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紙の本
著者 養老 孟司 (著)
唯脳論
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みんなの評価3.7
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評価内訳
2007/07/06 23:19
投稿元:
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すべては脳のなかで起こっている。私達が暮らしていくために使う触角・味覚・視覚・聴覚・嗅覚はすべて脳が、神経からの電気信号を受け取って我々に感覚として受け渡しているのである……という東大の解剖学教授の目から鱗の講釈の数々。随所にSF的志向があって大変刺激的でした。
2009/08/03 20:34
以前保健室で途中まで読んだことがあった。脳を移植されたネズミの写真は生理的に受け付けない。理屈としては理解できる。
2009/11/18 23:51
自分の教養のなさを思い知った 内容以前に例えと言葉の意味がわかんない 勉強しなきゃなあ 20年前の本だから、やっぱり脳それ自体に関しては古い情報なんだろうとおもうし、 教養なくて文章の意味がわかんなかったりするから 全然理解はできてないんだけど エピローグはなんとなく、言ってることがわかった気がする。 またちゃんと読みなおしたい!
2010/07/31 14:02
脳と心の関係を心臓と循環と同様に見立てているところが面白い。 物と機能は異なるものなのだ。 聴覚と視覚を無理につないだため脳が出来た。 聴覚は時間を前提、内在化している、視覚は時間を疎外あるいは客観化する。このような二項対立が意識的思考に影響を与えている。 脳は人工物で周りを固めたがるが、脳の身体性自身が自然の産物である。 正直、難解な言葉の上に、結論の有るような無いような論調であったので分かりにくかった。再度挑戦したい。
2010/10/31 21:40
現代社会は脳化された社会である。そのことが身体性の問題をなおざりにしているという問題提起。 脳について脳が考えるというのは、ある意味人間的な行為であって、およそ他の動物にはできないことである。デカルトはコギト・エルゴ・スムといった。これは考えているということそれ自身が自分であるということ。つまり、脳が脳について考えている状態であることを包含しているということだろう。要素還元主義に従って、脳の機能を末梢神経などの集合として単純化させたとしても(あるいは単純であるがゆえに)意識というものがなぜ生じるという問いに答えることができない。これは最大のなぞの一つであるがはたしてこれから解決されるのか実に興味深い・。
2012/07/27 01:24
とても興味深く読んだ。建築物などの人工物は人間の意識(想像力)から誕生したものであるから、都市化=脳化であるという氏の考えにハッと気づかされたことも多い。「末端は中枢の奴隷」という言葉は、心に残っている。脳は体を支配しているようでいて、実は支配されている。体(ハード)が滅びるから、心(機能)が滅びるのだ。
2013/08/25 08:36
(2002.04.12読了)(2002.04.01購入) (「BOOK」データベースより)amazon ヒトとはなにか。脳を解剖し自己を解放する。現代は脳の時代である。情報化社会とは社会が脳の機能に近づくことを意味している。現代人はいわば脳のなかに住んでいる。脳は檻なのか、それとも最後に残された自然なのか。 ☆関連図書(既読) 「解剖学教室へようこそ」養老孟司著、筑摩書房、1993.06.25 「考えるヒト」養老孟司著、筑摩書房、1996.07.10
2014/09/01 01:57
1989年の本。25年も前ではありませんか。やっぱり内容は脳科学として見れば古いな。 脳化社会、唯脳論というのは、身体性に対立する二元論になってませんかね。結局。エックルスやペンフィールドのように。 言語のところはなかなか面白かった。視覚言語・聴覚言語・音楽は、それぞれ支配領域が違う。でもつながっているという話。
2017/05/29 09:11
池田某でよくよくでてきたものだが、どういうわけか忘れていて、ワゴンセールで見かけて思い出す。 ものとしての脳であり、ものではない脳。機能と構造を止揚した存在。考えているこの存在を「脳」と言っただけのこと。このひとは、「わたし」ではなく「脳」と言うのである。 機能と構造の止揚を「連合」と呼ぶこと自体は確かにもう古いかもしれない。今はそれを「システム」と呼ぶのかもしれない。けれども考えていることにはもう何千年も前から進歩などなかった。「脳」であるところの「わたし」が変わっていないのだから、その考え方も何にも変わっていないのである。 この「脳みそ」を物質として考えることもまた、「脳」の働きなのである。二元論とは、同じものの裏表を見ているだけであって、分け方の問題でしかない。では分けるのは一体何か、この脳であるところの「わたし」でしかない。とするならば、このわたしは一体別れた存在なのか。主語をいちいち述べる必要のない日本語という言語はこういう時に非常に役に立つ。 それにしてもこの筆者は、解剖学というものをどうしてここまで続けてこられたのか。死体を刻むのが倫理的にどうとかそういう話ではなくて、単純に気持ち悪いと感じなかったのだろうか。中身をむき出しにする時、メスを入れて取り出す時、その手触りに妙なリアルさを感じたのではないか。目の前のこれは死んでいる、でも今手にしているこの臓物は「死んでいない」。死体ではあるが、生きているものを手に取って眺めているのである。彼が最後に身体の反逆について述べるのは、こういう実体験に基づくリアルな実感なんだと思う。脳は自分自身のことしか知らない。それがなんということか、この身体に宿っているのである。奇妙な事であり、また恐ろしい事態なのである。 さて、この著書からはや20年以上が経とうとしている。歳もずいぶん召されて、きっと身体の声がもっとよく聞けるようになっているかもしれない。唯脳論以後、どうなっているのだろうか…
2015/02/28 00:00
現代とは、要するに脳の時代である ヒトが人である所以は、シンボル活動にある ヒトの脳の機能も身体と同じく数万年変化していない ヒトの作り出すものは、ヒトの脳の投射である 脳は物質的存在で心は脳の機能、心臓という物と循環という機能の関係と同じ 子供に英会話を教えるなら、マイン、モア、パパの3語で十分 計算は脳の進化過程ではもっとも遅く出現した能力 皮質でのカナと漢字の処理部位が違う可能性がある 野口体操(コンニャク体操) 唯脳論は基本的には解剖学である
2002/06/10 00:00
脳は、人間の器官の中で最も不可解で謎が多い部分だ。医者や解剖学者は、哲学や宗教とは無縁に、人をタンパク質の塊と見る視点が必要になるが、それでもやはり、脳だけは魂や哲学と切り離して考えることが難しい部分だと思う。著者は、出来る限りシンプルに、解剖学者としての立場から客観的に脳というものを語ろうとしている。その冷静な語り口には、人間の知性の偉大さを感じさせるものがある。 われわれがサルをよく理解するのは、われわれの脳の中に、ともあれサルの脳があるからである。イモが欲しいという、サルの動機ぐらい、ただちに理解できる。その意味では、計算機の中をわれわれはほとんど理解しない。(p.89)
2022/07/22 21:30
神田神保町にある古本屋の明倫館書店で、大学2年生くらいの頃に買った本。当時は読んでもよくわからなかったが、四半世紀以上たった今読むと、少し理解ができるようになった。再読なので、所々昔読んだ記憶が残っていて、興味深かったことを思い出しながら読んだ本です。 脳の機能である心や言語などを著者の言葉というメスを使って取り扱っています。 古い本なので、脳に対する科学的な知見については、今と少し変わっているが、著者の哲学的な脳の機能の理解をしようとする試みはとても面白かったです。
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