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紙の本
十字屋敷のピエロ (講談社文庫)
著者 東野 圭吾 (著)
ぼくはピエロの人形だ。人形だから動けない。しゃべることもできない。殺人者は安心してぼくの前で凶行を繰り返す。もし、そのぼくが読者のあなたにだけ、目撃したことを語れるならば...
十字屋敷のピエロ (講談社文庫)
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商品説明
ぼくはピエロの人形だ。人形だから動けない。しゃべることもできない。殺人者は安心してぼくの前で凶行を繰り返す。もし、そのぼくが読者のあなたにだけ、目撃したことを語れるならば……しかもドンデン返しがあって真犯人がいる。前代未聞の仕掛けで推理読者に挑戦する気鋭の乱歩賞作家の新感覚ミステリー。【商品解説】
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紙の本
ピエロの存在が意味するところ
2023/03/17 17:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:恵恵恵 - この投稿者のレビュー一覧を見る
金持ちの一族で起こる連続殺人事件の話
ピエロになんかあるんだろうなって思いながら読んだけど甘かった。そうゆうことかっていう感じになったから面白かった。
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「視点」が魅力の「本格ミステリー」的秀作
2017/01/31 05:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:hee - この投稿者のレビュー一覧を見る
「十字屋敷」と呼ばれる、とあるお屋敷という閉じられた世界において、不幸をもたらすといわれるピエロに絡み、屋敷に住まう武宮家およびその周辺の人物に関わる複数の殺人事件をめぐるミステリー。
東野圭吾氏のミステリーにいくらか接してきていますが、いわゆる「本格ミステリー」的な色合いや雰囲気がただよう作品です。
ワタクシがこの作品から受ける強い印象のひとつが「視点」の巧みさです。
本作は、おおよそ、(1)武宮水穂、(2)場、そして(3)ピエロの人形 ― の3つの視点から語られていると思います。
(2)は、客観的な事実を「場」の目線から語るものとして一般的。
そして、物語のメインストリームをほぼ1.に集約されることで、読み手の感覚が主人公一点に集中され、ブレることなく、また、ある種の一体感や臨場感を増しつつ、物語を追えたように思います。
そして(3)
(1)と(2)だけでは描写しきれない場面や情報を補足する、また、全体の物語に独特の視点や雰囲気を添えるという意味においても、たいへん面白い視点であるなぁと個人的には感じました。
この「視点」の感覚。
今後の読書にもこの感覚を活かして、より深い読みができればと思います。
そしてストーリー。
動機の部分は作者に任せるしかない部分(具体的には、物語後半の謎解きの段階で、あらそうだったの!?的に知らされる部分)はありますが、各種トリックや二重三重に仕掛けられた殺人事件の構造については、すっかり堪能させていただきました。
あと、屋敷の見取り図を掲載いただいているのがとってもありがたいです。
まだまだワタクシの読解力が弱いせいか、文字だけだとイメージしづらいところも多々あるため。
また、怪しさに満ちた人形師の悟浄と人形の、本当の姿とその後の物語も大変興味深いところです。
何か別の物語などに登場しないかなぁ…
いやはや。
かの名准教授の名台詞をお借りするならば、「実に面白い!」作品でした。
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三度騙され
2007/12/16 04:35
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あん - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後まで真相を読み解くことが出来ませんでした。本格推理小説風で面白かった。
アリバイトリックや「思い込み」を利用したトリックの数々に思いきり騙され、心地良いくらいです。
半ばで一旦決着が付いたかに見え、後半でいよいよ真相が全て分かったかに見え、結局…
東野作品は奥が深いなぁ。
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ピエロの存在がいい味を出しています
2023/04/25 12:33
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投稿者:たか - この投稿者のレビュー一覧を見る
久しぶりに推理小説が読みたくなって選びました。複雑な事実の重なりがミステリーとなり、傍観者であるピエロの人形の心内が読み手の想像を膨らませる面白いストーリーでした。
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複層構造の事件
2021/01/24 07:51
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投稿者:キック - この投稿者のレビュー一覧を見る
「今水穂さんがおっしゃった内容を舞台の一幕とするなら、まだあと二幕三幕があるわけです。もしかしたら我々が目にしたものの大部分は、巧妙に仕組まれた芝居だったのかもしれない」。まさに複層構造の事件の真相、そして、ラスト4ページでのラスボス的存在の登場には驚きました。さすが東野先生です。解説にあるとおり、犯人を知った上で読み直すと、違った意味で面白いと思いました。これで東野作品を20冊読了。次は何を読もうかな。
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怒濤のラストへ
2004/07/25 03:17
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投稿者:luke - この投稿者のレビュー一覧を見る
呪われたピエロの人形は全てを見ていた。…十字屋敷と呼ばれる資産家の屋敷で自殺をした夫人の49日の夜に殺人事件が起きる。宿泊していたのは全て身内の人間だ。しかし、どうも犯行は外部からよりも内部の人間の可能性が高くなってくる。手掛かりを結ぶ線は何処へ向かうのか?
密室でもなければ解けない謎が有るわけでもない。誰でも犯人にも探偵にもなれる。不思議な事など何もないのだが、各々の証言、行動、そしてどの様につながるのかわからない証拠の品。何が真実で、何が嘘か、誰が犯人で、誰が被害者か、真実は全て明示されているのだ。そんなミステリーが「十字屋敷のピエロ」なのです。まあ、十字屋敷なんて題名に出てきているわけで、ミステリーファンなら「何で十字や?」と、ここにも一つ伏線があるぞとチェックを入れてしまうので、かなり開け広げな話ではありますが。本に書かれている粗筋ではどんでん返し云々とありますが、どんでん返しというより、何回にもたたみ掛けてくるラストとでも言った方が良いでしょう。
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異色作
2002/05/19 19:30
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:某亜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最近の東野圭吾を読んで彼のファンになった人は本書を読まない方がいいだろう。おそらく期待にそぐわない。
純粋な推理小説としてなら十分に楽しめる。
ピエロの人形という非人間の視点を交えることによって、最後4ページでのどんでん返しを可能にしている。
しかしこれといってテーマがあるわけではないので、「秘密」や「白夜行」を読んで感動した人は肩すかしを食らった感じを受けるのではないか。
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面白い。
2021/04/02 08:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちょびリッチ君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
先生の作品は本当に驚かされる。
お屋敷の中で起こる事件ですけど
視点が変わっていて面白いです。
釘付けです。
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まさに神経衰弱をしているかのよう
2020/01/20 22:35
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投稿者:テトラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
東野圭吾はただでは転ばない、これが読後の率直な感想だった。
読者を楽しませるのにこれほど貪欲なのかと改めて感嘆した次第。あくの強い押しでぐいぐい迫るクーンツのエンタテインメント性とは違い、淡々と物語を綴りながらも最後に思いもかけない真相が作者の手元から次々と現れてくる。
正にこれはトランプの神経衰弱に似たカタルシスだ。数字の判らない同じマークのトランプを徐々に捲る事で、何がどこに隠されているかが次第に解り、ゲーム終盤、怒涛の如く、バタバタバタと裏返っていく、あの気持ちのよさに似ている。
題名が示すように物語の舞台は十字屋敷と呼ばれる奇妙な作りの館と悲劇を呼ぶピエロの人形が物語を彩る。正に本格ミステリの舞台設定ど真ん中である。
2ヶ月前の不可解な死、四十九日のために一同集まった中で起こる殺人事件。密室でもない殺人事件。しかもピエロの一人称描写の段落で語られる事件の顛末から正直今回の内容は小粒だと思っていた。
しかし、東野圭吾はやはり只者ではなかった。ページ数にして320ページの長さながらもかなりの満腹感を提供してくれた。
特にデビュー以来、何かと作中で登場するピエロの存在を今回は物語の中心に据えたことからも作者の企みに期待していたが、きちんと応えてくれている。ピエロの人形の一人称という奇抜な設定に面食らい、多少の不安は感じたが、雲散霧消してくれたし、この企みがきちんと成功していることを付記しておこう。
数ある東野作品の中において、ベストに挙げられる作品ではないものの、一読忘れがたい余韻が残る良作だ。
出版後、18年以上経って今なお重版されるにはやはりそれなりの訳があるのだ。