サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

  1. hontoトップ
  2. 本の通販
  3. 小説・文学の通販
  4. 小説の通販
  5. 小学館の通販
  6. 模倣犯 The copy cat 上の通販

「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。

電子書籍化お知らせメール

商品が電子書籍化すると、メールでお知らせする機能です。
「メールを登録する」ボタンを押して登録完了です。
キャンセルをご希望の場合は、同じ場所から「メール登録を解除する」を押してください。

電子書籍化したら知らせてほしい

  • みんなの評価 5つ星のうち 4.3 388件
  • あなたの評価 評価して"My本棚"に追加 評価ありがとうございます。×
  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2001/03/21
  • 出版社: 小学館
  • サイズ:20cm/721p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-09-379264-X

紙の本

模倣犯 The copy cat 上

著者 宮部 みゆき (著)

【芸術選奨文部科学大臣賞(第52回)】公園のゴミ箱から発見された女性の右腕。それは「人間狩り」という快楽に憑かれた犯人からの宣戦布告だった。比類なき知能犯の狂気に立ち向か...

もっと見る

模倣犯 The copy cat 上

税込 2,090 19pt

予約購入とは

まだ販売されていない電子書籍の予約ができます。予約すると、販売開始日に自動的に決済されて本が読めます。

  • 商品は販売開始日にダウンロード可能となります。
  • 価格と販売開始日は変更となる可能性があります。
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて予約購入しても、予約一覧から簡単にキャンセルができます。
  • honto会員とクレジットカードの登録が必要です。未登録でも、ボタンを押せばスムーズにご案内します。

予約購入について詳しく見る

ワンステップ購入とは

ワンステップ購入とは、ボタンを1回押すだけでカートを通らずに電子書籍を購入できる機能です。

こんな方にオススメ

  • とにかくすぐ読みたい
  • 購入までの手間を省きたい
  • ポイント・クーポンはご利用いただけません。
  • 間違えて購入しても、完了ページもしくは購入履歴詳細から簡単にキャンセルができます。
  • 初めてのご利用でボタンを押すと会員登録(無料)をご案内します。購入する場合はクレジットカード登録までご案内します。

キャンセルについて詳しく見る

このセットに含まれる商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

商品説明

【芸術選奨文部科学大臣賞(第52回)】公園のゴミ箱から発見された女性の右腕。それは「人間狩り」という快楽に憑かれた犯人からの宣戦布告だった。比類なき知能犯の狂気に立ち向かう第一発見者の少年と孫娘を殺された老人、二人を待ち受ける運命とは?【「TRC MARC」の商品解説】

直木賞受賞作『理由』以来、3年ぶりに放つ現代ミステリの野心作

公園のゴミ箱から発見された女性の右腕、それは史上最悪の犯罪者によって仕組まれた連続女性殺人事件のプロローグだった。比類なき知能犯に挑む、第一発見者の少年と、孫娘を殺された老人。そして被害者宅やテレビの生放送に向け、不適な挑発を続ける犯人――。が、やがて事態は急転直下、交通事故死した男の自宅から、「殺人の記録」が発見される、事件は解決するかに見えたが、そこに、一連の凶行の真相を大胆に予想する人物が現れる。死んだ男の正体は? 少年と老人が辿り着いた意外な結末とは? 宮部みゆきが“犯罪の世紀”に放つ、渾身の最長編現代ミステリ。【商品解説】

著者紹介

宮部 みゆき

略歴
〈宮部みゆき〉1960年東京都生まれ。「我らが隣人の犯罪」でオール読物推理小説新人賞、「理由」で直木賞を受賞。他の著書に「蒲生邸事件」「クロスファイア」など。

あわせて読みたい本

この商品に興味のある人は、こんな商品にも興味があります。

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

この著者・アーティストの他の商品

前へ戻る

  • 対象はありません

次に進む

みんなのレビュー388件

みんなの評価4.3

評価内訳

紙の本

長いが、兎に角面白い!!。

2005/09/10 20:09

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:読み人 - この投稿者のレビュー一覧を見る

いやぁ、本当に本書は長かったです。
読んでも読んでも、栞が進まない。
時々、他のことしてても部屋で本書二冊をちらっと、みては、
残りの分量に時々ブルーになっていました。
でも、面白かったですよ、
個人的には、直木賞受賞の「理由」より、
面白かったです。

本書は、「週刊ポスト」に連載されていて
連載期間を延長の末、さらに、加筆されているそうですね。
どうりで、、、。
私自身の読書史でも、キングの「it」船戸さんの「蝦夷地別件」
小野さんの「屍鬼」
に並ぶ、読書期間でした。
内容は、と、言いますと、
基本的に連続殺人事件を、それも、劇場型のを扱っているのですが、
事件の被害者、加害者の悲劇と、いうか、
内面も、きちっと描いています。
一家殺人事件の生き残りの少年から、始まって、
この少年に絡んでくる、加害者の家族の娘さん
連続殺人の被害者となる、豆腐屋の親父さんそして、
失踪人をルポで取り上げて書こうとする、女性ルポライター、
勿論、警察、そして、犯人と、
これらの、人物を、きっちり描きながら、
犯罪による、悲劇、被害なんかも、
被害者、加害者両面から、きちっと、書かれています。
そして、テレビ番組をも、巻き込んだ、劇場型犯罪を
多重的に再現しています。
又、この辺は、宮部さんの上手いところですが、
話しに対して、登場人物の配置も、上手いし
取り上げている、人物のエピソードが、結構涙もの
で、上手いというか、憎いです。
カズとその妹の蕎麦屋の子供たちの話しは、
結構引き込まれて読みました。
プロの書評家の吉田伸子さんが、
以前言っていたのですが、
「『宮部みゆきは、上手いの知っているから、俺は、いいよ』と、
いう、読者は、大変もったいない」と
私も、正に、その範疇に入る、読者で
宮部作品は、数えるほどしか、読んでいませんでしたが、
これから、もっと読んでいかなければ、と、思っています。
けど、もう少し、短めにおねがいします。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

宮部の代表作

2019/03/28 09:21

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ドン・キホーテ - この投稿者のレビュー一覧を見る

本書は宮部みゆきのミステリー小説である。2001年に刊行された単行本であるが、なにしろ大部である。分厚い単行本上下2冊であり、文庫版が5分冊という超長編である。本書は週刊誌に3年にわたって掲載されたもので、よくぞ3年も続いたものだと感心させられる。

 そのせいか、やや冗長な部分が多い。それでも宮部の作品は単行本にしろ、文庫本にしろその分厚さは群を抜いているようだ。冗長というのは書けば書くほど冗長化と言えば、そうとは限らない。書いた分は本筋と何らかの関係のある内容となっているからである。

 『模倣犯』というタイトルはかなり有名になり、よく人々の口に上るようになった。単に模倣犯といえば、手口が似ているという意で使われるが、本書の内容に照らせば、それだけの模倣ではないことが分かる。

 それにしても、宮部は本書でよいキャラクターを育てたものだ。前畑滋子などはその一人であろう。後日、宮部が前畑をスピンアウトして模倣犯の続編らしきものを発刊したが、それにしてはやや魅力に乏しい描き方ではなかったか。前畑の続編を読んでみたいという欲が打ち消される部分もないではなかった。たとえば、夫の昭二との和解は、その理由が解消するには説明不足だったように思う。

 また、高井由美子の成り行きにしても、あまりにもあっさり描き過ぎで、やや落胆してしまった。これだけ大勢のキャラクターが登場する小説なので、読者個々がそれぞれのキャラクターに抱く思いや期待は様々なのであろうが。

 本書以外に宮部作品を読んでいないので、他の作品はどうなのかについては不明であるが、本書に引きずられて模倣作品にならないように希望する。また、読者をあっと言わせる作品を読ませてほしいものだ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

さようなら宮部さん

2002/02/26 17:05

2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:KEYAKI - この投稿者のレビュー一覧を見る

 とにかく長い。とても冗長で陰鬱にネチネチと長い。宮部さんの初期作品のようなさわやかな読後感など望むべくもないし、魅力的な登場人物も出て来ない。
 上下巻を一緒に買い求めたが、結局読んだのは上巻の半分と下巻の最後だけだった。通して読むことに耐えられなかった。一体、あの長さを使って何を表現したかったのだろう。何も伝わって来なかった。読後に残ったのは、お気に入りの作家をまた一人失った喪失感だけだった。
 私は宮部さんの本は全て所有しているほどのファンでした。「蒲生邸事件」あたりから抱き始めた違和感が本作品で決定的になりました。もう貴女の作品を購入することはありません。さようなら。長い間、ありがとうございました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

さすがでした。

2018/02/21 18:45

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:cttt - この投稿者のレビュー一覧を見る

複数の視点からスタートして最後にそれらがまじりあうストーリーそのものも面白かったのですが、細かい心理描写や振る舞いの描写がほんとうに緻密で、この登場人物たちは実在しているのではないかという錯覚に陥りました。

映画は見たことありましたが、やはり宮部作品は小説で読むべきですね。
映画は行間が省かれ過ぎて、半分も表現されていないなぁと思いました。
小説は本当に面白かった。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

ただの連続猟奇殺人ものじゃないんです

2003/11/18 21:08

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:のらいぬくろきち - この投稿者のレビュー一覧を見る

連続猟奇殺人ものなんて、くたびれるし、気持ち悪いし、後味悪いし、
読みたくない!という人に、おすすめ。私もそうだったので。
想像もできないような物語顔負けの事件がばんばんおきてるのに、何故
フィクションでまでそんなもの読まなきゃならないんだ。読みたくない。
いや、私もそう思いました。でも、読んでみたら、感動しましたよ。
実際、一瞬で忘れ去りたい嫌な部分もあります。でも、本当に、読んで
よかった。殺人事件のニュースを見る目が変わりました。
この上巻で、私がすごいなと思ったのは、被害者の遺族の日常に焦点が
あてられているところ。連続猟奇殺人を扱う一方で、すごくこまやかに、
あたたかく描かれていると思います。恥ずかしいけど、この本を読んで、
被害者の遺族としてテレビに登場する人たちが、自分と同じ普通の人間
だっていうことを、思い知らされました。それぐらい、リアルで人間味
たっぷりです。ぐいぐい引き込まれます。
「宮部みゆきの、江戸時代ものの人情話っぽいやつは好きなんだけど、
連続猟奇殺人はいやだなー」と、この作品を敬遠してる人。読んだほう
がいいです。もうよっぽど血なまぐさいのが苦手な人でなければですが。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

小説の世界と現実が…

2002/12/22 02:06

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:melodia - この投稿者のレビュー一覧を見る

とにかく登場人物が多い。また、長い。
正直、登場人物リストなど作っておいたほうが良いくらい、次々と場面が変わり、被害者それぞれの背景がや心理状態の描写で展開されていく。
読むうちに入り込んで、ストーリーが長い分、次第に小説の出来事が現実にあるのではないかと、夜、外を歩くのが怖くなったり、眠れなくなったりで個人的には大変だった。(笑)
彼女の心理描写が好きな私は、これほどそれが堪能でき、楽しめる作品は無いと思う。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

実際に起こりそうで。

2002/06/11 09:05

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:しんまま - この投稿者のレビュー一覧を見る

映画化されると聞き読んでみました。
作品はかなり長いですよね。でも全然飽きることなく読めました。
普通これだけ長いと中だるみとかありそうなものですが、そんなこと全然無くて非常に面白かったです。
それに一人一人の登場人物がすごく個性が強くて、誰が主人公でもおかしくないと思いました。だからこそ犯人が恐ろしく感じてしまうのかもしれませんね。こういう事件なら、いまの世の中実際起こっても全然不思議じゃないし実際に起こりそうな感じさえさせられてしまいます。
それにしても宮部さんの世界は素晴らしいですね。作品一つが長いので読み終えるまでにちょっと大変ですが、機会が有れば別の作品も読んでみたいと思います。とりあえずは、模倣犯をもう一度読み返してみたいと思います。また違う発見があるかも。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

こんなに長くて、こんなに楽しい

2002/06/01 22:29

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:バンカー - この投稿者のレビュー一覧を見る

寝る間も惜しんで読みました。
長い長い、とにかく長い。でも無駄に長いわけじゃない。
登場人物も多いけれど、全員が主人公という印象をうけました。
犯人すらも…。
物語はひとつの事件を軸にして進んでいく。
始まりは、ゴミ箱から発見された一本の腕。次々と誘拐され、消されていった女性たち。
すべては犯人の演出する舞台のうえで進行していく事件。そこに登場する人物たちの苦悩が、犯人にとって最高のスパイスとなる。
センセーショナルな事件が物語を面白くしているのだけれども、
最も重要なのは、事件に関わる人々の心理描写が巧みであることだと思います。
被害者、被害者の家族、遺体の発見者、刑事、犯人、犯人の家族、ルポライター…。
数多くの登場人物たちの感情や価値観、人生そのものが事件にあらゆる角度からスッポットライトをあびせて、物語に深みをあたえているように感じました。
多くのミステリー小説が、この物語と同じ様に多角的にストーリーを進行させていくと思うけれど、これほど綿密に登場人物の“こころ”を書きこんだ物語が過去にあっただろうか?
とても深くて、とても広い物語。
これは絶対読むべきですよ!!!

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

人間の心の闇を鋭くえぐっていて、恐ろしいほど。少年と老人、傷ついた者同士の暖かい交流が救い

2002/02/19 20:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:くろねこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人の心って、なんて恐ろしい。

 突然、何の前触れもなく姿を消した古川鞠子。家族の焦燥をよそに、何一つ行方に関わる手がかりがないなんて。どれほど心を痛めれば、彼女の行方が明らかになるのでしょう。でも、それは、鞠子の祖父や母親を襲った地獄のほんの始まりだったなんて。やがて、彼等を翻弄するかのように、鞠子を誘拐したという男からの電話。電話の向う。姿の見えない敵。実体のない、ゴーストのような、でも、間違いなく受話器の向うに存在しているはずの敵。

 豆腐屋を営む鞠子の祖父有馬義男をターゲットに、悪魔のような電話が鳴り続けます。どんな言葉が相手の心を引き裂くかを知り尽くしているかのように、傷付いた義男を嘲笑するかのように。鞠子が生きているかもしれない、そんな残酷な期待を弄ぶように。

 鞠子の母親真智子は、もっと悲しい人です。夫がよそに女を作って出ていった後、仲良く暮していた娘の突然の失踪。心がそれに追い付いていかなくて、現実から逃避するしかなくなる真智子。その心痛は、察するにあまりある痛々しさです。悲しい人。

 事件が世間の目に触れる発端でもある発見をしたのは塚田真一という少年。自身も、過去に悲しい事件に見舞われ、深い傷を心に負っている少年。彼が再び悲惨な事件に関わってしまったのは、逃れようもない運命のいたずらなのでしょうか。その境遇ゆえか、その年齢らしからぬ老成を見せるほどに悲しい少年。負わなくても罪を自らに背負わせ、運命に怯えているなんて。まだ、ほんの高校生の少年だというのに。

 物語は、真一の視点、義男の視点、ジャーナリストの滋子の視点を繰返すことで進んでいきます。やがて、上巻の半分も行かないうちに、そこに新しい視点が加わります。犯人と思われる男2人の乗った車が事故を起した後で。彼らの過去をたどり、事件にぶつかるまでの視点。

 やがて、明らかになっていく1人の男の心の闇。傷付いた過去を乗り越えることができず、大きな闇を飼い始めた男の物語。あまりにも深く、果てしない闇。どこまでも、どこまでも続く漆黒の闇。それは、ゆがんだ自尊心となって暴走し始める。自我を守るため、肥大した狂った自尊心。他人を傷付けることが目的ではないからこそ恐ろしい。でも、そんなものは、続かない。必ず、破綻をきたすのだから。

 流された血は元には戻らない。失った生命は帰っては来ない。それでも、人は生きていく。前に進まなくてはならないのだから。一回り、二回り、強く、大きくなって。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

長かったけど、読んだ甲斐がありました。

2001/09/21 23:26

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:mikako - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ラストの場面が強烈でした。ここに至るさまざまな出来事がすべてこのシーンのために用意されていたものではないかと思いました。事件に関する部分以外は、取り巻く人々の心理状態が中心で流れがやや緩やかで、私自身の彼らへの言いたいことがたまっていくような感じで、読むのにやや疲れることもあったのですが、このシーン、生中継の緊迫した場面は、そこまで感じられた長さを吹き飛ばしてしまうほどのインパクトがありました。読んだ価値が大いにあり、すばらしい作品でした。

 「ピース」はとてもすごいキャラクターです。徹し方があまりにも見事でした。背筋が寒くなるような畏怖を覚え、それが却って魅力さえも感じました。特に高井由美子を拾い上げた時には思わず、ぞくっ、としました。ピースは登場する度に緊迫感を与えてくれます。
 長いストーリーを通して主人公(かな?)の真一君の心の整理はつけられましたが、高井家の人々があまりに救われなくて気の毒です。事件のその後までを語ってもただ長くなるだけで小説としての面白味がなくなってしまうとは思いますが哀れすぎます。もう少し面倒見をしてほしいと思いました。

 本筋とは関係ないのですが、ライター前畑滋子さんの最後の家庭の問題の決着の付け方は、ちょっとズルイなと思いました。同じように夫の家族と折り合いをつけながら暮らす身としては、です。そんなに簡単に離れて暮らせるの?って。うらやましいからかもしれませんが。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

厚さにためらってるなら心配ありません。

2001/05/27 12:30

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:どしどし - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ぼくの場合は、一気呵成に読むというわけにはいかず、途中で特に第二部で多少長いという印象をもちましたが、それもたいした問題ではありませんでした。
 読み終わって感じたのは、この話をこういうストーリー展開にするのか、そしてそれがそのままテーマにもなっているんだなということでした。
 ミステリ的なストーリー展開なり登場人物の設定なら、たとえば、第二部を省略して新聞記者か警察かいわゆる名探偵役の人物によって解決が導かれる、なんてありそうですが、そういう展開にはなりませんでした。警察サイドでさえ実際の捜査シーンはほとんど出てきません。それでも、最終的にはどんな進展を迎えても事件は解決していたはずです。
 また、それぞれの人物の配置が独特で、事件の行方を追うなら必要ない役どころともいえる人物も結構いるのですが、それがまた凶悪事件の全体を書き尽くそうとしているという印象を受けました。
 しかし、何よりも登場人物の造型と、細部の描写がことごとくリアルなところが本当にうまいなあと感じます。
 いろいろなテーマを読み取れ、それが話の内容だけでなく、設定やストーリー展開などと直結していて一筋縄ではいかない作品だと思います。珍しい読後感でした。最高です。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

犯罪はパフォーマンス

2001/04/22 16:19

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:上六次郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 何かの本で、物語や演劇で人々が面白く感じる筋書きは数パターンしかないような意見を読んだ覚えがある。現在ベストセラーになっている小説であっても過去に受け入れられた例のリメイクであったり、二次創作にすぎないというものであった。

 これは我々がもつオリジナル信仰に対する皮肉である。オリジナルな発想や創造こそが一番価値のあるもので考えながらも、実際の評価は違ったものになってしまっている場合もあるのではないだろうか。しかしながら作家や芸術家はオリジナリティを追求していく。そして、現代では犯罪もマスコミを通じて発表される創作物になってしまった。

 公園のごみ箱から切断された女性の右腕が発見される。それは連続殺人事件の一端に過ぎなかった。犯人は被害者の家族や警察、マスコミを振りまわしていく。第一部では主に被害者の家族や警察側から、第二部では犯人のサイドから語られ、結末の第三章へとつながっていく。

 犯人対警察、加害者対被害者といった単純な構造になることなく、人間関係が第一部、第二部と丁寧に描きこまれている。細部にわたって書かれていることが第三部での展開をいっそう効果的にしている。決して冗長になることなく、これだけの長編を書く作者の構成力には感嘆してしまう。

 さらに、「ピース」と呼ばれる男の造形が秀逸である。今までの作品で少年や老人の描き方に定評のあった宮部ではあったが、「現代的」な悪党も見事に表現されている(もちろん本作品でも有馬老人の存在感は抜群である)。

 二段組・上下巻という長い話ではあるが途中で飽きることなく、それどころか次はどうなるのかわくわくしながらページをめくっていける超長編である。本書は「イッキ読み」できる「現代犯罪劇」である。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

宮部みゆきの新たな進化

2001/04/22 01:44

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:べこ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 宮部みゆきの作品は、ラストシーンから作られる。つくづくそう思った。「火車」も見事だったが、今回のは、凄みを増している。これ以上書くと、ネタをばらすことになるので、やめておこう(本当はいいたくてしかたがない)
 基本的には、連続殺人犯の話である。が、主人公は誰か、と聞かれれば、殺人犯ともいえるし、殺人死体を発見した少年ともいえるし、豆腐屋の老人ともいえるし、女性ルポライターともいえる。デスクという聞き慣れない仕事をする刑事ともいえる。それだけ多彩な人物像を描ききった腕力にまず感嘆。次に緻密な構成、ストーリーテリングの妙に感心。最終盤にむけて、すべてが収束していく様を読んでいくのは、快感ですらある。
 しかし、それにも増して、すごいのは、心理描写の巧みさだ。ともすれば、テクニックに流れがちだった作者だが、本作では心理状態を丹念に丹念に追って作りあげていく。だから、登場人物が生きている。連続殺人犯もそうだよな、だから殺しをしたんだね、さもありなん、という感じすらする。宮部みゆきの新たな進化を見る思いだ。
 とにかく、今年一番の秀作になるのは間違いない。ありがとう、宮部みゆき。次作にも期待してます。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

きたいいじょぉ!

2001/04/09 02:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:なお - この投稿者のレビュー一覧を見る

 アタシはミステリーを最後から読む人間です。邪道と言われようとも、最後から読みます。今回も前半300ページを読んでから耐えきれず最後20ページを読みました。

 ということで、結果はわかりました。しかしそこまでに至る経過がわからなかった。結局とにかくこれはなに?それはどうなの?というカンジで一気にかつ丹念に読んでしまいました。結局30時間かかったけどね(笑)

 こんなこともあり、あんなこともあり。そして人の想いがつむぎにつむがれ。最終的には…。とにかく読んだほうがいいです。

 ミステリー1ページおいくらかって換算したことあります?ってことで考えれば。この本はユニクロで売ってる服ぐらい格安なのに、質はサザビーズで出品される品ぐらいの価値を持つ物でした。要は鳴り物入った掘り出し物ってことです♪ 以上!

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

下巻が気になる

2023/04/30 21:27

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:カレイの煮付 - この投稿者のレビュー一覧を見る

上巻で、犯人と思われる状況が明かされるが、それは、半分間違った結論だった、というところから、過去を紐解いて行く。上巻だけでは、犯人には到底辿り着けず、下巻が気になるところである。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。