菅田将暉主演映画化
2024/10/17 18:48
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投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
震災から9年、コロナ禍のリモートワークを機に東北に「お試し移住」した釣り好き晋作。過疎化する地方が抱える問題を目の当たりにし、持ち前の柔軟性を活かし再生を目指すエンタメ小説。
後ろ向きになってしまう要素が重なったしんどい状況をどう立て直すのか。出来ない理由を論う前に、一つでもある望みを育てていこうとする、前向きさが光る作品。
上辺だけではない、根本的な解決に繋がる道を作るには、双方の歩み寄りが不可欠で、そこの部分のズレが忖度なく描かれていて好感を持った。空き家(住まい全体の)問題や過疎化の問題は、今は関係ないと思っていてもいずれは伸し掛かるであろう共通課題として捉える事で、緊張感も味わえ面白かった。
震災が落とした影については、軽々しく触れられない。9年をどう捉えるか、当事者にしかわからない痛みを想像する事すら憚られるくらい重い。進んでいく世界、しかしまだ進めないままの人も居るという現実も一緒に考えなくてはならないと痛感させられた。
一点だけ、百香のオタサーの姫的なモテエピソードが少々くどいと感じた。
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東日本大震災が残した傷跡、コロナ禍での警戒心、地方の過疎化に伴う空き家問題。
本書に出てくるテーマは、どれも簡単には語れない重いものが続く。
けれど、主人公の晋作や、晋作の会社の社長・大津のポジティブさが、全体の雰囲気を明るくしてくれている。
新しいことにチャレンジすることを推奨する大津社長の懐の深さ広さと、自分の楽しみのために思い切ったことができる晋作の行動力に見惚れてしまう。
一見不便な田舎暮らしを自ら望んで楽しみ、そこで新しいビジネスの種を見つけて、その土地で協力者を作っていく。
そんな晋作の生き方が羨ましいと感じる一方で、「自分も本気でやろうと思えばやれるかも」と思わせてくれる親近感のあるキャラクター。
映画で菅田将暉さんがどんな風に演じられるのか、とても楽しみです。
過去も現実も、辛いことや悲しいことで溢れている。でも、未来を少しでも良くするために、考えて、工夫して、努力することはできる。
そんな明るいパワーに満ちた本でした。
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爽やかな読了感を味わえます
楡作品は、お堅い社会問題や経済をテーマにすることが多いが難しくならず軽やかに描かれているのが性に合います
この作品もそんな作品の1つでした
「サンライズ・サンセット」良い言葉です
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楡周平『サンセット・サンライズ』講談社文庫。
地方創生をテーマにした映画化作品。映画は宮藤官九郎が脚本を書き、菅田将暉が主演を務めるようだ。ロケ地は気仙沼市と大船渡市らしい。唐桑半島に住む知人が話していたが、映画の撮影で菅田将暉ら俳優陣や映画スタッフが拠点にしたのは唐桑半島にある空き家のようだ。
ある程度の読書好きなら知っていると思うが、楡周平は岩手県一関市藤沢町出身の作家だ。藤沢を舞台にした骨太ミステリー小説『骨の記憶』の文庫本のあとがきで初めて本人が出身地について語ったことを記憶している。地元一関市で、このことが余り話題にならないのが不思議なくらいである。
楡周平と言えば、初期の頃には覆面作家として、朝倉恭介シリーズに代表されるハードボイルド・アクション小説を書いていたが、最近では『介護退職』『終の盟約』『サリエルの命題』など、社会問題をテーマにした小説が多い。
舞台は気仙沼市に近い宮城県北部の海沿いにある宇田濱という人口6.000人の架空の小さな町である。気仙沼まで車で30分と書いているのと、宇田濱という町の名称と響きが似ている歌津町がモデルではないだろうか。現在は志津川町と合併し、南三陸町と名称が変わり、東日本大震災の際には壊滅的な被害を受けた場所である。
なるほど、小説でも充分に面白いのだが、映画にしたら素晴らしいストーリーになるに違いない。
日本は首都圏にばかり人が集まり過ぎて、地方では過疎化と高齢化に歯止めが掛からない。地方の空き家問題はこの先、さらに大きな問題になるだろう。一部の不動産会社は中古住宅を買取り、リフォームして売出すというビジネスを展開しているが、これからはさらに空き家が増えていくのだろう。地方には稼げる仕事が少なく、ある程度で空き家の需要が伸びないことが予想されるのだ。
東日本大震災から9年が経過し、新型コロナウイルス感染症が流行し、東京の企業は次々とテレワークを採用する。
海釣りが趣味で36歳になる東京の大企業に勤める西尾晋作は、コロナ禍による会社のリモートワーク採用を機に田舎への移住を考える。ネットで物件を検索し、三陸の宇田濱に見付けたのは、3LDK、家賃8万円、おまけに家具家電付きの神物件だった。大家は津波で夫と子供たち、義母を失い、義父と共に暮らす39歳の関野百香だった。
早速、晋作は宇田濱に移住し、大好きな釣り三昧の日々を過ごすが、地元の人々は東京から来たよそ者の登場に気が気でない。しかし、次第に一癖も二癖もある地元民と打ち解けるようになった晋作は過疎の町で、地方創生につながるある事業を思い付く。
本体価格870円
★★★★★
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映画化になるというニュースを見て、読み終わったのに感想書いてなかったのを思い出しました
コロナ禍でリモートを余儀なくされて、釣り好きの主人公は東北の海外近くに越して来ました
住む所を提供してくれた女性
そこに住む癖のある住民の人達との関わりやら新しい事業を開拓したり、でも根底には辛い過去が
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楡周平『サンセット・サンライズ』講談社文庫 読了。大手企業に勤める主人公がコロナ禍を機に三陸の田舎へテレワーク移住する経済小説。過疎化の進む地域課題を解決しようと、空き家対策事業を思いつく。行政だけでは対応困難な社会問題をビジネスの視点からアプローチするユニークさは著者ならでは。
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クドカン監督×菅田将暉主演ってことはパロディー!しかも地方に移住し釣り三昧!!的なお話かと思ったらなんとコロナ過のテレワークからの地方創生、震災復興、地方への移住、空き家問題、少子高齢化等とお真面目な作品だったんですね。未来のためにどうしていくか考えていくことはとても重要ですね。
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楡周平氏の著作。氏の本は、何冊か読みお気に入りが多いです。食王、黄金の刻、ラストワンマイルなど。企業・経済小説に分類されると思うけど、城山三郎、高杉良、真山仁、池井戸潤など多くの方を読んだけど、楡氏はサクサク読めるし、今を反映している内容。
現在の空き家問題、コロナからのテレワークなど、現実的にもできそうだと思うし、何より魚介類、海鮮、山菜の料理の表現がホント美味しそう。行ってみたくなった笑
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『サンセット・サンライズ』
楡 周平さん 初めまして
「脚本がクドカン(宮藤官九郎)で
主演が菅田将暉?
面白いに決まってんじゃん!」
これは、娘との会話です
娘と映画を観るんなら (約束してないけど…)
サッと予習しとかなきゃ……読み始めました。
すっごく おもしろかったです。
お星さま ☆たくさん付けちゃいます☆
主人公は大手電気機器メーカー・シンバルの東京支社に勤務する 西尾晋作さん。
コロナ禍が猛威を振るい始めたなか、会社が
テレワークを導入することに…。
釣りが大好き 西尾さんは 隙間時間に
釣りができるよう居住地を宮城県の「宇田濱町」に決定する…
って言う感じの入りです。
もう…とにかく面白い。
文章も滑らかで、スーッと入ってくるの。
西尾さんの "心の声" がたまらない
作中に出てくるお料理…美味しそうすぎるし
『孤独のグルメ』の五郎さんを彷彿させるというか…不思議なのは読んでいるだけで海の匂いや、山の空気の新鮮さなんかを感じるの…不思議。
のほほーん としてるでしょ✨
ただ、こんな感じだけでは終わらないの。
堅っ苦しくはないんだけど…きちんとした
経済小説の一面もあります。
なるほど〜って唸っちゃう。
あぁ…もっとうまく説明したい。
みなさん 許してね!
気になった方は…是非、読んでみてね
余談なんですけど。。。
娘との映画
「ごめーん 時間なーい
行くって 言ってたっけ」
…ですって! 言ってません ٩( ᐛ )و
ちゃんちゃん
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コロナ禍のリモート勤務をきっかけに
大好きな釣り三昧の生活ができる!と
三陸地方の小さな漁村に移住した晋作。
借りた物件は格安で家具家電付き。
そこは、オーナーである
役所勤めの百香と漁師の父親が
震災で亡くした家族と住むはずだった家で…。
いやぁ、たまにはこんなお話もいいですね!
話の運びが、最初は都会からの移住者に対する
当たりのキツイこととかありつつも
これは絶対にハッピーエンドだなって
なんだか安心して読める感じがしました。
もちろん、そんなふうに
うまくいくケースばかりじゃないというのも
本編中に書いてはあるし
実際そうなのでしょうけど
この町と、主人公たちが協働する姿に
元気をもらいました( ^∀^)
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帯の「お試し移住をしてみたら、まさかの人生が待っていた!」に惹かれ読了。移住への憧れを持つ中での問題や考えなくてはならないと痛感した。
でも、出てくる料理や風景を想像するだけでも楽しい。そんな中、東日本大震災やコロナなど社会的問題による影響も考えさせられる。
映画化も楽しみ。
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テンポよくサクサク読める。
普通に面白かった、おとうさん良い人
釣りに興味がある人は多分もっも楽しく読める(私は興味がない)
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映画化のニュースを聞いてから本作を読み始めました。発表されたキャストの方々を脳内で思い描きながら話の世界に入っていくことに…。震災、コロナ、過疎化、少子化、高齢化、空き家の増加などが語られていることから、同じ東北人としてとても身近に感じながら、自らのことも考える作品となりました。映画は宮藤さんが脚本を書いていることから、この原作をどんなふうに味付けしているのか見るのが楽しみになりました。
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なんとなく予定調和なハッピーエンドのストーリーだけど人と人との繋がりが感じられる自然感たっぷりの小説でした
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文庫の映画告知表紙の公開日が近いのと菅田将暉の横顔と宮藤官九郎が脚本。で手にした本。
楡周平さんの本は初めてだったが他作品も読みたいし、映画であのシーンはどうなってるのか、スクリーンで観たい。