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- カテゴリ:一般
- 発売日:2022/08/29
- 出版社: 高文研
- サイズ:20cm/348p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-87498-808-4
- 国内送料無料
紙の本
通州事件 憎しみの連鎖を絶つ
著者 笠原 十九司 (著)
1937年、北京近郊の街・通州で、日本軍の傀儡政権であった冀東防共自治政府の保安隊が反乱を起こし、日本人居留民225人が虐殺された。通州事件の真相と被害者姉妹の苦難に満ち...
通州事件 憎しみの連鎖を絶つ
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商品説明
1937年、北京近郊の街・通州で、日本軍の傀儡政権であった冀東防共自治政府の保安隊が反乱を起こし、日本人居留民225人が虐殺された。通州事件の真相と被害者姉妹の苦難に満ちた「戦後」の道のりを叙述する。【「TRC MARC」の商品解説】
「通州事件」とは、北京郊外の盧溝橋で日中両軍が衝突(1937年7月7日)した22日後、北京から東へ20キロの都市・通州で、日本の傀儡政権・冀東防共自治政府保安隊が挙兵し、日本軍特務機関長以下の軍人・在留邦人(うち約半数が朝鮮人)が殺された事件である。
通州事件は日本軍の従属下にあった傀儡軍の保安隊が起こした虐殺事件であり、中国国民政府軍ではなかった。しかし当時の日本では中国軍による日本人居留民虐殺事件としてセンセーショナルに報道した。当時の新聞には、「戦慄! 通州反乱隊の残虐 突如全市に襲撃」「恨み深し! 通州暴虐の全貌 保安隊変じて鬼畜、罪なき同胞を虐殺」「悲痛の通州城! 邦人の鼻に針金とおして 鬼畜暴虐の限り」「世紀の残虐・ああ呪ひの通州 夫より迸る血の海に 鬼畜! 臨月の腹を蹴る」といった見出しが躍った。保安隊の残虐、残忍性を強調し、日本人居留民がいかに残酷な手段と方法で虐殺されたかを強調して、保安隊そして中国軍にたいする憎しみを喚起して、敵愾心、報復心、復讐心をき立てて、「暴戻なる(あらあらしくて道理にもとる)中国、中国人を懲らしめる」、当時の言葉でいえば「暴戻なる支那の膺懲」すなわち「暴支膺懲」のための正当、正義の戦争が「支那事変」(日中戦争)であると日本国民に思い込ませる意図をもっていたことにある。
現在でも、5カ月後の37年12月、日本軍が引き起こした南京大虐殺に影響を与えた事件として推測されているように、通州事件は官民挙げて日中戦争へ突き進んだ、大きな要因となった事件である。
本書は、その通州事件に至る「前史」「前夜」の歴史的背景、事件の全貌、そして、恩讐を乗り越え、反戦の思想にたどり着いた遺族の「戦後」をたどった貴重な記録である。【商品解説】
目次
- 序 章 通州事件の歴史背景
- 第1章 冀東保安隊はどのような軍隊だったのか
- 第2章 冀東防共自治政府と冀察政務委員会
- 第3章 中国国民の怒り、怨嗟の的になった冀東政権
- 第4章 華北における抗日戦争気運の盛り上がり
- 第5章 通州事件の発生と全貌
- 第Ⅱ部 憎しみの連鎖を絶つ──通州事件被害者姉妹の生き方
- 第1章 満州への移住と病院開設
著者紹介
笠原 十九司
- 略歴
- 〈笠原十九司〉1944年群馬県生まれ。東京教育大学大学院修士課程文学研究科東洋史学専攻中退。都留文科大学名誉教授。著書に「南京事件」「日中全面戦争と海軍」など。
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通州事件の詳細
2024/01/24 14:15
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ichikawan - この投稿者のレビュー一覧を見る
近年日本の右翼は日本こそが被害者であったのだとして通州事件に言及するのを好む。これは論外にしても、ほとんどの人が通州事件について名前だけは知っていても詳細は知らないであろう。本書はまず通州事件をその前夜から解きほぐすものであり、またこの事件の生存者の証言とその足跡をたどることで憎しみの連鎖を絶とうとするものである。