投稿元:
レビューを見る
現実にある狂気や異常な事件などを取り上げて、それに対する切実な意見?がたくさんあります。エッセイ?です。多分
この人は何か好きです。
投稿元:
レビューを見る
タイトルに惹かれて手に取りました。とにかく洞察力に驚きました。「人を殺す人、自我を殺す人」とあとがきがとても好きです。「現実はいつもどこかユーモラスだったり、愛のかけらがあったり、くだらなかったり、神聖だったりする。だから人は生きていくとも言えるし、だから人は死ぬとも言える」
投稿元:
レビューを見る
生きることの意味なんてなくても人は生きるのだ。
田口ランディの歯切れのよい言葉とその視点に共感。
単純に面白い。人間くささがいい。
投稿元:
レビューを見る
現代社会という狂おしいリズムの中で
うまくハーモニーを奏でられずに生きるマイノリティな人々。
その人生とすれ違い、触れ合った筆者が語る、
その日常と心の内側の物語。そのじんとした生々しさ。
エッセイの語り口はいい意味でとても個人的で、
親密で、考察は時々優しく刺すように鋭い。
現代の時代性とそこに生きる人々の影を浮き彫りに
・・・なんていうとどっかの広告文みたいだけれど、
筆者自身がそのコミュニティで同じ空気を吸っていたので
ニオイの濃さが違う。
題名から受ける印象ほど批評的な印象はなく、
前半の一般社会的問題から後半にいくにつれ、
スピリチュアルな深いテーマへと移っていく。
こうして読むと、現代に生まれちゃってる人というのは、
とても多元的で一筋縄ではいかない業を抱えた魂が多いんだろうなぁ。
ただ、著名人の時事ネタに関する考察は、限られた情報から
先入観をもって「理解」しようとしている感じが少し鼻につく。
直接触れ合った人から筆者自身が感じたことに限定したほうが、
この連載の趣旨にあっていたのではないかなと思う。
投稿元:
レビューを見る
田口ランディーさんのもう消費すら快楽でない彼女へ
前回読んだ出来ればムカつかずに生きたいよりも更に好き!と思わせる一冊です。読んでいて賛同したり、驚いたり、新しい発見があったりなど、肩に力を抜いて思いっきり読書を楽しむことが出来ました。
10年も前の作品なのでエッセイのテーマが古いにもかかわらず、十分楽しんで読むことが出来ました。時代に影響されない大事な言葉がたくさんあったと思います。
そして何より、ふふっと笑わせてくれるお話が前回よりも多かったです。
特に笑わせていただいたのが古い便所の浄化層の中から遺体で発見された男性のお話。
人間が入り込めるとは思えないような細い管に人間が窒息死していたという事件に影響され、ランディーさんが隙間に入り込む人の気持ちが気になって仕方がなくなり、挙句には自分が入りきれるぎりぎりサイズのコインロッカーの中に全身入れ込んでしまうんです。
ランディーさんの行動力には頭が上がりません。
そして一番印象的だったのは盲目の男性のお話。
全盲だった人が成人してから目が見えるようになる手術を受けたという内容なんですが、最初はさぞかし明るく素晴らしい結果になるのだろうと読み進んでいました。
しかし実際には辛い現実が待ち受けていたんです。
いきなり見える機能だけが宿っても、平衡感覚がなくなってしまったり、動体視力が無いから世界がぼやけて見えるため気持ち悪くなってしまうなどの障害がでてくるという衝撃的な内容には胸が締め付けられました。
何より人間というものを見たことのない人が、実際の人間を観たときの気持ちは私たちが宇宙人を見るのと同じような気持ちなのではないでしょうか?
産まれてから目が見えることが当たり前のように生活していましたが。改めて五体満足に感謝の思いでいっぱいになりました。
この一冊の本を読んだだけで、私の知らないたくさんの世界を見せてもらったと思います。ランディーさんは初めて会ったさまざまな人に自分から話しかけていました。友達になったり、そこから何かを必ず得て学んでいるように思いました。人見知りの私からしたら全てが刺激的でした。
又是非他のエッセイや小説も読んでみたいと思います。
投稿元:
レビューを見る
【再読】質はよいかもしれないが、タチが悪いエッセイ。著者が登場人物としてでてこない節は、洞察力に関心しながら読める。著者が登場する節はうさんくさくて仕方がない。
投稿元:
レビューを見る
内容の濃い本。どの章を読んでもドキドキする。独特の経験、人脈そして着眼点が凄い。
何か一つについてきちんと考え、分析をしている。
何度読み返しても新たに思うことが沸き起こる本。
作者は様々な“ひと”をちゃんと見ている。酔っ払ていようと、ちょっと変わった人で、二の足を踏んでしまいそうな人でも関係ない様子。
『植物人間の夢』は不思議な話。
投稿元:
レビューを見る
14年も前に書かれたエッセイなのに未読でした。ああ、そんな事件もあったなぁ、と思い出しながら読み進みました。
ランディ氏は、浄化槽の中に入り込んで死んでしまった人の気持ちを知りたければコインロッカーに自ら入ってみたりするし、介護を受ける人の気持ちになって介護をするためにプロの介護士の介護を受けてみるし…と、なかなか真似のできないことに挑戦する行動力の人です。
それなのに「私の詩集を買って下さい」と首から下げて新宿駅の地下道に立つことだけにはチャレンジしないんだ…と、こういう人間的なところが魅力的に感じます。
個人的には、当時の大相撲若貴、特に貴ノ花関についての考察が心に刺さりました。周囲の大人や環境が、子どもの心にどれだけの思い込みや重圧を巣食わせるのか。どんなタイミングでもどんな方法ででも、バカヤロー!とやれた貴ノ花は救われたのではないかと、現在の親方を時々画像で見るにつけ思うようになりました。
投稿元:
レビューを見る
事件が結構古いけど、よく覚えているものだったので、その時に取り巻いていた自分のまわりの環境なんかも思い出しながら楽しく読めた。「できればムカつかずに・・・」よりもすっと読めた。
投稿元:
レビューを見る
図書館の返却コーナーに置いてあって、最初の章を読んで面白かったので借りました。
面白い。
ちょっと前、チラリと観た「ブクログレビュー」で興味出て借りた、ある女性エッセイストの作品がダメで(☆1つなのでブクログに入れてません)、
女性のエッセイって好みが大きい=好き好きだと思う。
私は田口ランディさん、好きです。
・・・なんだろ・・・「おお。」と思う、普通(?)のエッセイ部分も勿論イイんですが、何より、この人の暗さと不気味さがいい。
父親がアル中とか虐待とか文章のはしにチラと出てくるけど、だからなのかな?
・・・あと、この人、軽く一杯ひっかけながら書いてるのかな?と思える感じがまた、いい。読みながら「ああちょっとアッチイッちゃってるのかな・・・」と思いました。
現実と虚構がないまぜになってる。
本人も正直にあとがきに、「ぼんやりと曖昧に私の目に写る現実を言葉に置き換えてみた。そしたら本当と嘘が混ぜッこぜになってしまった。でも、私にとって、この本に描いた世界はとてもリアルなんだ。」とありました。
やるねぇ。策士だねぇ。
これからも私のリアルを書いていこう。と、あとがきはしめられてました。
この本は1999年11月発行。
最近の、田口さんのエッセイも、是非読んでみたいです。(私はエッセイのつもりで読んでいたんだけど、これはもしかしたら短編小説なのかもしれない。なんて、読み終わってから思ったんだけど。(虚構多いし)
投稿元:
レビューを見る
田口ランディのコラムをまとめたもの。ランディ氏らしくどこか暗くて、でも現実的な話題が多いコラム。元々はPC系のニュースメルマガのコラムだったので自分みたいなPC系の人間は知ることができたのだけど、ランディ氏の物事に対する捕らえ方が非常に興味ぶかく、おもしろく読んでいたのを思い出す。
このカバーの写真としいい、取り上げる内容といい、いいですな。別に癒される訳でも、笑える訳でもないんだけど、ふーんそんな事思ってるのかーと感心する事がおおい。
本人の家庭環境も結構すごいからか何故なのかは知らないけど、生きるという現実に冷静な視点を与えてくれるランディ氏の文章はいいです。
投稿元:
レビューを見る
たとえ殺すか殺されるかの間柄であっても、そこにはサンドウィッチのキュウリやハムみたいに、愛だの、思いやりだの、喜びだのが混じってる。悲惨なだけじゃない。現実はいつもどこかユーモラスだったり、愛のかけらがあったり、くだらなかったり、神聖だったりする。だから人は生きていくとも言えるし、だから人は死ぬとも言える。