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紙の本
著者 我妻 栄 (著)
法律における理窟と人情 第2版
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みんなの評価4.5
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評価内訳
2012/12/29 15:59
投稿元:
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講演録をまとめたもの。法律における一般的確実性と具体的妥当性の調和を論じた表題作などは法学徒必読かと。
2019/01/27 15:28
民法の大家、我妻栄の講演をもとにした本。 本の紹介に「法律学の神髄を面白くかつわかりやすく説く」とあるが、まさにそのとおり。 これから法学を学ぶという人にぜひ手に取ってほしい。
2021/05/01 15:28
法律に携わる者として忘れてはならないことが凝縮されていて、民法の大家であり学者の中の学者でありながら、この初心というか真髄を見誤らない我妻先生はすごい。先生のバランス感覚に優れたチャーミングな人柄まで伝わる。家庭の民主化については、戦後の話とは思えないほど今にも通じる話が多く、日本あんま変わってないじゃん…と、これはこれで多少絶望的な気持ちにもなる。先生が今の日本を見られたら、どう思われるだろうか。たくさんの気付きを与えてくれる名作。
2022/01/24 16:29
法的安定性と具体的妥当性との間の適切なバランスをとることこそ法律家の任務であるとする我妻榮の名講演。
2023/12/05 05:04
民法の神様、我妻榮の講演速記録。 表題作『法律における理窟と人情』と『家庭生活の民主化』の二本立てで、どちらも日本学術会議の初代副会長として市民向けに行った啓蒙講演を元にしているため非常に読みやすい。 『法律における理窟と人情』は法学では最早マジックワード的に使われる「法的安定性と具体的妥当性の調和」について掘り下げたもの。 法的安定性(本文中では分かりやすく「杓子定規」と表現)こそが法律の生命であるとしながら、これを保ちつつも「全人格を傾倒」して具体的妥当性を図ることこそが法律に携わる者の使命である、と説く。 そして『家庭生活の民主化』は戦後の家族法改正を前提に、今後の夫婦、親子、そして家庭のあるべき姿を説くもの。 どちらも市民講演のわりに(というよりも、だからこそ、か)啓蒙的側面が強い。そもそも、あの我妻栄がドサ周りみたいなことをさせられていたのが驚き。そして『家庭生活の民主化』では特に顕著だが、聴衆に対して正面から「民主化のためには一人一人の意識改革が必要だから、これこれというように考えを改めてほしい」といったような記述が多く、今日の感覚ではまずそこが新鮮だった。 また家族制度の復活論や貧困による親と幼子の心中問題など現代ではもはや前提が入ってきづらい議論も見られ、良くも悪くも「歴史の1ページ」の感がある。 総じて個人的には深く刺さる本ではなかったが、戦後間もない頃の空気感を知り、また戦後第一世代の覚悟を感じるためには文句なくいい本。 特にこれから法学を学ぶ学部生には、『法律における理窟と人情』の部分だけでも一読を勧めたい。
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