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- カテゴリ:幼児
- 発行年月:1996.6
- 出版社: クレヨンハウス
- サイズ:31cm/1冊
- 利用対象:幼児
- ISBN:4-906379-59-1
紙の本
ねこのき
オレンジ色の長いしっぽをもったねこが、なくなりました。ねこを飼っていた、花の好きなおばあさんは庭にうめました。春がきてそこから小さな芽が顔を出しました。抒情性豊かな作品。...
ねこのき
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商品説明
オレンジ色の長いしっぽをもったねこが、なくなりました。ねこを飼っていた、花の好きなおばあさんは庭にうめました。春がきてそこから小さな芽が顔を出しました。抒情性豊かな作品。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
長田 弘
- 略歴
- 〈大橋歩〉1940年三重県生まれ。イラストレーター。各種雑誌、広告等で幅広く活躍。著書に「すてきが好き」「くらしは楽しみ」「おしゃれになりたい」「はるかに海の見える家でくらす」など。
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紙の本
オレンジ色とともに鮮明に刻まれた1冊
2009/09/27 19:33
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る
『なぜ戦争はよくないか』、『バスラの図書館員』と、
縁があったので、図書館で「長田弘」さんの名前で検索して見つけた1冊。
ざーっと検索結果を流していて、タイトルで目に留まった。
「ねこのき」って、「ねこ」が生えているのかなぁ?
不思議に思って該当の書架まで行くと、
まぁ、その書架は見事にねこだらけ。
そのうち、違うねこも連れて帰ってきちゃうんだろうな・・・。
本書は、おばあさんとオレンジ色のねこのお話。
オレンジ色のねこは、夜はどこかに出かけて、
朝はいつの間にかおばあさんのところに帰ってくるようなねこだった。
ところがある日、オレンジ色のねこは帰ってこなかった。
しばらくして、女の子が死んだオレンジ色のねこを連れてきた。
ねこは夜に道を渡ろうとして車にひかれてしまったのだった。
おばあさんは、お庭にねこを埋めた。
すると、そこから芽が出てきて・・・。
著者紹介欄のコメントで、長田弘さんは、ねこに対する思いを語っていた。
近所のねこたちは、
この場所には、このねこ、あの場所には、あのねこというように
それぞれのお気に入りの場所にいて、
いつしか自分のことを覚えてくれるようになった。
ところが、いつもの場所にいたねこがあるときいなくなり、
そのねこにはもう会えなかった。
本書は、いなくなったねこのことを思って書かれた作品なのだった。
淡々と事実が説明され、その通りの絵が描かれている。
ねこがどうした、おばあさんがどうした、
女の子がどうしたということは書かれているが、
ねこはどう思った、おばあさんはどう思った、
女の子はどう思ったというような内面描写は書かれていない。
おばあさんは死んだねこを抱いて泣きましたのような
悲しみを表現した行動さえ書かれていない。
でも、その淡々とした世界に命の不思議が詰まっている。
先立った者は、残された者に、かつてここにいたのだというしるしを
そっと残してくれるんだと信じられるお話だった。