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紙の本
秀逸。
2001/09/22 23:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みやぎあや - この投稿者のレビュー一覧を見る
仮想現実型「ダンジョントライアル」というゲームは、スーパーコンピュータの投入によって256人が同時にRPGの世界を体験できるようになった。現実と変わらないようなファンタジーの世界を楽しむ参加者たち。しかしすぐに、彼らを本物の死の恐怖が襲った…。
コワイです。バーチャルリアリティとゲームという実際にありそうな組合せは魅力的で、同時にこの恐怖の展開もまたいつか現実の恐怖になりそうな怖さがあります。
ゲーム感覚の設定が読みにくいといえば読みにくいけれど、それも登場人物が自分たちを襲った恐怖に気づくあたりから気にならなくなります。そして最後の息を呑むような展開。その更に先にある結末は、その辺のホラー小説よりよほど背筋の寒くなるもので、後味の悪さを残しながらも秀逸でした。
紙の本
出来ればここで一度セーブしておきたいところね
2001/01/16 14:43
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:naka-m - この投稿者のレビュー一覧を見る
典型的なゲーム小説なので10代〜20代後半向け。
主人公達は仮想現実の中でダンジョンを探検するゲームに参加する。モンスターを倒し、経験値を稼ぎ、よりよい武器を手に入れ、最終的には魔王を倒すのが目的。ゲームの中で自分のキャラクターが死んだ時点でゲームオーバーとなり、現実世界へ引き戻される...はずだったが、コンピュータの暴走によって主人公達はゲームで死ぬと実際の自分達も死んでしまう可能性があることに次第に気がついていく。仮想現実の世界から無事抜け出すためには魔王を倒してハッピーエンドを迎えるしかない。
「クラインの壷」(岡嶋二人)と「隣り合わせの灰と青春」(ベニー松山)を足して2で割ったようなありがちな小説ではあるがプロットがしっかりしていてストーリーも2転3転するので十分楽しめる。
タイトルの科白は彼らが十分な経験を積み、武器を揃え、いよいよ魔王と対決という場面で魔王の部屋の前でメンバーの一人の女の子が呟いたものである。
多分彼らみんなが思っていたであろう率直な気持ちを代弁しておりとても共感出来る。もちろんそこでセーブが出来てしまったら物語にはならない訳だが...。
人生も同じだ。だから面白いのかも知れない。
紙の本
「現実」とは?
2001/05/23 06:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:真泰 - この投稿者のレビュー一覧を見る
よくある剣と魔法もののファンタジーなのかと思っていたら違っていました。ホラーかと思うほどにとにかく怖かったです。
その人の意識だけがゲームの世界に入り、戦士や魔法使いとしてRPGを疑似体験出来るなんてゲーム好きな人には堪らなく魅力的な話です。でも、読み終えた時には考えが180度ひっくり返りました。正直言ってこんなゲームが開発されたら嫌です。また、遠い架空の世界の話ではなく、近い将来もしかして……と、私たちの世界の延長線上の未来に存在し得る話に思え、余計に恐怖心を掻き立てられました。
「現実」っていったいなんだろうと考えずにはいられませんでした。今、こうして書評を書いている自分は現実世界の自分なのだろうか? いつかは覚める長い夢を見ているだけなのだろうか? それともこの作品のように疑似体験できるコンピューターによって他人の生活を疑似体験しているだけなのだろうか……。考え出すとキリがありませんが、「現実」を証明する術を知らない自分に空虚にも似た気持ちを感じました。
紙の本
新世代のRPG
2002/07/15 00:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エリック@ - この投稿者のレビュー一覧を見る
高畑京一郎初お目見えの作品。
ジュニアノベルの読者には周知だが、第1回電撃ゲーム小説大賞の「金賞」受賞作品だ。正直、個人的にはこの作品が大賞でも良かったのではないかと思うほど、良くできた物語だ。
巨大コンピューター・ギガントによる虚構空間で繰り広げられるRPGが、いつしか、恐ろしい死のゲームへとプレイヤーを誘うという展開は、一言、面白い。「ゲーム」を楽しむ主人公たちが、「冒険」を強いられていくという描写には、著者の力量を感じた。
最後の少し物悲しくなる結末にリアリティを感じた。ゲームをゲームと括らせない無言の圧力がこの作品にはある。この作品以後、高畑作品が何冊か刊行されていくのだが、どの作品にもこの「リアリティ」が存在している。電撃文庫の中でも注目すべき作品群といえるだろう。
紙の本
ゲ−ム小説の新機軸
2000/08/24 01:32
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:榎本秋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
作者は本書で電撃ゲ−ム小説大賞を受賞しデビュ−した新人である。本書の特徴はベニ−松山『となりあわせの灰と青春』(集英社スーパーファンタジー文庫)に代表される骨太の伝統ゲ−ム小説の流れを汲みながら、SF的な要素とうまくシンクロさせているところである。
ゲ−ムを新型コンピュ−タによる仮想現実世界におくことで、ゲ−ムの中の自分と現実の自分とを対比させ、さらに、外部からの圧力によりゲ−ムに現実の自分の喪失への恐怖を植え付けさせる。
ゲ−ムの中では自分も痛みをおぼえる、そういったシンクロが娯楽であるゲ−ムを現実へ消化させていると言える。
このあと作者は、同系列の作品を二作発表しているが、どれもがお約束をおもんじながらSFテイストをうまくミックスさせていて評価できる。
紙の本
ゲーム小説大賞受賞のゲーム小説
2001/06/12 08:26
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しおん - この投稿者のレビュー一覧を見る
第一回電撃ゲーム小説大賞〈金賞〉受賞作。
ギガントと呼ばれるスーパーコンピュータを用いた256人で同時プレイする地下迷宮型RPGゲーム「ダンジョントライアル」
その試験運用のプレイヤーに選ばれた主人公はゲイルという名の盗賊としてゲームに参加することになる。
いきなりゲイルとモンスターの戦闘シーンで始まり一気に小説に引き込まれる。ギカントの説明などの現実世界の描写などは最低限にして、ゲームの中での描写だけで話は進む。プレイヤーはカプセルに入っており、仮想現実世界を実現しているため、迷宮世界をまるで現実のように体験できる。
ゲイルは、リリスと名乗る女の子などと出会いパーティを結成して迷宮の地下へと進んでいく。目的は、魔王ギカントを倒すこと。
他のパーティと出会ったり、自己中心的で薄情な僧侶と一悶着あったりと展開はウィザードリーを踏襲している。
村正が手に入ったりもする。
さくさくと読めます。台詞も上手いと思う。現実と虚構の混同といった仮想現実モノのツボも押さえてあり、いわゆるヴァーチャルRPG小説。
当時はDiabloもUltimaOnlineましてPSOも無かったわけだし。
2000年公開の押井守・監督の「Avalon」も考えてみるとヴァーチャルRPG映画になりますね。