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紙の本
踏みはずす美術史 私がモナ・リザになったわけ (講談社現代新書)
著者 森村 泰昌 (著)
美術の極意は「考えるな、食べろ、着こなせ!」そこから発見の旅がはじまる──巨匠は上手か。ウォーホルはポップか。似ていることは悪いのか。常識を解体し「地球美術史」の地平を新...
踏みはずす美術史 私がモナ・リザになったわけ (講談社現代新書)
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商品説明
美術の極意は「考えるな、食べろ、着こなせ!」そこから発見の旅がはじまる──巨匠は上手か。ウォーホルはポップか。似ていることは悪いのか。常識を解体し「地球美術史」の地平を新たに開く快著。
美術館とバーゲン会場──抽象画に話をかぎって言いますと、私たちはそれを「見よう」とするから難しく感じるわけです。いくら見ても、わけのわからないイメージが描きなぐってあるだけです。だからこれからは、抽象画を見ても「あんなものはプリントされた柄だ」とたかをくくればよい。そうすれば、その柄物の布を自分は着てみたいか、着てみたくないか、着てみたいとすればどんな服のデザインにするか、着るとすれば夜か昼か、だがまてよ、私よりも友人のなんとかさんのほうが似あうかも、などと、さまざまな思案をいっきにかけめぐらせて、衝動買いしたりできるわけです。はっきり言って、デパートのバーゲン会場で、これはなにを意味するかなんてぐずぐず「考えて」いたら、欲しいものはどんどんなくなっていきます。「美術とは着るものである」のですから、ともかく似あうとか似あわないとかに憂き身をやつしていればいい。肌にあうかあわないか、着心地はどうかと、触覚的感覚を全開にさせておけば、「考える」ことを迂回しても美術とじゅうぶんつきあっていけるのです。──本書より【商品解説】
目次
- ●美術の極意――「オンナ・コドモ」美術史
- ●「モナ・リザ」になる――空装美術史
- ●巨匠はみんな下手だった――ヘタくそ美術史
- ●アンディ・ウォーホルはポップではない――アメリカ現代美術史からアメリカ未来芸術史へ
- ●似ていることはいいことだ――地球美術史
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紙の本
自分の感覚を信じることの大切さ
2001/05/08 11:28
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る
美術鑑賞はなんとなく敷居が高くて…と思ったことはありませんか。私も本書を読むまでは、具象絵画ならいざ知らず、白いキャンバスに大きく○が書いてあるだけの誰にでも描けそうな絵に『神の不在』などという大仰な題がついている抽象絵画や彫刻って、「これを芸術と理解できない奴は美術鑑賞をする資格がない」と言っているようで、妙に反抗心を覚えていたのでした。
しかし森村泰昌氏は美術の極意として、
1、考えるな!
2、見るな食べろ!
3、美術は見るものではなく着るものである
4、着こなせ!
と美術史的解釈や美学用語を無視した独自の鑑賞法を提唱。抽象絵画をウィンドーショッピングをしているときと同じ視点で観ればよいのだと気づかせてくれたのです。つまり絵を自分の好きなデザインかどうか、そういう柄の服があったら着たいと思うか、という自分の直感で判断すればOKというわけ。
「この絵の意味するものは何か?隠された真相は?」などとしかめつらをして見ていたときはひどく高尚に思えた抽象画も、森村氏の見方をとりいれてからは「あ、このデザインのTシャツがあったら着てみたいな。こっちは時計にするとかっこいいだろうな」と楽しみながら見てまわることができ、むしろ具象画よりも抽象絵画が好きになってしまったほどです。
他にも森村氏自らモナリザになってみたり、「巨匠はみんな下手だった」とゴッホを笑ってみたり、アンディー・ウォーホルの作品から彼の光と闇を浮き彫りにしてみたり…と、ちまたの美術解釈本とはまったく異なるロックで変革的精神にあふれたこの本。今まで美術館なんて行ったことないよ、という人にも読んで欲しい良書です。
紙の本
目からウロコの美術史
2001/01/25 15:16
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:純子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
目からウロコの美術史、講師は現代美術家の森村泰昌さんです。この森村さんという人は、自ら美術作品になりきったポートレートで有名な作家です。
美術作品になりきるからこそ、見えてくるものもあるそうで、この本では、そんな森村泰昌さんならではの、美術史が読めます。
面白いです!はっきり言って、美術に対する考え方が変わるかもしれません!
紙の本
美術の食べ方講座
2002/04/17 03:35
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:鳥居くろーん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「美術はわからない」という人が多い。
私もそうだった。しかし、この本と読んで私は気づいたのだ、「もともと美術など、誰にもわかるはずがない」ということに。
もっと正確に言おう。「解かるはずがない」のだ。
私たちは普段の生活で、常識とか合理性とかいったものに従って生きている。また、常識や合理性を通して、世の中のあらゆるものに一応の説明を加え、理解することもできる。
しかし、説明を加えることはできても、その意味を説明するとなると、どれだけのものに対して答えを用意することができるだろうか。
人間の指はなぜ五本なのか。なんでカナブンはピカピカなのか。感情ってものがなぜあるのか。どうして自分は生きているのか。
これらの疑問への答えは多分、理屈だけでは出ない。その存在を存在として受け入れるしかないのだ。「それはそういうものなんだ」と。
そうやって受け入れるしかないもの。「美術品」が、そのいい例。
著者の森村泰昌は美術品に対して「考えるな、着こなせ」とおっしゃる。ロジックではないのだ。たとえばハンバーガーの味を皆が理屈で考えないのと同じように。
好きなように受け入れろ。胸を打たれる、楽しくなる、涙する、笑う、気が沈む、なんとも思わない、とにかくどう感じたっていい。正解などないのだから。主役はあなたなのだから。
著者はそういうことを伝えたかったのだと思う……多分。