「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
なぜ、その一家は殺されなければならなかったのか? 環境問題、差別、そして、狂気…。本流を外れたふたりの刑事が知った「日本社会の重層な闇」の正体とは? 構想から2年半の長編サイコミステリー。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
井上 淳
- 略歴
- 〈井上淳〉経済誌記者を経て小説家へ。「懐かしき友へ」でサントリーミステリー読者賞を受賞。ハードボイルド・ミステリー・戦記など幅広いジャンルで活躍。著書に「トラブルメイカー」「罪深き街」など。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
ヴァイオリニストを妻にもつ大阪府警の佐伯は、そのご一体どうしているのでしょうか、そう考えさせずにはいない話です
2006/01/10 22:23
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
「警察庁特務機動班の嵯峨と秋元が巻き込まれた殺人事件。警察は異常者の犯罪として犯人を追うが、二人はそれをプロの仕業と考え、独自の捜査を開始する」警察小説。
「懐かしき友へ」でサントリーミステリー読者賞を受賞した作家の作品。あの劇画タッチの国際冒険小説を書いた作家の事を長く忘れていました。
警察庁特務機動班は、様々な不祥事を起こした警察官を集めた部署で、本来は訳ありの優秀な警察官を、些細なつまずきからすくおうという意図で作られたらしいのですが、今では捜査員が不足気味のときに、所属刑事を派遣するような、それでいてあくまで不祥事を起こした警察官だからと、まともには扱われない中途半端な組織です。
秋元と嵯峨がたまたま事件発生現場近くにいたことから、担当する羽目になった事件は、閑静な住宅街で起きた吉澤一家四人の惨殺事件でした。その一家には、息子が不良仲間と事件を起こしたという過去があったのです。息子は少年院で一年を過ごし、今は私立の矯正施設「風生農園」で静に暮らすといいます。
現場に残された謎の文字の意味。戦後日本が無かった事として眼を瞑ってきたものが、リストラの嵐が吹き荒れ、少年が犯罪を引き起こす現代に甦ります。連続する殺人。警察組織の持つ体質。環境破壊で住民が住むことを止めた寒村にただひとつ残る施設にひっそり生きる女性。
現在の組織社会からははみ出されながら、最も人間らしく生きている男たちの友情が、何ともいえない味をだしています。特に大富豪の娘で美貌のヴァイオリニストを妻に持つ大阪府警刑事 佐伯の存在は面白いです。この人だけで一冊の本が書けるのではないかと思えるキャラクターなので、出来れば別の形で再会したいものです。
紙の本
「リーロイ・キースのその後」をワタシはずっと待っている
2002/04/13 11:30
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Snake Hole - この投稿者のレビュー一覧を見る
井上淳ひさびさの大作なんだが,ちと散漫な印象。つうか,このキャラたちを今後も使い回ししてシリーズにするつもりなのだろうか,幾人かの魅力的な……つうか通常の小説であれば「もう一度出て来てなんかするだろう」と思わせる人物がそれっきりだったりするわけで,大沢在昌の「新宿鮫」の最初の本ってこんな感じだったけ?
閑静な住宅街で一家4人が残殺される。現場には被害者の血で書いた「J」の文字が……。大々的な捜査が始まるなか,本流から外された刑事2人,嵯峨と秋元はもっとも見込みのなさそうな「怨恨」の線をあたるよう命じられる。殺された一家の長男が数年前,少女暴行事件に連座して少年院に送致されており,少女の親が経営していた和菓子屋を畳んで行方不明になったいる,その男を追えというのだ。
暴行事件のあった京都へ向かった嵯峨たちはしかし,めった刺しに見える死体の傷が,実は入念に計算された偽装であることを見抜いていた。異常者の犯行にも見える殺人は冷静極まりない「プロの仕事」だったのである。独自のルートを使って真相に迫る2人だったが,捜査本部は付近に住むひきこもり青年を逮捕してしまう……。
著者独特のハードボイルドな描写や世界観,人間観は健在だし,一応の水準作だとは思う。思うんだが,ワタシが井上さんの本に求めているのはもうちょっと上の面白さなんだよなぁ。デビューからしばらくのあいだ,日本人がほとんど出て来ないミステリ,サスペンスを書いていた頃の面白さが失われて久しいような気がするのである。
主人公と舞台を日本にする,というのはおそらく出版側の要請なんだと思うのだが,それは角を矯めて牛を殺すみたいな話で,このヒトの書く人物たちの造形やメンタリティは日本の風土の中だとすごく浮いちゃうんだよね。「トラブル・メイカー」「シベリア・ゲーム」のリーロイ・キースがその後どうなったのか,ワタシはずっと待っているんだがなぁ(笑)。
紙の本
内容紹介
2002/03/20 00:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリー&ハードボイルド。無差別殺人事件が発生、類を見ない異常さに警察は大規模な捜査本部を設置する。本流を外れた2人組の刑事が知った「日本社会の重層的な闇」の正体とは?! なぜ、「少年」は疑われなければならなかったのか? 環境問題・差別・そして、狂気……。日本社会が抱える「闇」と、現実。真犯人が事件を起こす「理由」とは? 「なぜ、人を殺してはいけないのか?」「なぜ、人は人を殺すのか?」という問題に正面からぶつかった問題作!!
●井上淳(いのうえきよし)〜経済誌記者を経て、小説家へ。『懐かしき友』で第二回サントリーミステリー読者賞を受賞。以後、本格サスペンス作家として活躍。冒険小説には定評有り!!