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- カテゴリ:一般
- 発行年月:1998.9
- 出版社: 原書房
- サイズ:20cm/335p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-562-03115-8
紙の本
病気志願者 「死ぬほど」病気になりたがる人たち
著者 マーク・D・フェルドマン (著),チャールズ・V・フォード (著),沢木 昇 (訳)
“病気”という方法でしか自分を表現できない人たち。病気に憧れる彼らの心の奥にある本当の望みとは? ミュンヒハウゼン症候群や虚偽性障害など、奇妙な「病人」の世界をのぞき見る...
病気志願者 「死ぬほど」病気になりたがる人たち
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商品説明
“病気”という方法でしか自分を表現できない人たち。病気に憧れる彼らの心の奥にある本当の望みとは? ミュンヒハウゼン症候群や虚偽性障害など、奇妙な「病人」の世界をのぞき見る。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
マーク・D・フェルドマン
- 略歴
- 〈フェルドマン〉医学博士。精神科医。虚偽性障害の専門家として広く知られている。
〈フォード〉医学博士。心身にわたる虚偽性障害の専門家として広く知られる。
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紙の本
病人
2019/07/30 23:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
潜在的な「病気志願者」って山ほどいるんじゃないでしょうか。昨今の死刑になりたがる人と、根源的な部分は似ていると思います。再販して欲しいな。
紙の本
救いは何処に?
2003/07/07 05:02
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:奈伊里 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2003年07月06日(日)
誰だって、病気になるのは嫌。痛い思いをするのも、入院生活で自由を奪われるのも、検査を受け続けるのも、手術を受けるのも嫌。ましてや、突然癌宣告なんか受けてしまったら……。
でも、世の中には「死ぬほど」病気になりたがる人たちがいる。それも少なからず。この本には、そんな病気志願者の症例が詰め込まれている。
仮病や詐病とは異なり、ここで扱われる「虚偽性障害」は、情緒面での満足感を得るため、症状を意図的に利用する患者たちの総称だ。
さらには、これが極端になり、病気のふりをすることが生活の中心になってしまうのが、ミュンヒハウゼン症候群。発覚するまで演技を続け、嘘が見つかると他の場所へ移動して、同じ行動を繰り返す。
病気になれば優しくしてもらえる、病気になれば注目してもらえる、病気になれば闘わなくてすむ。たとえば病気になりたがる人々は、好んで「癌」という病名を口にする。この死に至る病の名は、最も人を同情的にする効果が望めるから。抗ガン剤治療の証拠に、少しずつ頭髪を自分で抜いていくし、体重も落としていく。信じて貰うためなら何だってやる。でも、実際に医者にかかっているわけではないからいずれ当然ばれてしまう。
実際に入院をすると、嘘だけではなく、自傷を繰り返さざるをえなくなる。検査尿に糖分やタンパクを混入したり、肛門から内臓をつついて傷をつけ血便を出したり、薬品や、自らの排泄物を体内に異物として注射したり、血を抜いたり、排泄物を手術部位に塗って化膿を繰り返したり……。捏造された病は、度重なる自傷により、往々にして本当の病と死をもたらす。
そして虚偽性障害は、時としてさらに信じがたい、代理人によるミュンヒハウゼン症候群に分派する。かわいそうな病気の子の親として同情や慰めを得るために、子供が病気であると偽ったり、わざと病気にさせたりするのだ。多くは、母親が無抵抗な幼い子供を病気にしたてあげる。体内に異物を注入し続け、呼吸の邪魔をし続け、薬を服用させ続け、病院では献身的な看護をし、助かるためならと手術を繰り返し受けさせ、ばれれば転院を続けていく。
現場で働く二人の精神科医による本書は、これらの症例をひたすらに列挙する。そこに見えてくるのは、患者たちの心の闇と、もうひとつ。捏造された病気の物語を信じてしまった人たちの問題だ。
病院の外では、近しい人間が重病だと知って自分の生活を変えてまで看病する人が少なくない。その献身は患者たちの最も望むものであるから、彼らは懸命に病気の自分を維持する。看護する側は疲弊するが、病人の苦しみを思い、看護生活に耐える。まさにいたちごっこだ。そして病院の中では。
大事な医療時間、医療設備、医薬品が無駄に消えていく。治癒させてあげたいという看護側の願いも、すべて無駄に帰す。虚偽性障害という病気自体の認知度が低く、見落とされる場合はあるし、見抜くのにも時間がかかる。見抜いたにしても、断罪するわけにはいかない。うまく精神科医にバトンタッチしていくべきなのに、彼らのほとんどが精神科治療は拒否し、新たな病院で同じ嘘を繰り返す。逆に、虚偽性障害を疑いすぎると、一般的ではない症状や難病を見逃すことになりかねない。実際に、虚偽性障害ではないかと疑っているうちに、真の病状悪化で患者を死なせてしまった例も紹介されている。
医師たちの忸怩たる思いが、ひたすらの症例羅列から伝わってくる。虚偽性障害に関する知識の普及を切望して書かれた本書は、助けたいという思いが空回りしてきた、医師たちやだまされた者たちの、痛みの書でもある。痛みという体験を知識に変え、呼びかけられる対応策は、医療に関係ない者にも、現代人の心の在処を探る鍵になる。
それにしても、現代の闇は、いったいどこまで枝葉を広げていくんだろう。
紙の本
そこまでしたいか?
2022/02/14 14:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:名取の姫小松 - この投稿者のレビュー一覧を見る
誰かに構ってもらいたい、優しくされたい、でもどうしたらいいのか解らない。病気になればいい。
どうもそう考える人間がいるらしい。単純に決めつけられないが、病気を装い、治療、看護を受け続けて、医療現場は疲弊する。
外国の研究結果はドライながら、振り回された医療現場、カウンセラーの人的被害を指摘する。
自分の身、時には落命することになっても病人でいたい、或いは家族を病人にする心情は計り知れない。