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著者紹介
柳 美里
- 略歴
- 〈柳美里〉昭和43年神奈川県生まれ。東京キッドブラザーズを経て、劇団「青春五月党」を結成。「家族シネマ」で第116回芥川賞受賞。著書に「ルージュ」「言葉は静かに踊る」「命」「生」など。
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紙の本
文章に対して責任を負うことができるという真摯な態度で挑んだ評論
2002/02/15 00:44
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投稿者:楓 - この投稿者のレビュー一覧を見る
特に評論は、読書経験が浅い読者にとっては取っ付きづらい分野ではある。文章が美しくても、美しくあればあるほど、晦渋になってゆく観は否めないという気もする。
しかし、柳美里氏の書く文章は、そういった点ではまったく身構える必要がない。氏の文章は、小説でもエッセイでもそして評論でも、一貫して透徹した感じの美しさを感じる。一文も長く、一見、意味を取り難いように思うのだが、実はとても読みやすい。意識的に、読者への配慮がなされていると感じる。
今人気の評論は、あまりにも飛躍しすぎた主張が多いという印象が私にはある。しかし評論は社会に対する主張なのだから、その文全体の責任を著者がとらなくてはならない。そういった点においても、氏の真摯な態度が見て取れる。
ひとつの題について、根本まで掘り下げ、最終的には上手く消化させるという、気持ちのいい文章の展開が、読みやすさにもつながるのかもしれない。