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商品説明
ルネサンスの宝石箱のような街を限られた時間内で充分に味わうには? 大聖堂のドーム、レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロらの芸術を堪能し、美を味わう、街歩きの究極のモデルコースを紹介。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
結城 昌子
- 略歴
- 〈結城昌子〉東京生まれ。武蔵野美術大学デザイン科卒業。アートディレクター、絵本作家。講師、絵画コンクール審査員なども務める。著書に「あーとぶっくシリーズ」全10巻(小学館児童出版文化賞)等。
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紙の本
理論に偏らない名画との楽しいつきあい方を提案するアートディレクターによる案内。書き込みの言葉も面白い
2001/10/04 22:16
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投稿者:片岡直子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
「イタリアにゆくのなら是非フィレンツェへ行ってきなさい」と、好きな詩人から言われたのに、生憎日程に余裕が無く、とんぼ帰りをしてしまうので、せめて本だけで、行った気になろうと思って読んでみた。本書は、タイトルの通り、「たった二泊三日の滞在で、フィレンツェの街を美術作品を通じてわが街にする」試み。だがら、一日目は、「あなたはなぜか、朝十時のフィレンツェ中央駅に立っている」から始まる。
その気になって読んでゆくと、著者の心地よいおしゃべりを聴きながら、まだ見ぬ街を、美術品を中心に見てまわれることになる。美術の関係の人の、目の付けどころは、本当に見事だと関心させられることがある。同じ絵や彫刻を見ているはずなのに、どうも情緒や叙情に流れてゆく私とは異なり、その制作者の息づかいや、制作時の心づもりまでを、想像することができる人たち。勿論、それが制作者の本当の姿と異なるとしても、自分だったらどうか、と置き換えてみることのできる肝力が、全く違うと思う。
本書の著者、結城昌子さんは、「理論に偏らない名画との楽しいつきあい方を提案するアート・ディレクター」。ううむ。まさに、それを地でゆく鑑賞の仕方をしている。
「ミケランジェロは女性の裸、見たことあるんだろうか」の章は、著者の文章と写真を見比べて、つい笑ってしまうし、「ベネツィア絵画って色っぽい」では、「悲しいかな、豊かな街に芸術は育つ。日々の暮らしに追われるなかから、生まれる傑作ももちろんあるけれど、豊かさと芸術は何故かセットになって現れる。さらに爛熟期になるとそこにもうひとつエッチさが加わる、と思う」と、声高に説明されたら、つい読み飛ばしそうなことを、さらりと書く。本の最初はちょっと硬めの人かな? と思ったけれど、本の中程に著者の写真がある。美しい。私は美人に弱い。幸せそうな美人ならなおさら。 (bk1ブックナビゲーター:片岡直子/詩人 2001.10.05)