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紙の本
やはり肌に合わない?
2006/01/15 10:57
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:APRICOT - この投稿者のレビュー一覧を見る
セム語系古文書の独創的な解釈で名を成した、英国の若い考古学者カスパー・レングは、イスラエルから強引に仕事を依頼される。ユダヤ教を象徴する聖なる燭台メノーラは、ローマ帝国に奪われたと思われていた。だが、奪われたのは偽物で、本物はひそかにある場所に埋められている…とほのめかす古文書の一部が発見された。だが、ヨルダンも古文書の別の一部を発見して、メノーラの探索に乗り出したふしがあり、イスラエルは先を越されまいと血眼になっているのだ。引き受けたカスパーは、イスラエルに急行するが…。
テーマは大好きな宝探しで、イスラエルにヨルダンという舞台設定も興味深い。だが、作者がライオネル・デヴィッドスンなのが、正直なところ不安だった。以前読んだ彼の作品「モルダウの黒い流れ」が、あまり好きになれなかったからだ。だが、かなり前から積ん読にしている事もあり、ダメもとと思って読んでみた。
しかし、うーん…やはりこの作者は肌に合わないようだ。「モルダウ…」は、とにかくわかりやすい話だった。だが本書は、舌足らずだったり、場面転換が唐突だったりして、何だかとてもわかりづらかった。しじゅう急ブレーキを踏む車に乗っているような、心地の悪さを感じた。
また、翻訳も感心できない。だらしのないところはあるが、れっきとした学者でインテリの主人公が、いつも自分を”おれ、おれ”と呼ぶのはいかがなものか。これは作者の責任ではないが、あまり魅力のない主人公を、さらに魅力なくしたのは否定できない。