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投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
書きようによっては、もっと明るくカラッとした感じにもできただろうけど、
そういうふうにはならないところが、遠田さんらしい。
漫才の部分は目に浮かぶよう。
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私にとって普段馴染みのない「大阪」描ききった物凄い作品でした。お笑い芸人を通して人生の浮き沈みや葛藤を描いた素晴らしい作品でした。各章ごとに関連性のある人物が出てきて泣かせてくれます。ラストは涙なくしては読めなく感動しっぱなしでした。あなたもぜひ読んで感動して下さい。涙して下さい。
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大阪のお笑いの世界を中心にした連作短編集。
時代は1995年から現代まで。
大阪のお笑い界の頂点に立っている「カサブランカ チョーコ ハナコ」のチョーコを中心に色々な家族が登場します。
私はお笑いとか家族のものはあまり得意ではないので、星を少し減らしました。
チョーコとは一体、何者なのか…?
と思って読みました。
以下、各短編の、ネタバレしない程度のあらすじです。
「松虫通りのファミリア」
1995年。
漫才師の「カサブランカ チョーコ ハナコ」のチョーコに憧れて、親の反対を振り切ってピアノの世界からお笑い界に飛び込み、不倫の子を生んで阪神淡路大震災で亡くなった春美。
残された漫才コンビの相方のヒデヨシのところに孫の彩を連れに行った春美の父、吾郎。
娘を自分より早く亡くした親は辛いでしょうね。
「道具屋筋の旅立ち」
優実25歳と大学生の誠のカップルのお話。
優実の家の食事シーンの描写がなんか凄いな~と思ったら。作者が遠田さんでした。
「アモーレ逢い相合橋」
昭和の大阪の音楽業界のお話。
「チョーコ ハナコ」のハナコと結婚した歌手の柿原登と作曲家だった杉原昭彦とその想い人ちづる。
昭和レトロ感がとっても漂っていました。
「道頓ーズ、エンジェル」
2018年10月26日から27日にかけてのお話。
男運のない橋本喜佐58歳と田島都38歳が大阪ミナミの劇場で「カサブランカ チョーコ」の演じる『細雪』の雪子を観に行って偶然出会い、さらにもう一人男運の悪い西木サエ18歳とも出会い意気投合します。
チョーコは56歳になっています・。
「黒門市場のタコ」
二歳の時に実父を亡くし、介護士の母の再婚で耳鼻科医の父をもった翼。
しかし母も亡くしてしまい、血のつながらない父娘になった二人。
そして家政婦の多恵子の母は昔チョーコの家で働いていたといいます。果たしてチョーコとは何者なのか…?
徐々にチョーコに近づいていきます。
「ミナミの春 万国の春」
春美の娘である彩の母は、阪神淡路大震災で亡くなりましたが、彩は祖父の吾郎に育てられ、成長して結婚することになりました。
春美は「チョーコ」に憧れてお笑いの道に進みました。
一緒にコンビを組んでいた「はんだごて」のヒデヨシは彩のためにチョーコにとあるお願いをしにいきます。
最後はとうとうチョーコが出てきてどう締めるのか…。
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良かったんだけど、うーん。
思ってたのと違ったなぁ。
ちょっとずうつながってる短編集。
「道具屋筋の旅立ち」は軽くホラーだった。
「道頓堀ーズ・エンジェル」がいちばん良かった。
どの話にも出てくるカサブランカの話をもっと掘り下げても良かった気がするなぁ
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【愛する娘を傷つけたくない。著者渾身の人情譚】売れない芸人を続ける娘、夫の隠し子疑惑が発覚した妻――。大阪・ミナミを舞台に、人に潜むあたたかさを照らす群像劇。
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遠田潤子作品ははじめて。芸人コンビのカサブランカがつなぐ6編の物語は、映画のようなテイストで読み応えあり。ジワジワくるのが心地よいです。
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遠田潤子さんのイメージがだいぶ変わった。馴染みのある場所がたくさん出てきて楽しく読んだ。アモーレ相合橋の話が一番好き。
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●読前#ミナミの春
『銀花の蔵』で第163回直木賞候補の未読作家さん。大阪ミナミが舞台の家族小説ということで、憎めない人たちのドタバタありのホッコリありので楽しめそうな予感。ちょうど春間近だからなのか、心が暖かくなりたくて読みたくなった
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●読後#ミナミの春
大阪ミナミが舞台で漫才師が主要人物からイメージあれた関西ノリの群像話ではなく、ちょっと重苦しく心切なくなる点も多かった。期待した「あー、おもしろかった」ではなかったが、最後にホッコリできたので、ひとまずはいい読後感
https://mnkt.jp/blogm/b250306a/
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いや、びっくりしたわ。ほんま、自分の中で勝手に作り上げてた遠田潤子というイメージがくるりとひっくり返ってもた。
今まで「家族」という関係の、その影の部分を描いてきた遠田潤子が、からりと晴れた青空の下で「家族ってええもんやねぇ」と言いたくなるような日なたに連れてきてくれるやなんて。
しかも、大阪のミナミが舞台やて。しかもしかも、お笑いの、カサブランカという姉妹漫才コンビを軸にした連作短編集やて。
あぁ、ほんま面白かったわ。面白くて泣きそうやわ。いや、実際泣いたしね。まっとうな涙流してしもたしね。
ヒトが自分の思うように生きていくことなんてそうそう簡単にできるもんやない。
失敗したり挫折したり騙されたり投げ出したり。そんな嫌なことばっかりの人生の中で、それでも夢見るくらいのことは許されるんちゃう?
夢見て、それを叶えようと必死に頑張って。でも、たいていあかんのよね。うまく行かへん、それで諦めるんよ、だいたいみんな。
諦めて、言い訳しながら別の道探して進んでいくけど、夢のカケラがポケットの中に入ったままで。
でも、そんな捨てられへんままくしゃくしゃになってたカケラをふいに見つけてしもたりするんよね、人生ってさ、いじわるよね。
誰でもそんなカケラの一つや二つ、持ってるやん。だからこれ読むと「あぁ、わかるわ。そうやんなー」ってなるん。
そうやんなー、をいくつか重ねた最後に、これやん。もう、泣くしかないやん。
1995年から2025年までの、少しずつ重なった、人の縁。優しさで繋がる縁に泣き笑い。
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伝説的な姉妹漫才師「カサブランカ」を背骨に、昭和、平成、令和の家族を連作短篇で描くという試みは大きな破綻もなく纏まっているとは思うのだけれど、登場人物の遠近法上「カサブランカ」が奥に行ってしまうので、彼女たちの凄みや芸事に賭ける部分の狂気性が見えづらく、なぜそこまで人々を離さないコンビなのかがはっきりと分からない。大阪ミナミを舞台にした正に浪花節の物語はどれも読んでホッと出来る温かさがある反面、既視感が付きまとう。「道具屋筋の旅立ち」に出てくる桜文鳥の雛のエピソードのような、読み手に息苦しさをおぼえさせる遠田さんらしい世界がもう少しあれば、また印象は変わったかもしれない。
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大阪を舞台に人生をやや行き詰まる人々を描いた、各物語が少しずつ関連しあった短編集でした。それぞれの主人公が何となく的外れな感情で動いている、同意しにくいポイントに関心を持って行動している、そんな印象。ヒトはそんな風に考え行動するだろうかと疑問に感じてしまい全読了せず。星1つとしました。
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1995年から2025年までのミナミ(南大阪)を舞台にして、姉妹コンビの漫才師・カサブランカを軸に描いた連作短篇集。6篇の短篇で構成された群像劇だ。
これまでの遠田さんの著作のイメージと漫才が噛み合わなくて最初は戸惑ったが、読み進めていくうちに違和感は消えた。一筋縄ではいかないしがらみ、様々な形の家族、愛が次々に現れる。登場人物の1人が言う“一笑すれば千山青し”という禅語が象徴していた。
「黒門市場のタコ」と「ミナミの春、万国の春」が特によかった。
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大阪・ミナミを舞台に人の「あたたかさ」を描いた家族小説。
1995年から2025年の春までの連作短編集である。
要所に『カサブランカ』のチョーコ・ハナコの姉妹漫才師が出てくる。
○松虫通のファミリア〜ひとり娘のハルミが、漫才師になると出て行ってから、阪神淡路大震災でその娘が亡くなり、五歳の孫の存在を知らずにいた吾郎はそのことを元相方から知らされる。
○道具屋筋の旅立ち〜優美の母親が家族のために作り続けた大量の食事の悲惨な結末に感じたことは。
○アモーレ愛合橋〜杉本が歌手・柿原登に作曲家として作った「アモーレ愛合橋」はヒットしたが、その後転落の人生で43歳で亡くなった柿原。
唯一最後に愛する人に作った「千羽鶴に乗って」も柿原に譲ることになったのだったが…。
○道頓堀ーズ・エンジェル〜夫の隠し子疑惑が発覚した58歳、結婚詐欺に遭い一千万を騙し取られた38歳、失恋した18歳が、戎橋の前で泣く。
○黒門市場のタコ〜母が亡くなり父と2人の生活になった翼だったが、不自由さはないはずだが自由ではないと感じている。お互いに無理してる、遠慮があると…。
○ミナミの春、万国の春〜元相方の娘の結婚式に彼女のためにヒデヨシが見せたものは、憧れのカサブランカとの漫才だった。
大阪感が満載で、ミナミの町が思い浮かぶようだった。どこにいても漫才師が近くにいるような感じがするのは大阪だからだろうか。
道頓堀ーズ・エンジェルがとても濃い〜と感じた。
「温かいもんと甘いもんはいつでも女の味方や」というのがわかる。
どん底かという思いをしても誰かが泣いていたらほっとけるわけがない。
自分だって相当な思いでいるだろうに、励まして声かけている。
それも見知らぬ人やのにな…。
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おもしろいのに乗り切れない面があったのは否めず。でもラストまで読んで良かった。
最初に読んだ作品良かったし、もっと読んでみたいと思ってる作家さんの1人です。
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2025/03/28予約 21
盛りだくさんのエピソードが少しずつまとまっていく。大阪に詳しくないが地元ならもっとリアルに楽しめたのかも。
1970年の万博から2025年の万博まで、大阪近辺の事件に合わせて売れっ子漫才コンビのカサブランカ、売れないコンビのはんだごて、に関わる人々。みんなどこかに親との関係を引きずっている。クセのある登場人物の中で一番共感できたのは、翼の養父である福永充。たくさんのプレッシャーの中、気を抜ける瞬間や場所はあるのかな。
遠田潤子作品にしてはスピーディーに読み進めることができた。
大阪に土地勘のある人に読んでほしいと思った。