紙の本
天才外科医に託した手塚治虫のメッセージ
2001/01/19 09:40
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投稿者:げんとび - この投稿者のレビュー一覧を見る
ブラック・ジャックはピノコという少女と一緒に住んでいる。ところでこのピノコ、「私は18歳なんだから!」と度あるごとに主張している。どうみても10歳前の子供にしか見えないが、これはどういうことだろうか?
実は、このエピソードは他の巻で登場するのだが、ピノコは奇形嚢腫からブラック・ジャックがつくり出したのだ。
本書収録の「奇形嚢腫パート2」では、ブラック・ジャックのもとに奇形嚢腫のできた患者が運び込まれる。それを知ったピノコは何とかしてこの嚢腫を助けたいと思うのだが…。
「あるスターの死」は非常に印象的な作品だ。往年の名女優、マリリン・スワンソンはもはやかつての美貌を失っていた。そこへ映画出演の話が持ち込まれる。心ならずも断った彼女だが、ある決意を胸に日本に向かう。彼女が目指しているのはブラック・ジャックの家だった。女優に一生をかけた彼女の執念が、思わぬ結果を呼び寄せた。
さて、少年だったブラック・ジャックの命を救った本間丈太郎は、彼の心の師である。本書ではブラック・ジャックが、本間ですらその謎を解明することができなかった「本間血腫」と対決することになる。
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投稿者:七無齋 - この投稿者のレビュー一覧を見る
1話完結方式の定めだが遂に終わりは来る。しかし多方面に掲載されていることから未収録のものもあるにはあるようだ。そういう意味では永遠に終わりはないともいえる。
紙の本
こんなB.Jもいたのか!?
2001/07/01 02:16
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投稿者:KA - この投稿者のレビュー一覧を見る
“小うるさい自殺者”で遺書を読んで金が取れそうだと踏んだブラック・ジャックは自殺未遂の少年を助ける。しかし、タイトルが示すようにその少年はギャーギャーうるさく手に余ったB.Jは安楽死請負人ドクター・キリコの元へ連れて行く。“ノリ”で自殺しようとしていた少年はキリコの医院で“本当に苦しむ”病人を目のあたりにし、そしてその女の子の患者に恋心を抱き、彼女の命を助けるよう懇願する。
少年に振り回される両医師がコミカルだ(と、同時に物語は素晴しく完結する)。
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投稿者:ないものねだり - この投稿者のレビュー一覧を見る
盲腸で死にかけた人もいる。切除前に破裂し全身の血を入れ替える必要が生じたそうだ。約半年後、戻ってきたやんちゃな男の子は、すっかり線が細く別人のようだった。
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『水とあくたれ』『海賊の腕』『本間血腫』などが収められています。この巻は地味だけどわたしのお気に入り作品がたくさん収められています♪
例えば『小うるさい自殺者』。BJとキリコが意外と仲良くなってるのがイイ!
BJが小道具と作り話しで、訳ありシングルマザーの自殺を思ぃ留まらせる『山小屋の一夜』もイイお話しだし、『気が弱いシラノ』も手塚治虫の大好きな名作『シラノ・ド・ベルジュラック』のパロディで、あのBJが恋愛カウンセラーも見事にこなしているのが面白ぃ♪
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僕の好きな作品。「ときには真珠のように」、「めぐり会い」、「六等星」、「アリの足」、「二つの愛」、「おばあちゃん」、「三者三様」、「友よいずこ」、「助け合い」、「勘当息子」、「ある女の場合」、「執念」、「奇妙な関係」、「虚像」、「ゴーストタウンの流れ者」、「山手線の哲」、「落としもの」、「焼け焦げた人形」、「もらい水」、「終電車」、「古和医院」、「土砂降り」、「老人と木」、「サギ師志願」、「ふたりのピノコ」、「おとうと」、「上と下」、「曇りのち晴れ」、「ハリケーン」、「発作」、「誤診」、「発作」、「再会」、「死への一時間」、「ある教師と生徒」、「目撃者」、「約束」、「二人三脚」、「銃創」、「やり残しの家」、「骨肉」、「盗難」、「灰とダイヤモンド」、「身の代金」、「人形と警官」、「お医者さんごっこ」、「がめつい同士」、「話し合い」、「青い恐怖」、「人生という名のSL」、「信号」、「デベソの達」、「二人目がいた」、「帰ってきたあいつ」、「笑い上戸」、「水とあくたれ」、「小うるさい自殺者」、「後遺症」、「気が弱いシラノ」、「幸運な男」、「かりそめの愛を」、「浦島太郎」、「鯨にのまれた男」、「スター誕生」、「死者との対話」、「霧」、「夜明けのできごと」、「20年目の暗示」、「ミユキとベン」、「浮世風呂」、「過ぎ去りし一瞬」、「純華飯店」、「おとずれた思い出」…。
全編を通して、珠玉の名作集の趣があります。
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泳ぎたがるピノコの「水とあくたれ」の話とかアニメ作者の「動けソロモン」など夢をめざす人の話が好きです。
人情がいい「幸運な男」なんかも好きな話。
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最初の話では、ピノコは水に弱いんだぞ!と言っているのに、その後の話では普通にプールに入っていて、???と思った。
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「水とあくたれ」のBJの「よく泳いだ!!」と言う台詞、病気を抱える人間がそれを押しのけて発揮する力を誰よりも知っているから言える言葉だ。「海賊の腕」も忘れられない一作。義手に仕込んだマイクから女友達の声がずっと片腕になった少年を励ましていた話。「のろわれた手術」のミイラ女性への手術。「山小屋の一夜」のおとぎ話とホラーが足されたような読後感。「未知への挑戦」はX-ファイルに収めて欲しい一作。現在自分たちが見ている聞いている読んでいるものの原型は既にブラック・ジャックの中に描かれている。
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「俺の出番が少ない」という台詞にあるように、主役は患者たちで、BJは狂言回しにしすぎない。才能ある者の挫折と克服、アンチエイジング、尊厳死、医療の限界、整形による成済まし(人生のやり直し)等々テーマは様ざまだが、この巻はハッピーエンドが多く、生きる事の意味を問う作品が多い。宮部みゆきの解説もよい。詩人と空き部屋。生き残る作品は年代別での感動や感銘があるからこそなんだろう。
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ミイラの呪いをはじめ、不完全燃焼の結末の話が多かった。
ブラック・ジャックはついに、宇宙人までも治療してしまったッ!
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死んででももう一度銀幕にたちたいという年老いた女優の夢。結局はその前に交通事故でなくなってしまい、ブラックジャックは骨に肉づけをした模型を映画に撮らせる。ある意味で残酷な話。
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人工心臓 ピノコ…バレンタインデーってなんだっけ… 原始的な徒手技術 腸が壊死えしネクロージス 憮然呆然としたものです 人生の一時期、特に十代の半ばから終わり頃の間、人は誰でも、心の中に一人の居候を同居させています。 つうよう痛痒も感じず 物語を紡ぐ作家が素晴らしい仕事をした時 そういう空き部屋があるからこそ理解できることがある 「死」は手加減せずに襲い来るのだ、神だか運命だか知らないけど、この世をす統べている何者かは、それほどに無慈悲で非情なものなのだと、感じて欲しいと思います。でも、それだからこそ「生」は素晴らしい。「命」は尊いのです。 ここでもやはり、作家・手塚治虫は「年月」に対して勝利を収めているのです。それも揺るぎない勝利を。 宮部みゆき
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【再読】
「──私かね だれよりも命を大事にしてる男さ フフフフフ」
今巻は「自己嫌悪」にまつわる話が多かった気がします。分かりやすい例が「スポーツ=生きがい」で、これを失ってしまったら死んだようなものだ、と絶望する患者たちに、ブラックジャックが様々な形で救いの手を差し伸べていきます。他にも、今巻には自殺を図る登場人物も登場し、「生きていくのが厭になった」「苦しむくらいなら死んだ方がいい」と、やはり自己嫌悪に陥っています。しかし、ブラックジャックとの関わりを通して、その人たちは再び歩み始める。これぞブラックジャック! というストーリー! 大好きです!
(特に好きなお話3つ)
『小うるさい自殺者』
『気が弱いシラノ』
『幸運な男』
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義手になる少年、若い肉体に整形する老婆、シラノのオマージュ、母子ともども取り替え……
わりと懐かしいエピソードが満載な気がする
しかしブラックジャック先生のメタ発言オチはちょっとずるいよね