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- カテゴリ:一般
- 発行年月:1999.12
- 出版社: 晶文社
- サイズ:19cm/254p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7949-6425-0
紙の本
もう消費すら快楽じゃない彼女へ
著者 田口 ランディ (著)
池袋通り魔事件、TOSHIの洗脳事件、酒鬼薔薇聖斗事件、野村沙知代問題など、世の中を震撼させた事件、社会現象を通して、微妙なバランスの上に成り立つ日常の裏に潜む静かなドラ...
もう消費すら快楽じゃない彼女へ
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商品説明
池袋通り魔事件、TOSHIの洗脳事件、酒鬼薔薇聖斗事件、野村沙知代問題など、世の中を震撼させた事件、社会現象を通して、微妙なバランスの上に成り立つ日常の裏に潜む静かなドラマを浮かび上がらせる。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
田口 ランディ
- 略歴
- 〈田口ランディ〉東京都生まれ。広告代理店、編集プロダクションを経てフリーライターに。著書に「忘れないよ!ヴェトナム」ほか。
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紙の本
こんなタイトルを思いつくだけでも、ランディは凄いんだ
2002/11/27 20:01
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
田口ランディの名前が一部だけで騒がれていた1999年に出版されたエッセイ。語るに値しない政治を、全く語ろうとしない割り切りがいい。視線は、徹底して自分の身のまわりに向けられるが、大して悪くも無い景気を「悪い悪い」と騒いだり、夫婦別姓は結婚を脅かすなどといった議論に現を抜かす人々に興味をしめすよりは、まず身のまわり、それが私たちの生き方。社会正義を振りかざしながら、最後の一線で逃げを打ってきた古いタイプの人たちと明らかに違う、本音を語るエッセイストが増えたことは喜ばしい。
冒頭、ゴミに埋まって生活する若い女性の登場は、最近TVで面白おかしく取り上げられるヤラセにちかい汚ギャル映像に比べ、遥に静かで深みが感じられて衝撃的だ。彼女の健康はどうなのか、人とどうやって付き合っていくのか、もし結婚したら家庭はどうなるのか、子供はどう育つのかなど、女性だけでなく男性だって興味が湧くだろう。また韓国の問題は、彼女の友人に在日韓国人がいるせいで繰り返し取り上げられるが、肩を持ったり突き放したりしない自然体の視点が好ましい。
「何故、人を殺してはいけないか」というに問いに答えられない自分について語るところでは、同じ悩みをもった柳美里が『ゴールドラッシュ』を描いた経緯に触れる。若い人達が、ときに発する根源的な問いに、ただ悪いものは悪い式の答えは意味をなさない。実兄の殺意が自分の家庭を破壊して行く文からはランディ自身の『コンセント』という傑作が生まれた背景が浮かび上がる。
柳ほど破壊的ではない、しかし上品ぶって見下ろしているわけでもない。好奇心一杯でありながらワイドショーにならない知性が好ましい。絶妙のバランス感覚は決して逃げをうたない。最後のほうに白州正子の知性と育ちのよさへの盲目的な礼賛や、「白州次郎を夫にしているだけでも凄い」とある部分には賛同できないが、この素直さは田口の身上だろう。椎名誠や沢野ひとしたちとは世代やスタイルこそ違うが、自然体で本音を語る小谷野敦、関口夏央、そして田口ランディたちの等身大の視点が新しい世紀を開くと言ったら、大げさだろうか。
紙の本
現代の様々な場所で、生きる意味の変化を切り取った作品
2001/01/01 14:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:holly - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題に惹かれて買いました。最初のエッセイで、新宿のゲームセンターで知り合ったホステスの女の子、直ちゃん24歳のアパートへ深夜いくと、玄関から部屋まで渦高く積まれたコンビニの袋にいれられたゴミの山。食器とか料理器具とか生活に必要なもののほとんどない、洋服とゴミしかない部屋。夜の勤めだから連ドラも見ないしと、レディス・コミックを見ながら笑う、人なつっこいこの直ちゃんの空虚さは何なのだろう。無欲さ、純粋さ、ぎりぎりの生産性でのみ生きている彼女はもう消費すら快感ではないのだ。
ここで村上龍の『ラブ&ポップ』という本を思い出した。主人公16歳の高校生吉井裕美が渋谷で見つけたインペリアル・トパーズ、12万8千円するんですが、これを今買いたいと思う「今日中に買わないと明日には必ず、驚きや感動を忘れてしまう」と考えてしまう。話はその後援助交際をしてそのお金を得ようとするのですが、そのことはまた別の問題として、欲望というもののあり方が違ってきているなと感じました。
ランディさんの本に戻りますが、そこには死に対峙する生はなく、死を内包しつつ、発光するぎりぎりの生があるだけだ。「生きる意味って」考えるという行為こそが無意味になってくるような虚無にむかって、哲学はまず最初にどのような問を発するのだろうか。表題の作品のみならず、現代の様々の場所で起こっている、生きる意味の変化を鋭く切り取っている。
実はこの本は、同じ田口ランディさんの『コンセント』という小説、帯に「兄はなぜ引きこもり、生きることをやめたのか」と言う文句に惹かれて買ったとき、横にあったので買った物です。
紙の本
社会の風潮や、そこにいる生活者たる私たちをピンポイントで突いてくる鋭いノンフィクション・エッセイ!
2001/01/28 23:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルが気になっていて、いつ読もうか迷っていた。
一冊だけ読んでいたランディさんの小説『アンテナ』は、「性欲と生きることの意味とをこれほど思い切り書けてしまうと気持ちいいだろうな」と痛烈な印象だった。ただちょっと、いろんなことがてんこ盛りで、これでもかこれでもかと向かってくる力が強すぎて、その時の私には、『コンセント』やエッセイもまとめて読んじゃえという勢いが持てなかった。
もう消費すら快楽じゃない彼女──それは私だよ、もうしばらく前からそうなんだよと、タイトルを眺めては応えていた。右肩上がりの将来設計を立てられない日本という社会も、きっと同じなのだと思う。今や消費には苦痛さえ伴うことがある気がする。
『なんとなく、クリスタル』のように、学生時はブランドの洗礼を受け、気持ちのいい場所、快適なコトを求めて暮らしてた。増え始めたフランス料理店やカフェバー巡り、外車の助手席、スキー旅行や海外旅行。映画や芝居さえも消費だったような…。
働き始めたころバブルは膨らみ、それは更にエスカレートしていった。消費の仕方でセンスの良さをアピールしたり、消費の快楽へ向けてハードな仕事をこなしていく意気ごみがあった。
「指輪に十数万かけるエネルギーが、もうないのよね」
イタリア旅行で買ってきた美しいリングを眺めながら女友達が言う。確かグッチの珍しいデザインのバッグやベネチアングラスも買ってきたはず。私はおみやげに口紅をもらった記憶がある。
消費への発情は確実に私たちの中で鎮まった。それは、ある年
代の人々にとって特有なことではなく、社会全体がそうなのかもしれないという気がする。(ブランド人気は続いているけれど)
ランディさんも同じ時代をくぐり抜けてきた。ただ彼女は、社会という渦の中に勢いよくざぶんと身を投じて、激しく自我と“関わって”生きてきた。心地よいことだけに逃げることなく、「何でだ?」「どうしてそうなる?」という問いを保留する時間を持たずに生きてきた人のように思える。
彼女の意識の中では必ずしもそうでなかったのかもしれないが、結果として、新聞の専売所に住み込んだり、ホステスのアルバイトをしたり、重度障害者の介護に携わったり、ベトナムを歩き回ったり、一人で飲み歩いたりといった一般的でない体験が、自分という存在を試し鍛え続けていくこと、一種の修業のように見て取れる。考えて書くことの修業になったと見て取れる。
私を含め、そこそこに暮らし、そこそこに人に認められるために取り繕うように暮らしてきた大多数の人々にとって、彼女の書くものが圧倒的なパワーを持つのは、そのためだと思う。自我と真っ向から対峙して闘争し続けてきたことで得られた強さだ。
知り合いの年配の男性が、この本を「一日一日を、目をギラつかせて本気で生きている女性という印象だった」と表現した。
確かにギラついているけれど、小説のように気おされる感じではなくて、あらゆるものに触れようと行動し、出会ったものについてじっくり考えて書くというランディさんのスタイルがそのままに伝わってくる。人は強く求め続けていると、いつのまにか求めるものの近くにいることができるのだ…と思える生き様。
読みやすく共感できることが多くて、様々な問題の入り口に運んでくれる良い本だった。この人はノンフィクションがいい。
紙の本
ものを真剣に考えるということ…
2002/07/26 12:46
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る
やはり鋭い!面白い!
ネット上での人気コラムニスト、最近では小説も話題になった「田口ランディ」さんの、エッセイ集です。
日々の生活を淡々と送りながら、するどい嗅覚を持つ人ってスゴイですよね。ランディさんはその典型のような人です。
エッセイの中で触れられていますが、子供を生んで安定した事によってますますそのアンテナの感度が
あがり、地に足の付いたモノの見方がされていると思います。これは小説も読んでみないといけませんね!
紙の本
「もものかんづめ」の対極に位置する戦うエッセイ。
2002/07/15 17:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:大空アゲハ - この投稿者のレビュー一覧を見る
■内容
◎ゴミを愛する人たち、池袋通り魔事件、酒鬼薔薇聖斗事件。当時世間を騒がせた大ニュースの他にも、彼女自身が実際に出会った様々な出来事、例えばビルとビルの間の15cmのすきまにぴったりと挟まった女の話、など現代の社会が抱える様々な問題を独自のフィルターを通して語った名コラム。
■書評
◎この人の本の中には、終電を逃して居酒屋で飲んでて知り合った人の話やら、道端で意気投合してそのまま飲みに行く話が、やたら出てくる。なぜ、この田口ランディという人は、いとも簡単に道で出会った人とすぐに友達になれるのか。よく読んでみると、彼女は銀座のホステスをしていた時代があったそうである。水商売をしていると、お酒が入ってるせいかよくわからないけれど、やたらと人に話し掛けたくなってくる。全然知らない人にもいきなり話しかけられる。毎日が会話の臨戦体制に入っているからだ。話すのがものすごく楽しいのだ。この人は、もともと物おじしない性格なのかもしれないけれど。
◎彼女はものすごく真面目な人なのだろうな、と思う。その文章からふつふつと伝わってくる。正義感があるというか。生きてきた中でいっぱいいっぱい失敗をくり返して、損をして、それでもひたむきに生きてきた、そんな彼女の姿が思い浮かぶ。そんな彼女だからこそ、この世の中で起きている事件を実生活の延長線上にあるものだととらえて、これほどまでにリアルで興味深い文章がかけるのだと思う。こんな私が言うのもかなりおこがましいことだけれども。
◎この本と並行して読んでいたさくらももこの「もものかんづめ」。「もう消費すら快楽じゃない彼女へ」も「もものかんづめ」もどちらも、コラムというかエッセイだが、カラーが全然違いすぎる。かたや、深刻な現代の底辺にある社会問題を真面目に斬り、考えさせられる真剣コラム。かたや、ぐーたらな日常の中に楽しみを発見している抱腹絶倒の爆笑エッセイ。本を切り替えるたびに頭の中もアホモードと真面目モードに切り替わる、このおもしろさ。皆さんにも、全然正反対のカラーの本を並行して読むことをおすすめする。
◎ちなみに彼女の著作の中の「ひかりのあめふるしま 屋久島」が読んでみたい。きっと屋久島に行きたくなるのだろうな…。
■関連図書
縁切り神社
忘れないよ!ヴェトナム
ひかりのあめふるしま 屋久島
コンセント
もう消費すら快楽じゃない彼女へ
スカートの中の秘密の生活
紙の本
なぜ人を殺してはいけないのか、の答え
2002/05/17 17:03
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つる - この投稿者のレビュー一覧を見る
田口ランディさんは本当にいろいろ変わった人に会っているなーと思う。そして受け止め方がいい。私は田口ランディさんにかなりはまっている。彼女の見せてくれる世界観のようなものがすごく私にマッチする。
お母さんを殴る少年を責めるのではなく、彼女なりの見方で分析する。
なぜ人を殺してはいけないの? この問いに対する答えもこの本は与えてくれる。
難しいことは全然言ってない。ただ見て自分が感じたままに述べている。
なぜか心に響いてくる。夢中で読んだ一冊だ。
紙の本
田口ランディさんの生き方が見え隠れする、魅力的なコラム。
2000/12/09 16:52
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:なりてん - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の田口ランディさんは、最近ではインターネットコラムニストとして有名だし、小説の方もコンセント、アンテナと執筆され、そちらで知った方もおられるだろう。
本書は、
MYCOM PC WEB
MSNジャーナル
などで連載したコラムをまとめたもので、私はメールマガジンで読んでいたのだが、あらためて本として活字で読んでみた。慣れの所為か、紙の方が目に優しいからか、じっくりと読めたような気がする。
コラムは酒鬼薔薇聖斗や、オウム、毒物カレー事件などの時事問題や、ランディさんが出会った人々の話などだが、特に出会った人々の中で一夜限りというか、偶然出会った人の話が面白い。
最初のコラム、「ゴミを愛する人々」や、「すきまの女」、「私の詩集を買ってください」などだ。
どの話も酔っ払った時に出会う女性のなのだが、どの人も普通の延長線上の狂気というか、ちょっとだけ普通と変わった人たちだ。しかし、ランディさんのコラムを読むと、彼女たちはすごく正常で、病んでいるのはこの世の中なんだなと感じる。
それから、ランディさんのコラムは非常に正直である。何もごまかさず、何も隠さない。そして伝えたいことを、伝えたい言葉で書いている。
そんな文章に魅力を感じ、さらにコラムを通して見え隠れするランディさんの生き方に、自分にできない、自分の持っていない何かを感じる。
まずは、インターネット上のコラムをいくつか読んでみて、何かを感じ取った人は、本書でたっぷりと田口ランディさんを感じて欲しい。
紙の本
2000/5/1
2000/10/26 00:22
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日経PC21 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者はメールマガジンやウェブサイト上で数多くのコラムやノンフィクションなどの作品を発表しているネット上の人気作家だ。本書は池袋の通り魔事件や幼児虐待といった、実際に起きたさまざまな事件について書いたエッセイ。自分の体験を交えたユーモアのある文章が特徴だ。
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