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陋巷に在り 7 医の巻 (新潮文庫)
陋巷に在り7―医の巻―(新潮文庫)
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紙の本
魅力ある新しい脇役が登場
2009/02/28 15:33
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
魅力ある新しい脇役が登場した。このシリーズ全体を通しての主人公は、孔子の弟子で後継者と目されていながら、師よりも先に夭逝した顔回子淵であるが、今巻の主人公はこの南の越地方出身の医者であろう。医者の登場にからんで、古代中国における医者や病気にたいする考え方がいかなるものであったか、著者の蘊蓄が語られている。煩わしいと思う読者もいるであろうが、多くの文献を読みこなし、当時の習俗を取り纏めて説明してくれるそれぞれの事項は、興味深いものがある。
話の展開は、ヒロインの病気の治療をめぐる、医と蠱との巫術の攻防である。互いの仕掛け合い、術の掛け合いに緊迫感があり、興奮させられる。決着は、次巻まで持ち越しになるが。