紙の本
涙が止まりません
2022/07/07 19:47
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投稿者:飛行白秋男 - この投稿者のレビュー一覧を見る
拉致問題を題材と内容でした。『土漠の花』にも感動しましたが、この作品もすごいです。日本人にとって心の棘のようにいつもいつも痛めつけます。大統領が変わったり、首相が変わったタイミングでいつも「全力を尽くします」とか「いつも(被害者の人たちと)一緒にいます」とか言うけど、進展がない。被害者の方々の胸中はいかばかりでしょうか。
本書の内容が現実に起こることを心から願います。
いえ、もっと安全な確実な手段で拉致被害者の方々の帰国を衷心より祈ります。
紙の本
国家と人間が向き合わなくてはいけないと思った。
2022/04/22 20:59
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投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
拉致被害者を連れて潜水艦で日本へ亡命するという途轍もない企てが、まさに手に汗握る壮絶な脱出劇を産み出した。首領一家を守るために人格が壊れてしまった官僚軍人が支配する壊れ続ける国家から逃げ出す人々にとって、日本は夢と希望与える国であるのか。それとも地勢的な国と国との均衡を重視し、人間を細かな部品のひとつとみなすのか。様々な想いを抱きながら物語の終末へと向かった。思わず涙ぐんだ。素晴らしいエンターテインメントだった。
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拉致被害者のことを忘れないように
2022/09/28 07:13
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投稿者:智樹 - この投稿者のレビュー一覧を見る
北朝鮮による拉致事件は重大な国際問題であり、日本人は決して忘れてはならない。
電子書籍
拉致事件
2023/08/03 16:33
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
北朝鮮の拉致事件は、あの五人の拉致被害者帰国から、全く、進展無し、です。この小説は、その拉致事件への批判とか、そういった気持ちがこもっていて、読んでいて、辛くなったり、反面、感動というか、そういう感情も。
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北朝鮮、亡命、潜水艦、拉致問題、
触れる機会のない暗いテーマを迫力満点でスピード感をもって読ませて頂いた。
イッキ読み必至。
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国に裏切られた北朝鮮軍人が日本の拉致被害者を伴って亡命を図るが、北朝鮮も総力を掛けて亡命を阻止にかかります。無事亡命出来るか、そして何故、危険を犯してまで日本人拉致被害者を伴うか。
日本と北朝鮮の内部事情や外国を絡めたストーリーやバトルシーンは流石の一言。ただ、少しキャラクターや背景の厚みが弱く、小説としては星3つ。
恐らく拉致被害者に対する日本政府の考え方や対応を見せたかったのだと思います。多分、こうなんだろなと呆れるばかりでした。
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凄い緊迫感と臨場感があって、めちゃくちゃドキドキしながら読み進めました。
著者の拉致問題への思いも伝わってきて、他人事にしてはいけない気持ちが増してきました。
作中の広野珠代さんは、横田めぐみさんがモデルですよね?そして実際に横田めぐみさんが拉致された当時の日本の警察、政治家は、こんな感じだったのでしょう。主に日本海側の海岸付近で行方不明になった人が相次いだり、不振な外国船も目撃されたりしていたのに、捜査もしない。きちんと捜査を行ってれば、海岸付近の警備をちゃんとしていれば、防げた拉致被害者も居たはずなのにと、凄く悔しい思いがします。ご家族の思いはいかばかりか、胸が痛みます。
***ネタばれ***
潜水艦11号の死闘にドキドキが止まらず、日本への亡命を決め、ドンウォルと共に11号に乗り込んだ乗員たち一人一人に思いが馳せられました。ジュウクの最期の描写、誠市さんと甚さんの救出劇に目が潤みました。
凄い作品でしたが、ドンウォルをはじめとする彼ら、珠代さん達は、救出されてどうなったのか知りたかったです。そこがちょっと残念でもありました。
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絶望的な状況の連続で疲れた。最後のところは電車の中だったが、涙を堪えるのが大変だった。我が国の政府が作中のような行動を選択しそうでならないが、そうでないことを祈る。
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以前書店で見つけて読みたいとは思っていながらもなかなか手にできずにいたが、ようやく読む機会が生まれ一気に読んだ。
なるほど「沈黙の艦隊(漫画)」も読んだけど、潜水艦の密なる空間での心理描写は読んでいても息詰まりそうになるほどに苦しくなる。乗員のそれぞれのバックストーリーもしっかり作り込まれており300頁と少ない文字数の中によくここまでうまくまとめたものだと感心した。
横田めぐみさんをモチーフにした拉致問題と、北朝鮮からの亡命をうまくストーリーとして組み立て、そこにしっかりと日本の腐敗した政治問題も冷評している点も素晴らしい。
実際にこんな事件が発生したらおそらく日本は「いつもの」傍観者となるだろうと容易に想像できた。
海軍でもなければ海洋航行の経験もないから方位とかを克明に表記されても緊迫感はつかめるが場面が想像できないのが残念だ。ここは漫画に軍配が上がる。
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北朝鮮の陸海空軍による大規模軍事演習。国の威信をかけたこの行事で、桂東月(ケ・ドンウォル)大佐は潜水艦による日本への亡命を決行した。しかも、拉致被害者の女性を連れて--。だが、そんな彼らを朝鮮人民軍が逃すはずがない。特殊部隊、爆撃機、魚雷艇、対潜ヘリ、コルベット艦、そして……。息つく間もなく送り込まれる殲滅隊の攻撃をくぐり抜け、東月達は日本に辿り着けるか? 極限状況ゆえに生まれる感涙の人間ドラマ。超弩級エンターテインメント!
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北朝鮮の陸海空軍による大規模軍事演習。国の威信をかけたこの行事で、桂東月(ケ・ドンウォル)大佐は潜水艦による日本への亡命を決行した。しかも、拉致被害者の女性を連れて--。だが、そんな彼らを朝鮮人民軍が逃すはずがない。特殊部隊、爆撃機、魚雷艇、対潜ヘリ、コルベット艦、そして……。息つく間もなく送り込まれる殲滅隊の攻撃をくぐり抜け、東月達は日本に辿り着けるか? 極限状況ゆえに生まれる感涙の人間ドラマ。超弩級エンターテインメント!
月村さんの最新作で、どことなく「土漠の花」のような要素が多くありました。
ヒロインと共に敵から逃げる展開、熾烈な攻防戦などあって、どうしても比較してしまいますが、面白かったです。
始まりは、拉致被害者の女性・珠代を連れていく所から始まります。主要メンバーは北朝鮮の兵士達なので、読み方が朝鮮語です。なかなか読み方でつまづいてしまいますが、ルビは時折何回もふってくれるので、そこまで苦労はありませんでした。
ただ、登場人物が多いので、誰が誰だか登場人物一覧と照らし合わせながら読んでいました。
多いながらも、現場の状況はテンポ良く進行するので、冒頭からアクセル全開でした。
潜水艦のシーンだけでなく、朝鮮人民軍側や日本の一般人側の視点も交えながら、物語は進行します。
普通だったら、過去の回想シーンをじっくり描きますが、そこはあまり加えずに現在のシーンを怒涛のごとく進行していくので、気づいたらあっという間に読み終えていました。
ただ、(どうしても「土漠の花」と比較してしまいますが)内容がコンパクトに収まっている印象がありました。
意外と「国」との攻防シーンが少なく、思ったよりもすぐに日本の領域に到着したので、もう少し緊張感を味わいたかったなと思いました。
しかし、日本の領域に到着しながらも、日本側や「国」側の違った緊迫感も味わえ、そこでの珠代の訴えに人生の重みを感じました。
他の登場人物も国に歯向かいながらも、それぞれが強く思う救えなかった思いに胸を打たれました。
日本側の対応には、焦ったさもありましたが、潜水艦の人たちを救うことができるのか?
最後まで、怒涛の展開で、物語の終わりの先も、どんな展開になるのか気になりましたが、読み終えた瞬間、清々しい気持ちになりました。
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45年前に北朝鮮に拉致された女性を連れて日本に亡命する。
総政治局敵工部吉夏と潜水艦艦長東月、そして脱北に同意した部下たちの決死の二日間。
拉致被害者の女性を日本に帰すこと、が目的ではない。利己的個人的理由の吉夏、弟の死で国への不信感を募らせた東月。二人の主導のもと、朝鮮人民軍の執拗な追撃をかわして日本へと向かう。
潜水艦の戦い方、というものを初めて知った。その攻撃方法、攻撃の回避方法、そして密閉された空間での感情のコントロール。すべてが極限状態となる水の底。
それぞれが持つ絶望と矜持と希望。その行き着く先で遭遇する日本国の対応。
これがもう、はらわた煮えくりかえりまくり。45年前の轍を踏みまくり。この国は何度過ちを繰り返すのか。
何度悲しい少女を裏切り続けるのか。
戦いの場面では、この情勢の中不謹慎だと思いつつも手に汗握り胸が熱くなる。
けれど、これは「作り物のお話」ではない。きっと私たちが知らないところで今も起こり続けている「リアル」なのだ。
「再会」という言葉の、その重みと深みを思う。
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ほぼ北朝鮮の潜水艦内が舞台なので、ハングル読みや潜水艦の専門知識がないので読むのに苦労する箇所多数あったが、それらが些末に思えるほどのスピード感&緊迫感あふれるストーリに夢中で読破させてもらった。月村作品らしい抜群の人物描写・心情描写・ストーリテリングに、本当に有り得そうな日本の対応をシニカルに描きつつも、拉致から45年で無事生還するという期待も含めた感動的側面もあり、エンターテインメント性にも優れた秀作。
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ほぼ潜水艦の中の内容。
文章で描き切ったことは本当にすごいと思う。特に北朝鮮との戦闘。潜水艦同士の戦い。これは文字で描くのは大変だったと思う。頭の中でイメージしながら読むのもなかなか大変だったけど。
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月村了衛『脱北航路』読了。
国家の矛盾に耐えかね、日本人拉致被害者を連れ出し、日本への亡命を図る北朝鮮の潜水艦乗りたちとそこに迫る革命軍の追手と。潜水艦戦のジリジリとした駆け引きに、狭い艦内に圧縮された種々の軋轢が織り成す濃厚な人間ドラマ。通勤中、本を片手に梅田の地下を泣いて歩いた