「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
- フィルムコート不可
紙の本
忍者太閤秀吉 (C・novels)
著者 司 悠司 (著)
天正10年、本能寺の変。だがその頭領は秀吉であり、その背後には秀吉が修行を積んだ伊賀忍者の里の野望が隠されていた。出生から天下獲りまで謎多き秀吉の半生を解き明かす伝奇時代...
忍者太閤秀吉 (C・novels)
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
天正10年、本能寺の変。だがその頭領は秀吉であり、その背後には秀吉が修行を積んだ伊賀忍者の里の野望が隠されていた。出生から天下獲りまで謎多き秀吉の半生を解き明かす伝奇時代小説。【「TRC MARC」の商品解説】
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
「忍者秀吉」の暗躍と苦悩が活写されており、リアリティの肉付けも見事
2007/05/30 18:54
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いえぽん - この投稿者のレビュー一覧を見る
本能寺における「秀吉犯人説」を更に発展させ、秀吉は忍者であり、本能寺の変の実行犯だった、という筋立てで展開している作品です。巻頭にいきなり、本能寺の変のシーンを持っていき、読者を引き込む手法を取っていて、理屈抜きに度肝を抜かれました。
本書の特色は、「秀吉がバリバリのプロ忍者で、本能寺の変を、伊賀の指令により実行した」という、奇想天外とも言える設定に、キャラクターが負けていないことを挙げることができます。本能寺の変のシーンから一転、幼年時代からの秀吉の姿が描写されることになるのですが、そこに見られるのは、マシーンのような忍びとしての秀吉の姿ではなく、小説やゲームなどで頻繁に描かれる、陽気で人を惹きつける、「猿」の姿です。ですから、秀吉は、信長を慕い、忠誠を誓い、陰と日向の双方に渡って、忍びの者を重く用いた信長を補佐していくわけです。しかし、二人の親しい関係は、信長の圧倒的な兵力による伊賀攻めによって破綻します。織田家家臣であると同時に、伊賀者でもある本作の秀吉は、背けぬ指令と忠義の板ばさみになって、悩み、苦しみます。秀吉の人間らしい葛藤が活写されていることで、本作の本能寺は、一際異彩を放つものになっていると言っていいかも知れません。
更に、本書の根底にある設定に、歴史的な面からの肉付けがなされているのも否めないところです。秀吉の出生に関する僅かな記述や、信長の忍者に対するスタンスを、資料と同時に提供しているため、実録もののようなリアリティと、推理小説を読むに近い楽しみをも味わえる、何ともオイシイ一冊です。
「リアル」派でも、「ファンタジー」派でも、納得のいく良作ではないでしょうか。ただ、秀吉の生涯を一冊にまとめているので、どうしても早足に感じてしまうかも知れませんが……