紙の本
古典的名著
2015/08/25 02:31
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:レタス - この投稿者のレビュー一覧を見る
これを読めばディベートに勝てる!とかいうようなお手軽本ではないです。
はっきり言って読み手に実力がないと,最初の50頁程度で「面白くない」と
言わしめてしまう本です。しかし,2000年以上経っても,名著であることは
変りません。むしろ,お手軽本しか読んだことがない人が多数の現代では,
まず最初に取り組むべき本かもしれません。巻末の解説とともにじっくり
読めば実力がつきます。但し,現代とは価値観が違うものも多いので,
そこは読み替える必要があります。
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今の時代にも通じる処世術が書かれている。古代ギリシャの時代も今の時代も人の世というものは変わらないと改めて気づかされる。
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弁論術の立役者古代ギリシャ哲学者のプラトンによる書
門問い形式で、相手の内を明らかにする手法
2000年のときを超え、現代にも通ずる良書
一度は読んでみる価値があると思います
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アリストテレース先生らしい文体で、全体的に単調なのだけれど、ところどころ刺戟的なところもあり、なんだかんだで結構楽しめた。
第三巻は言語学徒にとっても示唆に富んだものじゃないかと思う。
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古典というか、ちょい難しかった。何度か読み直さないと理解できない。しかし、また読もうとは思う気にもなれない内容と難しさである。弁論であるべき大事なことを説いているのは確かのようだが。
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喜劇の虐殺
弁論の手口についてバラしちゃった本。
長い上に特に面白くもないので、アリストテレースが喜劇嫌いだったことが分かり、その影響でギリシャ喜劇が下らなくなり、煽りを受けたローマ人が心の病に陥ったことが分かればOK。
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世界的な古典的必読書にもかからず未読だったため読んでみた。
2500年前の本なので読み難さはある。論述内容が現代では独断的で陳腐化しているものもある。しかし「弁論術」という観点から言葉や行動を一つひとつ定義し分類し推敲し結論付する一連の作業は西洋学問の基礎となったことが読みながら感じ取れる。「客観的かつ論理的に考える」とはアリストテレスが確立した概念といえよう。
実用としてではなく教養として、そして知の再発見として12世紀にイスラム社会から西洋社会へ逆輸入された興奮を(浅くだが)疑似体験しながら読むことが出来た気がする。
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武田の武器としての哲学の推薦本である。他の哲学書に比べると訳が平易でわかりやすい。ありとあらゆることが書かれており、いわゆる米国流のコミュニケーションであり、日本のコミュニケーション術の本である。
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情報量が多い。
ただ有益な情報は多い。
政治家や営業職など、人を説得する職の人は時間をかけて理解する価値があると感じる。
以下、ためになったポイント。
感情は問題の解決になんら関係が無い。
弁論術の仕事は説得を成し遂げることではなく、それぞれの問題にふさわしい説得(証拠立て)方法を見つけ出すこと。
この点は他のどの技術でも同じ。例えば医術は患者を完全に治すことではなく、回復可能なところまで導くことにある。
説得(証拠立て)の3種
①論者の人柄(最も強力)
②聞き手の感情(同情や共感)
③言論そのもの
説得推論
問題特有の論点を知る。
声による演技が弁論の大きな効果をあげる。
大きさ、高低、リズム
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正直、1巻の前半以降は、ちとだれてしまった。
古典であり、堅苦しい感じかと思っていたが、1700年も前に弁論についての骨格が出来上がっていて、今もそれほど変わらないなんて!という気付きを得られた。
読んでいて面白かったのは、議員って以下のようなことを話す必要があるというベースがあったということ。今ニュースで目にするものも大概はいってしまうということに、気付かされた。。。
議会弁論を繰り広げる主題で、最も重要なものは概ね5つ。
・財源に関するもの
・戦争と平和に関するもの
・国土の防衛に関するもの
・輸入品に関するもの
・立法に関するもの
まあ、自分が議員や弁護士になるというのはありえず、会社員という目つきで見てみると、プレゼンをするケースで考えてみて、「未来のことについて、利をもって勧奨する」ということかなと思うのだが、意外に、うまいことできないのは、構造的なものを知らなかったんだなと。ただ演説的になってただけとか。
この本では、とにかく分類が細かく細かく解説されている。
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弁論の3つの要素、語り手、弁論の主題、語りかける相手。
聴き手は、未来のことについて判定する者、過去のことについて判定する者、語り手の能力について判定する者。
よって、言論の種類は、審議的なもの、法廷用のもの、演説的なもの。
審議的なものは、勧奨と制止。
審議する者にとっては、利と害が目的。
何事かを勧める人は、それを「よりためになる」ことと考えて助言。
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2022/3/22
・民主政ギリシャ下で、裁判での告発と弁護、議会での勧告、演説を効果的に行うために弁論術が発達した。欧米人のディベート好きの下地と思われる
・人が説得されるのは信頼に足る人柄エトス、聞き手の感情パトス、論理ロゴスの3つによる。信頼されるには思慮深さ、誠実さ(品性)、味方であること(好意)の3つが必要。感情は特に裁判での意思決定と行動させるために必要、特に距離が遠く行動が見込めないことをさせるためには必要
・民主政を籤によって支配職を分け合う国制としている点が興味深い。選挙による参加はやはり間接的過ぎて、一般市民が司法、行政、立法に直接的に関わる、ただし一度に全員は無理だから籤で輪番でするのが原始的な民主政。ギリシャとその後継の都市国家では祭司職含め行政職を籤によって一定任期で務めていった
・弁証術のロジック以外に表現方法にも言及し、修辞学レトリックの嚆矢となった
・ファクトベースでなく、蓋然性、状況証拠をもとにした弁論術である点が、実用的でなく現在には通用しない点。
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弁論術を否定するのではなく技術として捉え、体系的にまとめられた古典。
プラトンが否定した弁論術とアリストテレスが展開する弁論術とは一致しない。
説得を主眼におき、「人の心」が詳細に類型化されている。
富や血統といった気質的なもの、
怒りや穏やかさ、妬みといった感情。
そしてその心を動かすためのテクニックとしての弁論術。
比喩や譬えを巧みに織り交ぜること、冗談やまじめさの適用。
2500年経った今でも「言葉をどのように扱い説得するか」という本質が色褪せないことに驚く。
高度に情報化されデータドリブンな意思決定が可能になった現代であっても、個人の認知フレームには偏りがある。
それ故、データをそのまま提示したところで受け取り方は十人十色、意見をまとめあげ説得していくにはやはり弁論術のようなものが有効だろう。
人間の本質はそう簡単に変わらないということか。
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アリストテレスは、弁論術を「どんな場合でもそのそれぞれについて可能な説得の方法を見つけ出す能力」と定義しており、本書では聴き手を如何にして説得するかを体系立てて解説された書籍である。本書は、説得の三種(3手段)とされる①人柄にかかっている説得、②聴き手の心が或る状態に置かれてること(感情)によるもの、③言論そのものを説明した3巻構成となっている。換言すると、弁論家は、①言論に着目して、それが証明を与え、納得のゆくものとなるように配慮するだけではなく、②自分自身を或る人柄の人物と見えるように、そして同時に、③判定者にも或る種の感情を抱かせるように仕上げをしなければならないとする主張に対し体系的な解説がなされている。全ての内容において理解に不足する箇所が多々あるが、特に第3巻で解説された説得手段、表現方法、そして弁論の配列についてはビジネスに直結する箇所として共感したと同時に、紀元前300年超の時代に語られたことが現代においても語り継がれており、実際にビジネス等の世界でも実用されている点に感銘を受けた。繰り返しになるが、以下の解説を引用して結びたい。「判定者たちはすべて、自分自身がなんらかの感情を抱くことによって、或いは、論者を或る人柄の人物と受け取ることによって、或いは、弁論による証明が与えられることによって、説得されるのである。」
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とても読むのに苦労しました。。。
弁論術が人生の成功の鍵を握っていたギリシャ時代に書かれたノウハウ本ですが、弁論術は、現代においても、とても必要なスキルだと思いました。
ただ、今の私には難し過ぎました(汗)
ぜひぜひチャレンジして、読んでみてください。
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[要約]
本書は、アリストテレス(前384-前322)による成功する弁論術の方法論を著したものである。
アリストテレスは、弁論術を「どんな場合でもそのそれぞれについて可能な説得の方法を見つけ出す能力」と定義し、「その成功の要因をつぶさに観察し方法化することで、<技術>にすることができる」と論じた。
彼の主張は後世の弁論術や大学の自由七科の一つである修辞学の発展に多大な影響を与えた。
(※書籍の要約を一部引用。)