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- カテゴリ:一般
- 発売日:2003/03/24
- 出版社: 講談社
- サイズ:20cm/288p
- 利用対象:一般
- ISBN:4-06-211722-3
紙の本
海を超える想像力 東京ディズニーリゾート誕生の物語
著者 加賀見 俊夫 (著)
東京ディズニーランド20周年のいま、オリエンタルランド社長が初めて語る東京ディズニーリゾートの真実! ウォルト・ディズニー・カンパニーのマイケル・アイズナーとの対談も収録...
海を超える想像力 東京ディズニーリゾート誕生の物語
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商品説明
東京ディズニーランド20周年のいま、オリエンタルランド社長が初めて語る東京ディズニーリゾートの真実! ウォルト・ディズニー・カンパニーのマイケル・アイズナーとの対談も収録する。【「TRC MARC」の商品解説】
東京ディズニーランド20周年のいま
オリエンタルランド社長が初めて語る
東京ディズニーリゾートの真実!【商品解説】
目次
- 第1章 2001年9月4日
- 第2章 オリエンタルランドという会社
- 第3章 東京ディズニーランドはこうして生まれた
- 第4章 永遠に完成しない東京ディズニーランド
- 第5章 広大な土地をいかす第二パークの構想
- 第6章 海をテーマとしたパークのコンセプト
- 第7章 東京ディズニーシーは世界でただひとつ
- 第8章 独自開発の街 イクスピアリ
- 第9章 ホテル事業に進出
- 第10章 東京ディズニーリゾートへの道
著者紹介
加賀見 俊夫
- 略歴
- 〈加賀見俊夫〉1936年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部卒業。オリエンタルランド代表取締役社長。
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紙の本
高価値リゾートビジネス、コンテンツビジネスの秘訣とは?
2003/07/18 10:14
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:aguni - この投稿者のレビュー一覧を見る
素直に読めば、この本は帯に書かれているように、「オリエンタルランド社長が初めて語る東京ディズニーリゾートの真実!」の本である。埋めたて会社が土地を確保し、そこにアメリカのディズニーランドを誘致して建設、成功させて今度はもう少し積極的に開発に取り組んで行った、というお話。それはディズニーの夢を実現させた勤勉な日本人、という図式が見える。確かにこの組み合わせは見事だし、オリエンタルランドも収益をあげていくだろう。
しかし、反面、オリエンタルランドはディズニー社の優秀な下請け、という印象もないではない。本書の4分の1はディズニー社との厳しい交渉の過程を語ったものだし、ディズニーの仕事術を説明しているものになっている。無限に出てくるアイデア、高いロイヤルティ、強い法務チーム、細部までの徹底的なこだわり。さすがディズニー社である。
日本企業同士が仕事をしていく場合、馴れ合いや慣習から、どうしても「妥協」の上に実現することが多いのではないだろうか。最初の夢のようなプランが、「予算」だとか「時間」だとか「スキル不足」とか「規制」とか言う理由で「骨抜き」になってしまう。ディズニー社のスタッフはクオリティのためには決して妥協はしない。ホテルの外壁のためにイタリアから専門家を呼んで来たり、800キログラムの予定だったガリオン船は、出来上がってみれば2トン以上になっていたりする。言われたスペックをそのまま作る日本人の仕事術からみれば、まるで子どもの仕事ぶりである。こんな相手と一緒に作っていくわけだから大変だ。ガリオン船が設置予定のホテルのロビーの床は、最初に、予定より少し重くなる、と聞いたときに補強工事がなされ、3トンまで耐えられるようにしたという。ディズニー社スタッフのこだわり方を見抜いた素晴らしい判断だと思う。また、その不可能なスペックをきっちりと実現させることのできるオリエンタルランドも素晴らしい。
高い価値を生み出すための仕事というものは決して妥協をしてはいけない、ということを彼らは教えてくれる。そしてそのためには自分が楽しみ、人を楽しませる技が必要なのだろうと思える。東京ディズニーランドのオープン直後、日本人の父親がパレードの場所取りのためにシートを敷いて寝ている光景にディズニー社スタッフは驚いた、というエピソードが面白い。東京ディズニーランドから東京ディズニーシーへ。日本人はまずは楽しみ方を学ばなければならなかったのだろう。
これから夏休みのシーズンがやってくる。世の中のお父さん、まずは日常を離れ、家族で東京ディズニーリゾートを訪れ、豊かな休日を過ごしてはいかがだろうか? リゾートビジネス、ひいてはコンテンツビジネスにおける高い価値というものは、それだけ豊かな楽しみ方を知っている人にしか生み出せないのだから。
紙の本
目次内容
2003/05/13 13:49
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:bk1 - この投稿者のレビュー一覧を見る
第1章 2001年9月4日
第2章 オリエンタルランドという会社
第3章 東京ディズニーランドはこうして生まれた
第4章 永遠に完成しない東京ディズニーランド
第5章 広大な土地をいかす第二パークの構想
第6章 海をテーマとしたパークのコンセプト
第7章 東京ディズニーシーは世界でただひとつ
第8章 独自開発の街 イクスピアリ
第9章 ホテル事業に進出
第10章 東京ディズニーリゾートへの道
第11章 偉大なるウォルト・ディズニー・カンパニー
第12章 夢をかたちに これからの社会を支える世代へ
[対談] 世界最強のパートナー ディズニーとオリエンタルランド
マイケル・アイズナー ウォルト・ディズニー・カンパニーCEOvs.加賀美俊夫 オリエ
ンタルランド代表取締役社長
紙の本
5年後に貴重な文献となる、模範的企業の今後を占う書。
2003/05/11 23:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:平野雅史 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、現オリエンタルランド社長加賀見氏によるTDL誕生秘話。秀逸なブランド価値とサービスマネジメント、また、個人株主を大切にする企業など、当社に対する一般社会の風評は稀有なものだ。ビジネスの視点からだけでなく、ディズニー・ファンなど多くの耳目を集めるに違いない。
しかし、企業経営者の度量やパースペクティブ、サービスマネジメントに対する経営者の認識など、反面教師的な書として捉えたほうが本書の価値は高そうだ。消費者重視とは遠く、「夢と魔法」を解いてしまう経営者心理を見ざるを得ない。
第一に、ディズニー・ファン心理を軽視した経営者を実感する書として、その価値は高い。本書を通じて一貫しているのは、顧客心理への洞察でも、喧伝される従業員教育やモティベーション高揚でもない。前面にあるのは「箱物」への執着である。「夢と魔法の国」を作ろうとする企業家精神も「海を超える想像力」も見て取れない。読者の多くがディズニー・ファンであろうことを考慮すれば、本書が同社企業イメージ向上に一役買うことはなさそうだ。
第二に、現在では稀有な気炎吐く企業を、ビジネスの観点から見る時の本書の価値である。前社長故高橋氏に対する敬愛の念は理解できるが、経営者加賀見氏自身の経営者理念を垣間見ることは難しい。回顧の想いも理解するが同社は過去の会社なのだろうか。
第三に、なぜこのタイミングで本書を出版したかである。「ソニー自叙伝」(ソニー広報センター著)に見られるように、企業がその道程を振り返る書を世に出す時とは、企業アイデンティティの喪失時期や安定期への移行ステージが多い。他方、ディズニー・シーやイクスピアリなど巨額の投資負担を抱えた同社が同様の喪失期、安定期に入ったという示唆であろうか。
子供の頃、オープン間もないディズニー・ランドを訪れ正に「夢と魔法」にかけられた。同様に、我が国の多くの人々が「夢と魔法」を繰り返し体験している。一方で、アメニティのないイクスピアリがある。上半身裸のおじさんがテレビを見ている姿が窓からのぞくホテル・ミラコスタがある。自画自賛の言葉を繰り返す経営者にはこの消費者認知は理解されているのだろうか。
長年培ったであろう「顧客第一主義」の企業文化がスローガンに凋落する瞬間とそのトリガーとなる経営者、企業文化管理の難しさを感じる書として、読者の体験と合わせることで極めて貴重な文献になりうる書だと感じる。