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諸葛孔明の「志」と感動的な生涯を存分に味わえる一冊です!
2020/12/04 10:02
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、『桃源遥かなり』、『炎に絵を』、『影は崩れた』、『阿片戦争』、『濁った航跡』、『紅蓮亭の狂女』、『青玉獅子香炉』などの名作を次々に発表してこられた陳舜臣氏の作品です。同書は中公文庫あら2巻シリーズで刊行されており、下巻にあたる本書では、関羽、張飛が非業の死をとげ、主君劉備も逝き、蜀の危急存亡のとき、丞相孔明は魏による悪しき統一を防ぐため、輿に乗り白羽扇で軍を率い、五丈原に陣を布くという社会背景から始まります。こうした社会状況の中で諸葛孔明がどのように行動し、活躍したのかが見事に描かれています。史料の徹底的な吟味によって鮮やかによみがえる諸葛孔明の「志」と感動的な生涯をぜひ、味わってみてください。
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秘本三国志よりも人間的な諸葛亮
2016/08/02 00:50
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投稿者:mistta - この投稿者のレビュー一覧を見る
万能の天才という描かれ方でない諸葛亮が良い。
悩みながら理想を求め最大限の努力をする。
だが、結果として・・・。
完結の下巻。重苦しい終盤だが、物語と別れる名残惜しさを
覚える結末が良い。
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面白いけど、下ってことは孔明が死んじゃうということで・・・
衰退していく様が悲しかった。
やし、上のが面白かったです★
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「諸葛孔明の生涯が人びとに感動を与えるのは、
乱世に真正面から立ち向かった彼の誠実さと、
志を遂げずに死んだ悲劇性によってであろう。」
(著者あとがきより)
正にその通りの展開が
繰り広げられていく下巻でした。
北伐開始のあたりでは、
高校時代に教育実習生が中国語で
出師の表を音読してくれて
鳥肌たつほど感動したのを思い出しながら
読みすすめました。
劉備の死後どんどん孤独になっていく孔明さんが
痛々しくて悲しかったけれど、
万民のためという目的のためだけに徹底して生きる姿に胸がつまる。
奥さんも途中から人質として呉に移ってたんですねえ・・・。
そんなわけで朝から電車内で一人涙浮かべて通勤。
悲しいのは仕方ないとしても、
歴史小説でこんなに透明感のある文章は
なかなか会えない気がする。
秘本三国志も読みたくなってきた。うずうず。
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彼は、なぜ、天下を三分にしなければならなかったのか。
陳舜臣が加える、諸葛亮孔明の真意。
天才軍師ならぬ、平和を愛した宰相、
その、人としての思いとは。
深い。この語りつくせぬ物語は、人の数だけあるということか。
浮屠。三国時代、時は、西暦200年。
この小説に登場し、諸葛孔明に三国各地のあやゆる情報を運んでくるのは、浮屠(ふと)、浮図、仏図-Buddha教徒。
陳舜臣曰く、彼の情報網は仏教徒であったとする説。
孔明その人の思考回路には、紀元前は春秋戦国時代の諸子百家の思想に加えて、仏教の境地も含まれていたか。
下巻。
万民の心の安らぎために苦悩した、男の生き様。
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全体的に、感動しました。
下巻では、孔明の属する蜀漢の英雄達が次々と命を落としていくのですが、孔明は最後まで天下万民の平和を思っていたのだ、と思い感動しました。
また、最後に「死せる孔明、生ける仲達を走らす」という言葉の元となったエピソードが書かれていて、その際の司馬仲達の言葉も書かれているので勉強になりました。
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三国志の中でも最もあこがれた人物でした。
No.1を補佐する事に徹する事で自分自身の目標を達成するという所に惹かれました。
改めて孔明に関する書物を読んで非常に素晴らしい人材である
と再認識するとともに、最後まで自分が出張らないという
精神に感動しました。
ただ、天下三文の計に捉われすぎでいた感も否めず
もう少しうまく立ち回ると多くの人の命を戦争で失う事も
なかったのではないか?という感じもします。
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孔明の苦しみとかを描いていているとはよい。
孔明さんが民の安寧が第一で三国鼎立もよしとするというのは
極端でしょ。
それなら民を愛する孔明が出師の表だしてまで戦いにはあけくれないでしょ。もっと危機感あったし必死だったと思う。蜀のために。
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超人的な孔明ではなく、いかにも現実的な能力、思考を持つ孔明が読めて面白かった。
劉備陣営は、慢性的な人材不足に悩まされた上、関羽・張飛・劉備・孟達・馬謖などの驕りを原因とする失敗が痛かった。
ホウ統・法正・馬良には、呉の張昭のように長生きして活躍して欲しかった。
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後半、やたらとニルヴァーナという単語がでてくる。
ニルヴァーナというこのインド語の意味は漢語化するのが難しく、
その音をとって涅槃としたようである。
(涅槃の中国語はnie pan、ニルヴァーナに近い?)
仏教がまだ、いかがわしい新興宗教だった背景が浮かんできた。
そんな時代に理想を貫いた男の話であった。
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文献を丁寧に手繰り、孔明を神憑った天才としてではなく、悩み過ち奮闘し涙を流す一人の実在した「人」として描いた作品。而もその語り口は決して一般的な歴史小説のように厳しくなくたおやか。実存した孔明の人柄が浮かび出るよう。
三国志演義で嫌いになった孔明を好きになった。戦記や武談を期待する向きにはそぐわない作品。実に好い作品でした。
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上巻の方がいい感じです(まあ時代的にもね。
関羽が死んで以降の蜀の崩壊が切ない。
どうしても五丈原で終わってしまうから消化不良感が否めない。
てか全体通して夫婦仲がステキ
本屋さんで「孔明のヨメ」って漫画見かけてときめきました( *´艸`)
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この著者の小説を初めて読んだ。
諸葛孔明で上下2巻だが、ストーリーとして物足りない。
あらすじ程度の描写で物語が盛り上がるはずの場面でも、あっという間に話が終わってしまう。
史実からの小説なので脚色があったり作られたストーリーがあるのは当然だと思うので、そういう意味もっと話を盛り上げて欲しかった。
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以前読んだ三国志モノとは所々違う描写があって新たな発見を多く見つけることが出来た。やはり史実を基にしていると言いつつも記録が少なかったり、書によって記述が違っていたりするとそれぞれの作家によって描写は変わってくる点は三国志モノの魅力か。
この物語では孔明のそれまでのイメージを払拭したかったのか、神がかり的な奇策を用いる稀代の軍師としてではなく、あくまで大陸の平和を望む一介の軍師として描かれている。そのせいか、孔明の策にあっと驚くような戦術は出てこない。 以前読んだ三国志モノにあった「十万の兵の代わりをする迷路」、「天気を思いのまま操るように見せかける」、「谷間に誘い込み火攻めにする」といった戦術は一切出てこなかったので、自分の記憶違いかと思ってしまった程だった。どちらかというとここで描かれる孔明は私たち読者に近い存在に思える。しかし、当時の常識や学力などを鑑みるとこれでも充分に凄い存在なのかもしれない。
本作を読んで改めて好きになった武将を挙げてみると周瑜・陸遜・虞翻・趙雲・司馬仲達辺りかな?
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諸葛孔明に憧れたのは昔の事。調べるほどに、等身大の彼が分からなくなり、次第に誇大化された偶像のようにも思えてくるから不思議だ。陳舜臣自らが巻末に記すように、誇大化するでもなく、矮小化するでもなく、丹念に史料を吟味することで捉えた、等身大に近い諸葛孔明がここにいる。彼を知るには、必読の書である。