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紙の本
見捨てられた町への帰還
2001/06/10 01:33
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る
該当マンガからの抜粋と旅行先での写真が共に組まれているので、つげ義春の作品を知らない人でも楽しめる旅行記になっている(貧乏旅行や寂れた宿が苦手な人はダメだけど)。筆者は「ガロ」の編集者で、つげ義春本人とも懇意の仲であるため、どの土地がどのマンガの発想の素になっているのかピンとくるようだ。
会津街道、信州、千葉、調布、などの、あまり普通の人が好んでいくような場所でないところを巡っているマンガ散歩だが、風情があり、知らず知らずのうちに心が和んだ。もしかしたら、未来ではつげ義春のイラストが文化財になってしまう可能性もあるかもしれない。そんなノスタルジーが全体に漂っている。
紙の本
『ガロ』の編集者の回想録
2001/09/11 15:25
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:竹内オサム - この投稿者のレビュー一覧を見る
「ねじ式」「赤い花」など、独自の作風で知られるマンガ家つげ義春。雑誌『ガロ』の編集者として、そのつげに、ずっとつきあってきた著者の回想録である。と言っても、ただの回想録とは違う。タイトルにあるように、著者は文字どおりつげ義春を旅していく。つげの作品の舞台を求めて、近隣から東北のひなびた温泉宿まで足をのばす。つげ義春的風景を求めた、きまぐれな旅の日記なのだ。思えばつげ義春ほど、好き嫌いの別れるマンガ家はめずらしい。「わかる/わからない」ではなく、「感じる/感じない」というレベルで読者を峻別する作家だからだ。この回想録も、その点で好悪が別れるはず。とはいえマンガのイメージは恐ろしいもの。ぼく自身、板塀のすすけた旧家に出会うと、つげのあの絵柄がすぐ頭に浮かぶ。細密なモノトーンの画像に支配されてしまうのだ。自然が芸術を模倣する、というやつか。マンガとは、そんな力も兼ね備えている。(竹内オサム/マンガ評論家 2001.5.15)