紙の本
リンカーン・ライムシリーズに比べると地味ですが
2018/05/28 21:10
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投稿者:koji - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジェフリー・ディーヴァーのノンシリーズの1作です。
上巻だけの印象ではリンカーン・ライムシリーズに比べてかなり地味です。
アメリカのいかにも田舎町で起こった殺人事件に5人ほどの警察署で挑むのですが、
日米を問わず田舎にありそうな閉鎖社会と大学というこれもある意味閉鎖社会を相手に苦戦する姿が地味ではありますが魅力を感じさせます。
捜査の中心となる捜査主任のビルにしても上司である保安官から足を引っ張られ、また自身の家庭内でも学習障害児である娘の為に苦悩しながら、父として夫として法執行官として事件に立ち向かう姿勢には知らず知らずのうちに肩入れしたくなりました。
このセアラという女な子がなんとも言えず可愛く描かれていて、彼女の行動にハラハラしたり、笑いかけたくなったり、抱きしめてあげたくなったり、読んでいくととても愛おしくなってきます。
彼女もまたこの作品の大きな魅力となっています。
紙の本
予想に反して渋い秀作
2002/03/31 20:46
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投稿者:エンドルフィン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジェフリー・ディーヴァーの『死の教訓』は新作と思いきや、彼の最高傑作『静寂の叫び』より2年前、映画化もされて彼を一躍有名にしたかの『ボーン・コレクター』より4年前の作品で、日本では未公開だったという代物だ。どうりで、文庫本で出版されたわけだ。この手のいきさつのある本は時として空振りに終わることがあるのだが、どうだろうか。
インディアナ州ニューレバノンで半月の夜に、地元オーデン大学の女子学生ジェニー・ゲベンが殺されるという事件が発生する。捜査主任のビル・コードは被害者ジョニーの奔放な交友関係をあらうが、満月の夜に新たな被害者が出るにおよんで、周囲は犯人を“ムーン・キラー”と呼び、騒然としてくる。しかし、一方でビルには学習障害をもつ娘セアラの教育をめぐって悩みがあり、高校生になる息子ジェイミーが最初の事件の目撃者であったことがわかり、事件が彼の家族にも暗い影をおとしていた…。
四肢に障害を持つものの天才肌であるリンカーン・ライムと、これまた狡知にたけた犯人とがこれでもかと知恵比べをし、たたみかけるように展開する『ボーン・コレクター』以降のディーヴァーの作品と比較すると、かなりおっとりとした展開である。なにしろ、主人公ビル・コードは粘り強さだけが取り柄のような男で、物語の展開も彼の性格にあわせてある。しかし、それが欠点というよりもこの小説の持ち味になっている。とくに、娘セアラの障害のこと、何も問題がないと思われた息子ジェイミーの突然の離反、妻ダイアンとの気持ちのすれ違い、など家族に関する懊悩が丁寧に描かれており、読了後も味わい深いものが残る。まあ、最後の犯人の登場のさせかたは多少、乱暴でご都合主義とも言えるが、全体としては予想に反して秀作です。
なお、海外ミステリに関心のある方は、小生のホームページThe day of wine and mysteryを一度のぞいてみてください。
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【ストーリー】
暴行された女子大生の死体が池の畔で発見された。犯人に名指しで脅迫された捜査主任ビル・コードの家庭にも危険が迫る。大学関係者の身辺調査を進めていくが、大学側も危機的財政状況をしのぐために裏で奔走していた。
【感想】
ほかの作品に比べたらちょっとアダルト目?最後まで読んで救いがないなあ・・・と思った。人生の一部分を切り抜いて持ってきた感じで、ハッピーエンドを目標にしてないから、余計リアリティーがあるのかも。感情移入して読めるのはいつものことで、すごいです。犯人に迫っていくとこあたりは・・・・まあまあかな。
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映画にもなった『ボーン・コレクター』の作者ということでブック○フで何気に100円で購入。
ネット書評を見ると、ブレイク前の作品でこの作家の本としては評価はいまひとつらしいんですが、初めて読んだのでそれほど気にはならなかったり。
ちょっと登場人物とか鬱陶しいとこありますけど、時々あっと言わせてくれます(笑)。
主人公の保安官助手(だっけ?)コードが苦労人でねえ……(涙)。
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ボーンコレクターの人。
こういう非現実なものも読む。
暴力的なことへの共感はいっさい湧かないけど、
犯罪者の心理には興味を抱く。
人の考えることの振れ幅を知りたいのかも?
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実はけっこう古い作品だったみたい。あまり「ジェットコースター的」ではなかった。ちょっと地味かな。だけどそれでも、予想を裏切る展開の連続なのは間違いなし。
余談。「登場人物表」が栞になってるというのはうれしい。いちいち前のページをめくらなくて済むので(笑)。
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「ボーン・コレクター」のジェフリー・ディーヴァーの初期作品。
女子大生が暴行され殺された。捜査をあざ笑うように、被害者は増える。そして犯人の手は、捜査主任の家族にまで及び始める。
インディアナ州ニューレバノンが舞台になる。アメリカのちょっと田舎町というのは、どーしてこうも閉塞的なんだろうか。ま、閉塞的じゃないと事件にならないし、事件が起こっても、誰が犯人なのか疑心暗鬼になったりしないんだけどね。
ともあれ、警察がいて、保安官もいるというアメリカの田舎の特色が事件を複雑にしていっている。読み終わってしまえば、なーんだ、って感じなのだが、人は立場とか先入観とか自己保身とかで簡単に愚かになれるものなのだと、思い知らされる。
作品を、強い力でひっぱっていくのが、学習障害を抱えている捜査主任の娘。
そういえば、スティーブン・キングの「デッド・ゾーン」にもそういう障害の学生が出ていたが、その時の表現は学習障害ではなかった。デッド・ゾーンは1987年に翻訳の文庫が出ていて、「死の教訓」は1993年に原作が出版されている。見てすぐわからない障害に対しての理解というのは、なかなか広がらないものだ。…話がそれた。
とにかく、この娘の存在がポイントになる。でも、あんまり魅力的じゃない。
そう、とにかく大人数が出てくるのだが、魅力がある人がいないんだよね。なので、誰にもシンパシーを感じることができない。まぁ、それによって殺された女子大生を浮かび上がらせようとしたのかもしれないし、それならそれはとても成功しているんだが。解説で、「ツイン・ピークス」のローラの遺体が発見されたシーンになぞらえていた。確かに、ツインピークスも死んでしまったローラが影の主役といえるけれど、それ以上に生きている人間が、生きていた。その点これは…。
ディーヴァーだと思って読んでるから、どうしても辛い点になってしまう。
ま、ディーヴァーはこうやって紆余曲折の末に、現在の地位を手にいれた、その努力のあとと思うべきなんだろう。
でも、後半のたたみかけてくるような辺りは、やっぱりディーヴァーだって感じで、すごく面白かったっすよ。
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やっと上巻読み終わりました。
殺された女子大生の捜査にあたるビル。ビルの娘はいわゆる学習障害。連続殺人事件と娘の学習障害の話が軸に展開していきます。前半は、視点がころころと変わり読みづらかった。話に入り込めなくて少してこずりました。学習障害についても少し納得のいかない描写もありました・・・。しかし、上巻の最後に驚きが!!だらだらと進んでいたのが、ようやく推理サスペンスっぽくなってきました。下巻に期待。
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まだ上巻なので、問題が山積みって感じで、今後どうなっていくのかが、気になります。人間を書くのが上手いなと思います。でも、アメリア&ライムシリーズが恋しいなぁ。
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初期作品らしい?スローテンポな展開でまだまだ余力を残した感じ。
田舎の風景と相まっている。
中々サスペンスにのめり込むという感じではなく、じわじわと役者が揃うのを待つ感じ。前編最後にあっと言わされるのもさすが。
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ジェフリー・ディーヴァーと言えば、リンカーン・ライムシリーズですが、これは、リンカーン・ライムシリーズではありません。リンカーン・ライムシリーズを書き出す前の、時代の作品です。
リンカーン・ライムシリーズでは、リズミカルに謎を解いていくのが心地いいですが、この作品では、まだそこまでの作風は確立できていません。
内容は、リンカーン・ライムシリーズよろしく複雑で、非常に興味深いのですが、リズムに乗りにくく、読むのにちょっと時間を要しています。
どこが悪いというわけじゃないんですけど、リズムがねぇ。
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図書館の本 読了
内容(「BOOK」データベースより)
半月の夜、暴行を受けた女子大生の死体が池の畔で発見された。現場に残された書き置きは捜査主任ビル・コードを名指しで次の犯行を示唆しており、血で描かれた半月が町の建物六ヵ所に一夜にして出現した。“ムーン・キラー”の凶行を恐れ、町はパニックに陥る。ノンストップ・サスペンスの王者が放つ衝撃作。
セアラがキーパーソン?
詳しい感想は下巻で。
The lesson of her death by Jeffery Deaver
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半月の夜に暴行を受け、死亡した女子大生の事件を担当した捜査主任ビル・コード。その彼を中心に話は展開されていくんだけど、どんでんのどんでんでなかなかに引き込まれるストーリーだった!