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紙の本
官僚あがり
2005/05/10 18:47
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:塩津計 - この投稿者のレビュー一覧を見る
後藤田正晴。いろいろな意味で戦後の政治史に大きな足跡を残した
政治家。彼が行なった最大の功績は政治改革=小選挙区制の導入に
ついて舵を切ったことだろう。この改革により旧来型の自民党政治は
動揺し壊れた。旧来型の政治家であった野中広務はその政治生命を
失った。自民党の屋台骨を揺るがすような改革を後藤田正晴は敢えて
なぜ行なったのか。それは自民党特有の派閥政治の弊害があまりにも
強くなりすぎ、その結果、政治にあまりにもカネがかかりすぎるように
なったのを目の当たりにしたからだった。政治資金で竹下も金丸も
相次いで政治生命を絶たれた。こうして後藤田は中選挙区制主体の
日本の選挙制度を小選挙区制主体のものに変えた。この効果は大き
かった。なによりも日本の政治が目に見える形で大きく変わった。
一番分かり易い例が、あのクズ政党であり似非政党だった日本社会党
が崩壊したことだろう。今やその後継者たる社民党の議員は衆参両院
あわせても一桁という哀れな状態。それに日本共産党もはっきりと
衰退した。そして日本の政治は確実に二大政党制に向って動き出した。
国会が欺瞞とウソにみちた歌舞伎ショーから政権交代ありうべしの
ガチンコ劇場に変わったのだ。これは実に大きな変化である。
田中角栄を過大評価し続ける後藤田正晴を、私は、まだ好きには
なれないが、やっぱりこの人は凄い人なのかもしれないと最近
思い始めている。
紙の本
総裁になれなかった男
2006/09/24 18:07
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nanako17girls - この投稿者のレビュー一覧を見る
はっきりいって、誰が自民党総裁になっても同じだ。国家は政治家ではなく、官僚が動かしているのだから・・・。官僚出身の後藤田という人物の生涯は、そのまま日本の歴史につながっている。警察官僚として、戦後の治安維持に努めたかれの功績は、政治家になってからの小選挙区導入と同じくらい意味のあることだ。ぼくが印象に残っているのは、「護憲」を訴え続けたことだ。それにより、総裁レースの本命にはなることができなかったが、かれの行ったことが正しいことは、その後の日本史をみてもあきらかだ。「カミソリ」と評されたかれの人物像に迫る本書は政治家を題材にしたものとしては興味がそそられる。かれは警察官僚時代「治安の総帥」だった。そして、政治家時代「憲法を尊重する番人」だった。没後もかれの人気は衰えない。その魅力を本書を読んであらためて感じた。