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紙の本
会社で働くことが怖くなった1冊
2001/03/25 16:06
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にゃあこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
いやはや恐ろしいです。世界に名を轟かせる日本の一流企業の経営陣は、労務管理をこんな風に考えているんですね。しかも本気で。永久機関も超能力もオカルトもいいけどさ。そりゃ信じる楽しみもわかりますけど。私たち、同じ人間ですよね(涙)!!
働き蜂が気分よく働くように(精神)環境を整備してやろう、という思い上がった偽善者面に怒りを通り越して背筋が寒くなる。ふーざけんなよー。そういえば、と思い当たる節が私の勤め先にもちらほらと…。
この本は労働者自身の危機管理のための課題図書でしょう。長く版を伸ばしてもらいたいものです。
紙の本
100匹目の猿
2001/07/13 23:09
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:小店長 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いま読み終わったところです。あの野中郁次郎までも…、世の中知らないことの方がいいこともある、そんな考えが頭を過ぎりました。私も100匹目の猿なのかもしれません。
斎藤貴男の著書を読むのはこれで3冊目です、どの本も鋭い洞察に溢れ、圧倒されてしまい、そして他の人の書く本が霞んでしまいます。そのなかでも、この本は一番すばらしいですね。ぜひ一人でも多くの人に読んでほしい一冊です。
紙の本
笑ってなどいられない
2012/06/17 12:44
9人中、9人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GTO - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読んで、こいつらバカかと笑ってなどいられない。いまとなればバカかと言えるが、過去を振り返れば、若い頃にはユング心理学、真言密教から始まり、阿含宗、ヨガ、陰陽道などの本を熱中して読んだことがある。近代を乗り越えようと考えると最も手短な方法として、宗教や超能力が浮かんでくる。この本の中には、中心的な人物以外に河合隼雄・村上陽一郎・養老孟司・小田晋・大槻義彦などの名前も挙がっている。UFOの矢追純一やスプーン曲げのユリ・ゲラーは信じなくとも、上記のような大学教授たちの著作や発言だと信じてしまいそうでは?
私の場合、「超能力も実在するなら、単なる能力」という筒井康隆の考え方が一方にあり、再現性がなく自分が実現できない力を信じることができなかったため、のめりこむことはなかった。さらに、「悟り」とは何かを突き詰めて考えると、現代に生きる誰もその域に達しているとは思えなかったので、何かあるいは誰か一人を崇拝することにはならなかった。
先日、大手企業のお客様招待会に出席した。上司にライバル、後輩が一堂に会しているためか、社員がみないつも以上に洗脳された目をしていて、恐ろしかった。私も勤め先によっては、そうなっていたかもしれない。
目次と重要人物名
第1章 ソニーと「超能力」 … (佐古曜一郎・土井伺朗)
第2章 「永久機関」に群がる人々 … (猪俣修二・小牧昭一郎)
第3章 京セラ「稲森和夫」という呪術師 … (稲森和夫・小山克明)
第4章 科学技術省のオカルト研究 … (山本幹男・西野皓三)
第5章 「万能」微生物EMと世界救世教 … (比嘉照夫・岡田茂吉)
第6章 オカルトビジネスのドン「船井幸雄」 … (船井幸雄・五十嵐由人)
第7章 ヤマギシ会 − 日本企業のユートピア … (杉本利治・新島淳良)
第8章 米国政府が売り込むアムウェイ商法 … (デヴォス・ブッシュ)
終 章 カルト資本主義の時代
紙の本
一歩手前で踏み止まっていれば・・・
2005/12/02 05:25
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:半久 - この投稿者のレビュー一覧を見る
個々のルポは、それなりに読み応えがある。そのため星は3個にした。ただし本書は、『トンデモ本の世界R』(太田出版、と学会著)の中で、「社会派トンデモ本」の一つとして認定されてしまってもいる。あの『戦争論』や『買ってはいけない』と並んで。
執筆者は藤倉珊氏で、12ページ分を反論に当てている。***
反論内容を、私なりに要約すると・・・
まず、オカルトにはまる人は人種、性別、年齢、職業、地位、階層を問わない。オカルトにはまる企業人がいても、不思議ではない。オカルトで利益を上げようなんて非効率的なだけで、企業にとってそんな陰謀に意味はない。なのに著者は、ばらばらの事例に対して共通してなにかが底流しているとする。それが「カルト資本主義」で、急速に台頭しつつあるというが、もちろん根拠はない。こうして『カルト資本主義』は、陰謀論の本になった。陰謀論はオカルトの一分野である。つまり、オカルト嫌いがオカルトになってしまった・・・という話だ。
両方読み比べてみて、私は、と学会側の言い分に理があると判断した。
確かにそうなのだ。8つの物語を繋ぐ共通環が、明確に見えてこないのだから。
他にも、ディープ・エコロジーに対する理解が一面的なところなども気になる。
ドラえもんの映画で、《惑星の環境を汚す人間を”神様”がヲらしめるという筋書き》を《カルトに通じるディープ・エコロジーに近い内容》と感じ、《背筋が寒くなった》そうだ。なんと強引な関連づけ!
あまつさえ、《『ドラえもん』ほど幅広い世代に支持される物語は他にない。自分がカルト資本主義者なら、これほど使えるツールはないと発想するに違いないと思った。》とまで述べているが、どうみても考えすぎだろう。
ある講演会でジョン・レノンの『イマジン』が使われるシーンも、あたかもこの曲に問題があるかのような描写だ。
《意識の変革を歌いあげる『イマジン』という曲は、全編ニューエイジ思想で構成されている。》とまで決めつけている。
しかし『イマジン』は、9.11以前から、反戦デモでよく歌われている曲の一つでもある。
多くの音楽は幅広い解釈を許すが、『イマジン』もまた、ニューエイジ思想だけで括れる曲ではないのだ。***
さて、ジャーナリストが、カナリヤのようになにがしかの「危険性」をいち早く察知し、それを社会に伝えようとする「使命」に突き動かされていることは悪くない。その多くは、貴重な作業だと思う。
それを踏まえた上でも、なお、問いたいことがある。
例えば、本書に登場するヤマギシ会。断っておくが、私もシンパシーはない。こういった団体をルポすることに、反対するのではない。
しかしこれを、根拠のない「カルト資本主義」のネットワークに位置づけることは、「マイノリティ(思想)集団は厳しく監視すべきだ」という世論形成を、盛り上げることになりはしまいか?
藤倉氏の言うように、ただ斬り捨てるだけにすればよかったのだ。
本書は陰謀論を導入した分、「異端者」達に対し「過剰な罪状」を発行するものとなってしまっている。
『デモクラシーの冒険』(集英社)から、テッサ・モーリス-スズキ氏の発言を引く。
《最近では「内的国境」はますます強化され、その外側の領域は複雑にカテゴライズされています。グローバル化によって人の移動がさらに激しくなった結果、国民と外国人と言った単純な区別では、もはや対応できなくなっている。外国人もいろいろですし、「非国民」が必ずしも外国人というわけではない。テロ集団やカルト教団、あるいはセクトといった「非国民」への過剰反応は、今の監視社会の進展と、非常に密接な関係を持っています。》
近年、頓に「監視社会」への反攻を強める斉藤氏であるが、本書は著者自身の足元を掘り崩すことにはならないのだろうか?
紙の本
2000/6/11朝刊
2000/10/21 00:15
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
バブル崩壊後、社会の虚をつくように台頭してきたオカルトブーム。それらは企業や経営者とも結びつき、広がりを見せているのではないか。その深層には何があるのか。こんな問題意識からソニーの超能力研究、船井幸雄のニューエイジ思想的なビジネス書、京セラを率いる稲盛和夫の「盛和塾」などをルポした。
三年前のリポートなので、事例が少し古くなっていることと、かなり扇動的な書き方が目につくが、世紀末日本の隠れた側面に光を当てた書として面白い。
(C) 日本経済新聞社 1997-2000