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商品説明
なぜ、北は突如として南に侵攻したのか。この戦いはいつから米中対決の場となったのか。南北分断の真因は何だったのか−。第一線で戦った韓国の名将が、初めて明らかにした朝鮮戦争の真実。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
白 善燁
- 略歴
- 〈白善燁〉1920年平安南道生まれ。満州国軍官学校卒業。国防警備隊に入隊し、参謀総長に就任、韓国軍初の陸軍大将となる。退役後は、各国の大使、韓国綜合化学工業株式会社社長等を務め、80年退職。
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紙の本
韓国滅亡を救った英雄の回顧録
2003/12/23 18:39
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:としりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
1950年8月、2ヶ月前に勃発した朝鮮戦争は、北朝鮮軍の攻勢を受け、韓国軍は釜山を中心とする半島南東部に押し込められてしまった。多富洞の陣地線を抜かれれば釜山までは一直線、韓国滅亡の危機だった。
支援の米軍第27連隊は反撃を開始、かなり北進することに成功していた。ところが、米軍の側面を担う韓国軍は苦戦し、前進どころか後退を始めたのである。それを知るや米軍司令部は、「一体どうしたのだ。韓国軍にはやる気があるのか」と難詰してきた。また、「韓国軍に戦意なし」とみなした米軍第27連隊長は、「わが連隊は撤収するほかはない」と言い出したのだ。
このピンチを救ったのが、本書の著者・白将軍である。師団長だった著者は、後退してきた部隊を集めると、叱咤し必死に語りかけたのだった。そして、師団長自らが先頭に立って突撃をした。これを機に、韓国軍と米軍との一体感が生まれ、形勢の逆転に成功したのである。
これが本書のハイライトと言ってよい場面である。(P233−236)
本書の巻末には小川彰氏による「解説」がある。この場面について「解説」の中で小川氏は、「アメリカ軍将兵が見守るなかで、その戦意を疑われていた韓国軍の信用が回復した」「自分の国は自分で守るしかない。自分の国を自分で守ろうとする者に、米軍は援助の手を差し伸べたのである」と書いている。
有事の際、黙っていても国連軍や米軍が助けてくれるなどと考えるのは大間違いだろう。「祖国は自分たちで守る」という気概と戦意を国民が示してこそ、援助の手が差し伸べられるのだ。
因みに、この戦争で韓国民は進んで軍に志願し、負傷兵の後送などの労役に当たったことにも著者は触れている。(P239)
こうした韓国民の行動の底辺にあるのは「祖国愛」「愛国心」だろう。これを持たない民族は滅ぶしかないのである。我々日本国民はこれを十分に認識し学ばなければいけない。
さらに、「解説」の小川氏は、もしも韓国が滅亡し、北朝鮮による半島統一となっていたら、日本の運命も大きく変わったものになっていたと指摘している。日本民族にとって大変な苦難が待っていたとする小川氏の主張は重要である。朝鮮半島が日本の安全にとってどれほど重要な意味をもつのか、我々はよく認識しておくべきである。
さて、朝鮮戦争については、一般的な見方として、北朝鮮軍と中国軍に対して米軍を中心とする国連軍が戦ったというものがある。だが、それは必ずしも正しいとは言えないだろう。あくまでも韓国軍が立派に戦ったからこそ、米軍などの協力が得られたことが本書から理解できる。
他にも、本書には戦争(対テロ戦争も含めて)を知らない我々日本国民が学ばなければいけないことが数多く書かれている。
さらに、日清・日露戦争から韓国併合について、著者は極めて公正妥当な見方をしている点も注目される。日本による一方的な侵略行為としてではなく、当時の国際関係のなかでの日本の立場を踏まえた上で記述しているのである。当時を知る世代としては当然のことかもしれない。
本書は、巻末の「解説」も含めて注意深くじっくりと読みたい書である。