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- カテゴリ:小学生 中学生
- 発売日:1996/02/01
- 出版社: 偕成社
- サイズ:19cm/221p
- 利用対象:小学生 中学生
- ISBN:4-03-744210-8
読割 50
紙の本
源平の風 (白狐魔記)
仙人について不老不死と数多の術を己のものとした仙人ギツネ・白狐魔丸。彼が日本史上の大事件や英雄たちと遭遇し、なぜ人間同士が殺し合うのかという問いの答えを探しつつ時を旅する...
源平の風 (白狐魔記)
白狐魔記1 源平の風
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商品説明
仙人について不老不死と数多の術を己のものとした仙人ギツネ・白狐魔丸。彼が日本史上の大事件や英雄たちと遭遇し、なぜ人間同士が殺し合うのかという問いの答えを探しつつ時を旅する大河ファンタジー。初回の英雄は源義経。【「TRC MARC」の商品解説】
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紙の本
『白狐魔記 源平の風』
2017/02/06 19:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:百書繚乱 - この投稿者のレビュー一覧を見る
白駒山の仙人に出会い化身の術をさずかったきつねの白狐魔丸
ふるさとに帰る途上で出会ったのは
兄頼朝に追われ山中を逃げる源義経の一行八人だった
義経の窮地にかつてのの恩義から白狐魔丸はある決断をする
人間に興味をもったきつねの目を通して描く斉藤洋の歴史奇譚
1996年初版、既刊6冊の長寿シリーズ第1作
紙の本
知りませんでした、こんなに面白いシリーズがあったとは。これだから児童書というのは馬鹿にできません。ついでに日本史のおさらい・・・
2007/03/24 17:54
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
1996年に初版が出版されたもので、私の手元にある本には2006年9月9刷とあります。で、この本ですが、デザイン的には古いっていう感を拭えません。ま、偕成社の社風みたいなところもあるんでしょう、外見はある意味、野暮といってもいいくらいです。なんていうか戦前からあるんじゃないか、って言いたくなるようなありふれたものなんです。しかもそこに描かれる武将の姿。で、タイトルが『源平の風』ですよ、源平。
前にも書いたと思うんですが、義経が嫌いです。ついでに書いちゃえば、聖徳太子が嫌いで、勿論、秀吉も嫌い、明治天皇や帝国軍人は反吐が出るくらい厭。でも『白狐魔記』っていうのが、何だか気になるし・・・とまあ、半信半疑で読み始めたんです。
ちなみに、装釘・挿絵は高畠 純だそうです。装釘です、装幀でも装丁でもない「釘」の一字の威力。ちなみに本の後に、このシリーズ全体の案内が出ていますので、写しておきましょう。
「人間の生きざまに興味を示した一匹のキツネが、仙人のもとで修行、数かずの術と共に不老不死と人間に化ける術も習得。白狐魔丸という仙人ギツネとして生まれかわる。このキツネが、日本史上の大きな事件や英雄たちと遭遇し、人間がなぜ人間同士殺しあうのかという疑問の答えを探し、時を旅する大河タイムファンタジー。」
だそうです。白狐魔丸は「しろこままる」と読み、作品中に出てくる白駒山(しろこまさん)に因んだもので、小説のなかでは12章の「名」というところに経緯が書かれています。
時代は、源平時代、義経のひよどり越え、あるいは都落ちが出てきますので1184〜1189年でしょうか。で、タイトルからガチガチに源平の話、特に義経のことが書かれているのかと思っていたのですが、これが全く違います。むしろ、主人公とすれ違う、そういった形でしか触れられることがありません。予想以上に少ないその場面が実に効果的です。
前後しますが、内容に入りましょう。
主人公のキツネは、歳は不明ですがまだ若く、親からひとりだちしたばかり、同じときに生まれた一匹の兄弟のことを思いながら、あての無い旅をしています。人間のことばも、話すことこそできませんが、聞けばその大体の意味は理解できるようになっています。そして、或る時、僧侶が子どもたちと、人間を化かすことのできるきつねについて話しているのを聞いてしまいます。
「白駒山に住む仙人のもとで、きつねは修行するのじゃ。それはそれはつらい修行じゃ。死ぬぎりぎりまで物を食べなかったり、冬に滝にうたれたり、気をうしなうまで、木からさかさづりになったりして、長いあいだ修行をつみ、やっと神通力がつくのじゃ」
化けることができるキツネとはどういうものか、白駒山とはどういったところなのか、仙人とはどのような人間なのか、興味を抱いた主人公は、自分の名前の由来となる白駒山に向かうのです。そう、これはまさに正統的ビルドゥングス・ロマンです。しかも、歴史を前面に出さず、飄々とした仙人との会話を通じて、生きていること、その対極にある死というものについて、それを生み出す人間関係というものを問い掛ける素晴らしい話です。
正直、舌を巻いた、といっていいでしょう。嫌いだった義経が、なんとも好ましい人間に見えてくるのです。この天邪鬼である私が、コロッと参ってしまう。日本のファンタジー史上ベストの一冊ではないか、私はそう思い、ファンタジー好きの高一次女に「斉藤洋って知ってる?『ルドルフとイッパイアッテナ』っていう作品を書いている人らしいんだけど」と聞いてみました。
「えーっ、私、大好きだったんだ、イッパイアッテナっていうのはね」と話はいつまでも続きます。知らなかったのは私だけ。でも、こういった驚きは嬉しいです。私が知らない傑作がまだまだ沢山ある、そう思うだけで人生が明るくなってきます。
紙の本
歴史の傍観人としての狐の目線。
2006/12/31 21:16
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Yumikoit - この投稿者のレビュー一覧を見る
人間臭いことを考えるきつねである。
ニンゲンの言葉を聞き、ニンゲンの社会に興味を持つ。
そして、「きつねというものは修行すると化けられるものらしい」ということを知り、仙人の元へ尋ねていく。
孫悟空とは違って、生真面目で、良識?あふれるきつねだ。
人間に化けられるようになった狐が、興味を持ったのは、義経だった。
歴史の傍観人としてのきつね。
けっこう好きだなぁ。
紙の本
半人前きつねの冒険
2002/06/27 00:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:さくらまち - この投稿者のレビュー一覧を見る
母きつねのもとを旅立ったばかりのきつねが、人間に化ける術を身につけ、兄頼朝に追われ落ちのびてゆく源義経と出会う…
義経と兄頼朝の争いは、縄張り争いでしかないと言いきってみたり、戦いをうまく避けるのが大将のつとめだと考えたり、歴史上のお客様としての視点のきつねの率直過ぎるほどの言葉の数々はまさに目からうろこ。失ってしまった何かを取り戻せるかも。