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商品説明
高額新薬で医療費は高騰する? 医療提供体制にコロナ危機がもたらした影響とは? 2020・21年の医療・社会保障(改革)を多面的に分析し、今後数年間の中期的見通しを示す。併せて医療経済・政策学の論点も深掘りする。【「TRC MARC」の商品解説】
2020-21年の医療・社会保障関連の主な閣議決定と政府・厚労省文書を読み解き、2020年代の医療と医療政策の今後を展望。
医療提供体制にコロナ危機がもたらした影響とは? 「『自助・共助・公助』そして『絆』」を謳う全世代型社会保障の危険性とは? 高額新薬で医療費は高騰する? 『コロナ危機後の医療・社会保障改革』(2020年9月)以降の1年半の医療・福祉・社会保障制度改革の動向を最新の資料を用いて包括的・複眼的に分析、今後を展望する。【商品解説】
目次
- 第1章 コロナ危機後の医療提供体制
- 第1節 コロナ危機後の医療提供体制
- 第2節 2021年1月前半に突発した(民間)病院バッシング報道をどう読み,どう対応するか?
- 第2章 安倍・菅・岸田内閣の医療・社会保障改革
- 第1節 第二次安倍内閣の医療・社会保障改革の総括
- 第2節 菅義偉首相の社会保障・医療改革方針を複眼的に予測・評価する
- 第3節 菅内閣の「骨太方針2021」の社会保障・医療改革方針を複眼的に読む
- 第4節 岸田文雄内閣の医療・社会保障政策をどう見通すか?
- 第3章 全世代型社会保障改革の批判的検討
- 第1節 「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」に対する意見
著者紹介
二木 立
- 略歴
- 〈二木立〉1947年生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。日本福祉大学名誉教授。著書に「地域包括ケアと地域医療連携」「医療経済・政策学の探究」「コロナ危機後の医療・社会保障」など。
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紙の本
コロナ感染拡大で医療や社会保障の価値を考える
2022/07/23 18:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は日本福祉大学学長等の経験があり、保健・医療分野を中心に社会保障について数多くの論文を書き、発信されてきた方である。これまでといっても、2020年、2021年中に書かれたものをまとめた書であるので、その精力的な取り組みは貴重だと言える。
第1章はコロナ危機後の医療提供体制。現在も、感染拡大第7波で、感染者は当然、保健所や医療機関の危機的な状況が伝えられる。
まず、コロナにより社会が変わるという言説が巷に溢れるが、それほどのものでないと歴史的に説明すると同時に、新自由主義的改革は役に立たず、中期的な保健医療改革を見通す。
次いで、2021年前半に、一部マスコミが「民間病院がコロナ対応をしない」と批判する報道を繰り返したことを取り上げ、確かに公立病院が中心に頑張ったものの、大半の民間病院が正面から取り組んでいたことを明らかにする。いかにも責任転嫁の報道という感は免れない。人口比で、いくらベッド数が多いといっても、医師、看護師等のスタッフ不足や集中医療用のベッド不足等の実態を明示する。
第2章は、安倍・須賀・岸田内閣の医療・社会保障改革では、医療費抑制政策から、地域包括ケアシステム、地域医療構想で現場の意見を聞く側面等を丁寧に見ていく。菅元総理がよく使った自助、共助、公助の解説も入る。岸田総理への言及もある。
第3章は、全世代型社会保障改革の批判的検討である。後期高齢者医療制度で中所得者以上の2割負担について、国会で反対の発言をしたことや医療へ受益者負担を導入すべきでないこと等、75歳以上の負担を増やしても、若年世代の負担は減らず、おもに企業負担が減るだけと指摘する。財政制度等審議会が優れた建議があったことも評価する。
第4章は、財務省の20年間の医療・社会保障改革スタンスの変化の検討を行う。
第5章で、社会保障・社会福祉の理念と社会的処方では、第2章で出た自助、共助、公助の詳しい解説が入る。また、ソーシャルワーカー等の位置付けの軽さ(医師、看護師等に比べ)を取り上げる。地域医療・介護の強化での多職種連携を説く。また、社会的処方に言及する。
第6章で、医療経済・政策学の論点で、高額医薬品の医療費全体の影響、厚労省の医療費抑制の計算式の問題点、医療政策の質・アクセス・費用の考え方を取り上げる。
最後の補章は厚生労働白書と日医総研報告書を複眼的に読むで、その内容を説明し、評価すべきところや批判すべきところ等を指摘する。
すべてにわたって読み応えのある書であるが、専門書である重たさがある。