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- カテゴリ:一般
- 発行年月:2001.7
- 出版社: 翔泳社
- サイズ:20cm/343p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-7981-0061-7
読割 50
紙の本
ハーレーダビッドソン経営再生への道 トップダウンから全員参加型経営へ
著者 リッチ・ティアリンク (著),リー・オズリー (著),伊豆原 弓 (訳)
オートバイメーカー、ハーレーダビッドソン社は、80年代後半危機的な経営状態にあった。時のトップはこの危機を脱すべく、伝統的な考え方を捨て、試行錯誤を繰り返しながら改革を進...
ハーレーダビッドソン経営再生への道 トップダウンから全員参加型経営へ
ハーレーダビッドソン 経営再生への道
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商品説明
オートバイメーカー、ハーレーダビッドソン社は、80年代後半危機的な経営状態にあった。時のトップはこの危機を脱すべく、伝統的な考え方を捨て、試行錯誤を繰り返しながら改革を進めた。その再生への旅の全記録。【「TRC MARC」の商品解説】
著者紹介
リッチ・ティアリンク
- 略歴
- 〈ティアリンク〉ハーレーダビッドソン、ジョンソン・コントロールズ等取締役。
〈オズリー〉30年以上企業に対しコンサルティング・サービスを提供。
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紙の本
全員参加のストラテジック・リオーガーニゼーションの実例
2004/12/05 16:27
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:平野雅史 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホンダやヤマハなど日本のバイクメーカーの攻勢のもと、敢え無く一度は経営危機に瀕したバイクメーカー、ハーレーダビッドソン。しかし、今では高い収益性、顧客と製造業者との新たなコミュニケーションとしてのライフスタイル・マーケティングの具現者として、改めて名声を知らしめている。
この再生・変革の過程にあって、経営者ティアリンクが何を考え、悩み、行動してきたかを伝える一冊であり、内発的なストラテジック・リオーガニゼーション、人的資源管理、組織行動を学ぶケースとして示唆に富むものがある。
本書の冒頭に掲げられる変革の年表ひとつとっても、如何に周到に、如何に根気強く、組織変革のために力を注いできたが分かる。ビジネス・プロセスに始まり、社内コミュニケーション、報酬、労使、生涯学習、組織構造など多岐に亘り・長期に亘り数多くの仕掛けが手当てされている点は、ひとつの大きな契機ではなく、複数の小さいが整合的な契機が必要であることを思い知らされる。
また、本書から感じ取ることのできるハーレーでのティアリンクのリーダーシップとは、断行するというより、信頼し忍耐する静かなリーダーシップだと言える。彼は強力な指揮命令的、カリスマ的リーダーシップに否定的であり、むしろ従業員個々がそれぞれの場面でリーダーシップを発揮する場を提供することに、経営者としての職責を見出している。曰く「誰でも職場以外では素晴らしいリーダーシップ能力を発揮しているに違いない。問題は、これらが職場で発揮されるようにハーレーを運営していくことにある」。直裁に「誰某はリーダーシップがない」という向きとは雲泥の差ある態度だろう。
その一方で、メシアを待望する(自らが当事者になることを避ける)従業員、経営が答えを示すことを待望する従業員が多いことは世の東西を問わず、この相克のなかでティアリンクが悩み、考えた「旅の経緯」が伝わってくる。従業員の価値観、信条、態度、行動の変革に向けて、大きな努力を払っているのだ。
また、本書を通じティアリンクが、アブラハム・マズロー、ピーター・ゼンゲ、マックス・デプリーを教師としていることがよく分かる。すなわち、従業員の自己実現と自己成長の場面としてハーレーを捉えている訳だ。「ビジョナリー・カンパニー2飛躍の法則」でコリンズが示した「第5水準のリーダーシップ」に到達している一人がティアリンクではないだろうか。
本書を推薦する言葉には、『最強組織の法則』のピーター・ゼンゲ、ジェフリー・ペッファー、ジャック・ナッサーなどが名を連ねる。そのうち、「これまで読んだリーダーシップと経営に関する本のなかでも最高の部類に入る。人材の能力と参加に関する見識があり、人間を心から尊重する人でなければこの本は書けなかった」というマックス・デプリーの一言は、本書を推薦する意味で正鵠を射たものだろう。
紙の本
本書を読んで強く感じるのは、人を信頼し、支援する組織の“自活力”である
2001/10/10 18:16
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:大坪未果 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ハーレーダビッドソンは米国を代表するオートバイメーカーであり、間もなく創立100周年を迎える老舗企業である。
日本では一部のオートバイマニア以外には、あまりなじみがないかもしれないが、1997年まで12年連続で自社最高の売上高と利益を更新し続けた超優良企業でもある。
だが、そのハーレー社も80年代には、存続の危機にさらされていた。日本メーカーの台頭でシェアは激減、4割の人員削減を断行するといった荒療治も断行せざるを得なかった。
ハーレー社は絶望の淵からいかにしてよみがえったのか。本書は、同社の復活への道のりのほとんどを最高経営責任者(CEO)として過ごしたリッチ・ティアンク、またコンサルタントとして関わったリー・オズリー自身が振り返った改革の全貌である。
カリスマ的指導者、強力なリーダーシップ、トップダウンによる改革の指示……。企業再建に不可欠と思われるこうした要素は、ハーレー社の改革には一切出てこない。
再建をリードした2人の念頭にあったのは「持続的な競争力の強みになるのは人材だけ。強みを生かすために重要な要素は人びとが“参加”することである」という信念。指揮管理型の組織を、従業員参加型の組織へ転換することを目指した。
意識拡大集会の開催、報酬体型の見直し、円型組織への移行など様々な手だてを講じる中、労使は手探りで再建の道を歩んでいく。本書を読んで強く感じるのは、人を信頼し、支援する組織の“自活力”である。最初はこわごわと、次第に力強く歩み始めるハーレー社の変身ぶりには勇気づけられる思いがする。
社内改革の全過程を、これほど詳しく書き記した本はなかなかあるものではない。当事者の貴重な証言に注目したい。 (bk1ブックナビゲーター:大坪未果/ジャーナリスト 2001.10.11)