紙の本
移りゆくモノ
2002/05/27 16:55
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投稿者:郁江 - この投稿者のレビュー一覧を見る
恋愛というモノは複雑で曖昧で、奇怪なミステリー小説の方が謎解きがある分 まだ分かりやすいと私は常常思っている。この本は恋愛をテーマに代表作の「だれかのいとしいひと」を含め8作品から構成されている。どの作品も微妙で曖昧で、決して分かりやすいわけではないけど、鮮やかに恋愛を描いている。私が1番好きなのは「恋を失ってゆく時」。微妙な感情とともに、泣いたり 笑ったり汗まみれになって過ごした恋人達の時間が描かれている。終わらない恋なんて ないのかもしれない…気持ちは移りゆくものだから。だから今の気持を1番大事にしたいですよね。
紙の本
はっきりとした「恋愛」に収まらない微妙な感情(内容紹介・コメント)
2002/04/16 18:37
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投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
【内容紹介】
はっきりとした“恋愛”にはおさまらない女の子の微妙な感情を、注目の作家角田光代が鮮やかに描き出す、新しい形の短編恋愛小説集。
子供時代に転校を繰り返した弊害で一人の女性と長く付き合うことができないという理由でふられた“私”が、転校経験者の集まりに参加する「転校生の会」、剥がし忘れたジミ・ヘンドリックスのポスターを奪還するために、同棲していた元彼の家に忍び込む「ジミ、ひまわり、夏のギャング」、彼との近いうちの別れを確信しながらも、彼と小さな姪っ子の3人で出かけたとき、ふと子供の頃に父とその恋人との3人で過ごした日々を思い出してしまう表題作「だれかのいとしいひと」など、全8編を収録。
作品世界と絵本作家、酒井駒子の装画が見事にマッチしている。
【編集担当者より】
「何かをはっきりと煮詰めないで、恋愛にまつわる曖昧な気持ちを書こうと思った」と角田さんは語っている。作品に登場する主人公たちの状況や心理はかなり複雑だ。分かり易い"恋愛"として簡単に分類できないところにいる。
−−−恋人と別れたばかり。遠くない未来の別離を確信している。友達と全てを共有したくて友達の恋人と関係を持ってしまう・・・。
次々と襲ってくる出口の見えない不幸に見舞われながらも独りで歩かざるを得ない。そして物語は明確な答えを待たずに終わってしまう。最悪の状況に僅かな光を残して。「この状態がいいとは思わないけど、どこにも行きたくないときだってある。無理やりどこかに辿りつかなくても、そのままでもいいんだ」ということに気付かせてくれる。何だか気持ちが楽になる本です。
(白泉社 書籍編集部 加藤宏子)
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珍妙な転校生の会に赴く転校経験のない女。
元恋人の部屋にポスターを盗みにいく女。
愛しい親友の恋人までも好きになろうとする女。
この短編集に出てくる登場人物たちは変わっていて、どこかズレているように思う。彼女ら(もしくは彼ら)は時にしてとても愚かにみえる。けれどそれでも私はそんな彼ら彼女らに愛しさを覚えてしまう。特に冒頭であげた三人の女たち。私は彼女たちに恋をしていると言っても過言ではない。ああ!なんていじらしい!
彼女たちは強い。ちょっとやそっとじゃくじけやしないし、転んでもただでは起き上がらない、度胸もある。だが、それでいてとんでもなく純粋で繊細で不器用だ。彼女たちは恋をして、たくさん傷つく。そしてなぜだかその傷について考える。理解できないことをあの手この手で理解しようとし、なにがしかの答えを見つけようしたりする。全くもって効率の悪い生き方で生きている。でもまあ、そんな彼女たちの物語だからこそ、そこにあるのはありきたりな日常に良く似た非日常的・日常生活があるのやもしれない。思うに、結構すごいことをしでかしてくれている彼女たちの生活にはドロドロとしたマイナスの要素がちっとも感じられない。他の人はわからないが、少なくとも、私にはそうだ。
旅行などに行く時は必ずと言っていいほど持っていきます。私にとって本書はいわゆる愛読書と言われる類のモノ。ポケットの中に入ってる色とりどりの飴玉のような、そんな存在です。甘くてほんのちょっと胸が苦しくなる切なさがあります。どうにもできないできないとわかっていることに対する行き場の無い憤りの思いも。きっと幸せも不幸せもない。だけど、この本を読んで実は人生って悪い偶然の連続なのかもしれない、と少しだけ思わないこともないなあ。(笑)
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きっと、一編一編違う出会い方をしていれば残らなかったと思う。集まって力になる!文庫もででるけど、ハードカバーの方が装丁とか挿絵が素敵!
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短編集。共通するのはここに出てくる男女には先がないこと。中でも『ジミ、ひまわり、夏のギャング』が一番よかった。「過去は掌をすべりおちる液状の砂」「つまりナンバリングを永遠に続けるようなこと」「さよなら、かつてのあたしを奮い立たせたすべてのもの」・・・段落ごとに入る言葉がよいです。角田さんの本は読んでると、情景が浮かんでくるので最近はまり中。
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恋愛、友情、日常の生活といったものに対して、どこか心にモヤモヤ感を持った若い男女の姿を描いた短篇集です。正直、どう解釈していいのか理解に苦しむ物語がいくつかあり、私にとっては感情移入するのがなかなか難しい作品でした。そんな中で、すんなりと共感できたのは【誕生日休暇】や【花畑】かな。
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あったかかった。イメージしてたのと違ったけど(もっと嫉妬に塗れたものかと思っていた)良かった。角田光代はやっぱいいなあ。すとんってこころのなかに入り込んでくる
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なんだかタイトルの通りの中身でもう一度ゆっくり時間のとれるとき(旅先とか連休中とか)に読み返したいなぁと思う一冊。挿絵も邪魔じゃなくて良いです。
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タイトルがかわいくてすきです。
ストーリーはわたしはそこまで好きではないけれどがむしゃらでタイトルや表紙とは対照的な感じがいいと思います
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まったく同じ人間なんてこの世に存在しないと思う。ちょっとした違いから、雪だるま式にどんどん歯車が狂っていって、うまくいかない、険悪な雰囲気になってしまうことがよくある。この本を読んでいたら、どんな関係でもそういうすごく危ういところがあること、そしてその危ういところも本当に小さなささいなことをきっかけに、ちょっとした視点の変化でお互いに幸せな、全然違う時間が過ごせる可能性も秘めていることを教えてくれた気がする。凝り固まった考え、見方にとらわれることなく、毎日をどうすればお互いに心地よく過ごせるか、どうしたら幸せな時間を過ごせるか忘れずに考えて生きたいと思った。
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途中に「しゃべっていることとちがうことを主張するわたしたち」のはなしがでてくるけれど、表現とか、かいてあることがそのまま共感にむすびつくっていうのはちがようようなきがする。かかれてあることじたいをただなぞらえていては共感/共感しない ばかりで、むしろこころの書きかたはこれでいいのか、とおもうところがたくさんありすぎて、印象の弱い、ただなんとなくよみすごしがちなものになってしまうようにおもえる。へえー、それで。それで。それで、そうか。共感しないというだけで本棚にしまいこむのはもったいないとおもう。
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一気に読みました。やっぱ角田さんは素敵。なぜだかすんなりと入り込んでくる。でもどの話ももやもやとしてて、感情移入ができるか否かは人それぞれかな。あたしはできない方でした。1番好きなのは「花畑」ですかね。
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短編集。
自分の身近ではなく、でも、非日常でもなく、「こういった世界もあるのね。」と思わせてくれる。
だから、本を読むのだと思う。
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短編集。「花畑」は読むとドンヨリした。「ジミ、ひまわり、夏のギャング」はタイトルから好き。「バーベキュー日和(夏でもなく、秋でもなく)」は、マモちんって名前の人が出てくるけど、「愛はなんだ」って本でもマモちゃんって人が出てきたような。角田さんって「マモ」って人が好きなんかなぁ。
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「何かしら抱えているひとたち」の
青春のお話。短編集。
けっこう痛い。
装画が どれもこれも素敵。