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- カテゴリ:幼児 小学生 一般
- 発行年月:1999.5
- 出版社: BL出版
- サイズ:26cm/1冊
- 利用対象:幼児 小学生 一般
- ISBN:4-89238-718-5
紙の本
15ひきのおしかけねこ
著者 ガブリエル・バンサン (さく),いまえ よしとも (やく)
世話してくれた人を亡くしたねこたちは、次の「世話人」をひとりぼっちのおじいさんに決めました。おじいさんと野良ねこたちの、日だまりのようなしあわせを描く物語。95年刊「テデ...
15ひきのおしかけねこ
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商品説明
世話してくれた人を亡くしたねこたちは、次の「世話人」をひとりぼっちのおじいさんに決めました。おじいさんと野良ねこたちの、日だまりのようなしあわせを描く物語。95年刊「テディ・ベアのおいしゃさん」の続編。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
ガブリエル・バンサン
- 略歴
- 〈バンサン〉1928年ベルギー生まれ。ブリュッセルの美術学校で絵画を学ぶ。絵本「テディ・ベアのおいしゃさん」でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞。他作品に「熱気球」など。
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紙の本
ねこたちならではの距離感がCOOLなのです。
2009/08/16 16:55
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wildflower - この投稿者のレビュー一覧を見る
『アンジュール―ある犬のものがたり』や
『セレスティーヌ――アーネストとの出会い』の
ガブリエル・バンサン(Gabrielle Vincent)さんの作品です。
いつものように、流れるようなデッサンの線が雄弁でうつくしいです。
『テディベアのおいしゃさん』の続篇
ということですが、実はそちらはまだ未読なのです。
(まーしゃ@B◎◎KRACKさんの評では
とても切なくて、でも好い話のようですね。)
表情ゆたかなねこ、ねこ、ねこたちが15ひき
おじいさんのところへおしかけてくる、という筋立てに
なんとなく興味を惹かれて、手に取りました。
今江祥智さんの訳、1999年5月刊。
*****
テディベアを直してあげたおじいさんのところに
ぞろぞろぞろぞろと、やがて近づいてくるねこたち。
お世話をしてくれていた、ジュリエットさんが亡くなった。
さあ、おれたちわたしたちはどうしよう。
ねこたちはそれぞれに語り合います。
毛色も性格も、生き方もちょっとずつ違う様子が
語りあうなかで仄見えます。それがねこらしさだなぁと
なんだかしみじみしてしまうのです。
そして、みんなでおじいさんのところへ出かけていきます。
このおじいさん、ほんとうはめんどうなことはきらいなんですね。
ひっそりと暮らしたい、せかされずに生きていたい――。
でもその半面、ねこたちにとって必要なひとであることの
じんわりと沁みるような嬉しさも捨て難い……。
この作品のねこたちは、やはりどこまでも野良のねこたちで
餌をもらったからといって、おじいさんとは付かず離れずの
独特な距離感を崩すようすはありません。
動物を可愛がる、とか飼うというのとはまたちょっと違って
それぞれが距離感を保ちつつも懐いていくということについて
読後ちょっとの間考えてしまいました。
結論はこれ、というものが何も書かれていないのが
かえっていいのかもしれません。
あとは自分で考えてみるしかないのですね。
紙の本
世話をする者とされる者はお互いを必要とする。
2009/09/05 00:16
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る
『テディ・ベアのおいしゃさん』で、
なおしたテディ・ベアは、みんなもらわれていった。
おじいさんは、ほっとしたけれども、
少したいくつな気持ちを味わっていた。
あんなことをくりかえすのはごめんだと
おじいさんは、言っているけれど・・・。
なにやら見つめる目があるらしく、
「そんな目で わしをみるなよ。あっちへおいき」
とおじいさん。
目の主は、窓の外のねこ。
結構大きい。
「このおじいさんがよさそうな人だってのは
ほんとみたい。」
どうやら物色に来ているのだ。
外を見ると、なんだか、ねこだらけ、なのだ。
見開きいっぱい、ねこが、わらわらわらわら、といる。
「ジュリエットさんが亡くなった」と騒いでいる。
きっと、ねこたちにご飯をあげていた人なのだろう。
ねこたちはどれも一癖も二癖もありそうなだ。
綺麗で高貴でかわいい感じのねこは一匹もいなさそう。
ぶさいくなかわいらしさはあるというような、野良猫集団、なのである。
ねこたちは口々に語り出す。
といっても、擬人化されたねこが語り出すということではなくて、
そこにいるねこはたぶんこう思っているんじゃないかと
言葉を当てたような。
絵が堂々と主役を飾っている。
この顔できっとねこはこういっているんだろうなと、
目の前にねこがいるような気持ちになって、文字を追う。
窓からおじさんの部屋を覗くねこが増えていた。
おじいさんは、「おまえさんらにやるもんなんて、ないんだよ。」
とねこに去ってもらいたがっている様子だったが・・・。
見開きにどーんと14匹で、こっち、見てますよ、おじいさん?
どれもこれもかわいくありません。
あの、大きな口は、かわいく「にゃあ」じゃなくて、
きっと、「ぶにゃあおぅ」、でしょうね。
お世話をすると決めたら、
おじいさんは、テディ・ベアと同じように、ねこにも話しかける。
そして、やっぱり、ちゃんと気づいているんだ。
「わかってるのかね、つまりそのう、
おまえらが まわりにいてくれないと しんぱいなんじゃ」
世話をする者とされる者はお互いを必要とする。
そして、必要としながら、依存しあっているわけではない。
おじさんは、それに気づいてる「援助者」だから、
テディ・ベアもねこもやってきたんだ。
そう、14匹のはずが、1匹増えちゃったりしてね。