5章 「起業家の登場」への処方箋
第6章 「スタートアップの成長」への処方箋
おわりに
あとがき 参考文献 となっている。
以上のように展開される。スタートアップは何かという点ではわかりやすく書かれている。それでも、新興企業の活躍、経済活性化や雇用創出という具体的な姿が見えない限り、理解するのは難しいだろう。以前、廃業率が開業率を上回ることが問題視され、開業率が低下しているという指摘があったと思う。それはそれでわかるが、開業率がスタートアップに結び付くというものでもないようだ。多面的に書かれているので、参考になることは多い。ただ、労働市場の流動性が低く、解雇規制が厳しいように書かれているが、日本では大企業、公務員の世界のでの制度・慣行であり、中小零細で終身雇用という話はあまり聞かない。労働法制や労働市場の専門家でないから、この点は分析といえないだろう。まして、大企業や官庁でも非正規が多い時代での労働市場の分析は欠かせないだろう。さらに、スタートアップの研究を深めてほしい。課題は多いので一読してほしい。