紙の本
読みやすい
2016/02/02 11:15
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投稿者:onew - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京大学の推薦図書サイトに紹介されていた本。美学に関する入門書、一般向けに書かれた本だけど、特に美大志望の高校生や美大1年生に良いと思う。
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教授に「授業受ける前に読むと良い」と薦められた本。初心者向けに平易な言葉で書かれていますが、重要なことを押えておりわかりやすく勉強になります。
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『現代の美学は、作者の「意図」を、証言によって確かめても無意味だ、と考えています。たしかに、作者が自作を誤解するということは、珍しくないようです。しかし彼が誤解している、と言いうるのは、少なくとも作品に固有の「意図」のようなものがあるからでしょう。わたくしはそれをin-tensionと呼ぼうと思います。作品には、内部に独特の緊張がみなぎっていて、それを捉えることが大切なのです。』
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僕のような美学について全く知識がない人には難解な本でした。
この本によると、美学とは「美と藝術と感性を論ずる哲学」、らしいです。
藝術が美しかったのは過去のことで、背後に精神的な次元を隠し持ち、それを開示することを真の目的としている活動が藝術、らしいです。
今日の美学では、作者の証言や人生に従って作品を理解するやり方は正当なものではなく、近代藝術はその藝術概念ゆえに藝術史を知らなければ分からないもの、らしいです。
僕に藝術が理解できる日はまだ遠いみたいです。
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講義の教科書として買ったんですけど面白そうなのでパパーっと読んじゃいました。
美学がなにか、っていう本じゃなくてほんとに招待の部分を重視したような内容でした。
エッセイ読むような気持ちで読めます。
著者の先生がちゃんと仕事を終えきったのかそれがきになります笑
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学生の時にも美学の先生がいましてね、結局諸事情で取らなかったんですけどその最初の授業行ったら「岡倉天心のこの言葉…これは美ですよ」とか言ってすっ飛ばしてました。その後論文を見せた思い出にも浸りつつざこ寝して読む。現代音楽家のインタビュー/著作などでほんのすこーし慣れていたので、例えば「音」を聞くこと、「センス」という言葉の掘り下げ、といったところは彼らの投げかけていた問いの再確認となりました。「CDが嫌い」というのも頼もしいですね。コンサートの件もおっしゃる通りと思っていて、締めは壮大なようで、人を超える美をたらしめる本質的な議論とも思いました。手元に欲しい一冊。
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音楽、美術などアートに関わる人には、アクチュアルな問題が並ぶ。もちろん鑑賞する人にとっても。
古典的な美学の説明は最低限で、現代芸術をどう見るか・評価するかに内容がさかれている。
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大学で教科書と指定されたため購入
タイトルの通り、難しい専門用語を使わずにできるだけわかりやすく用例を用いさわりの部分を説明してくれる本
アレクサンダーゴッドリブバウムガルデンからはじまり現代の美学に至るまで
それと、俺の美学に反する、とか私の美学に合わないなあという使われ方の美学とは異なるので読むときはそれに注意
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美学の入門書として推薦されて手に取りました。
身近な問題から導入が話されていてわかりやすく、近現代の美学の課題について丁寧に論じられており、興味深い一冊でした。
「芸術とは何なのか」という現代アート出現による解釈学の全く根本的な問いの成立など、ざっくりと問題意識を提起されているような印象をもち、初学者としてためになる一冊だったように思います。
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文字通り「招待」という感じだった。入門にはよいと思う。できることなら,ここからさらに思考を進めていければ。
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美とはつまるところ、センスの章でも書かれていたように、<言葉にならないもの>のうちの一つということですね。それは近代に知覚されるべきものから、考えられるべきものになり、芭蕉が説いた「不易流行」の概念のように、永遠で変化しない者があると同時に、新しさが必用であるもの。また、設計図では書ききれるものでもなく、作り出されるというよりは、恵みとして与えられるもの。それぞれ納得はできるが、良く分からないというのが本音。奥が深い。
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[ 内容 ]
二〇世紀後半以降、あらゆる文化や文明が激しく急速に変化しているが、芸術の世界も例外ではない。
複製がオリジナル以上の影響力を持ち、作品享受も美術館で正対して行うことから逸脱することが当たり前になってきている。
本書は、芸術が、いま突きつけられている課題を、私たちが日常抱く素朴な感想や疑問を手がかりに解きほぐし、美と感性について思索することの快楽へといざなう、最新の「美学入門」である。
[ 目次 ]
第1章 美学とは何だったのか
第2章 センスの話
第3章 カタカナのなかの美学
第4章 コピーの芸術
第5章 生のなかの芸術
第6章 全身を耳にする
第7章 しなやかな応答
第8章 お好きなのはモーツァルトですか?
第9章 近未来の美学
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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美学とは、芸術とは何か考える学問、という理解でよいのだろうか。
上品なおじいちゃんの話を聞いているような文章。
当然睡魔に誘われる瞬間が何度かあった。
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本書は美学の概説書ではない。「あとがき」で著者が、「この美学の入門書を、学説を紹介することなく、言い換えれば何も参照せずに、心のなかにあることだけでつづる、という方針を立てていた」と語っているように、ふだんの生活の中で出会う素朴な疑問や感想を取り上げて、わかりやすい言葉で考察を進めている。
著者は第1章は、そもそも美学という営みがどのようにして形成されてきたのかということを、簡単に論じている。近代になって、人間はみずからの力で社会を創造してゆくことができると考えるようになった。そこで、創造的な力を持った「天才」が求められることになる。そして、科学とともに芸術が、天才の活躍する領域だと考えられるようになった。こうした近代的な芸術館とともに、天才の創造性を把握する感性の学として「美学」が誕生する。その後、現代に入って芸術のあり方が多様化し、感性的で観照的な美的体験によっては理解できない作品が登場するようになると、知性による解釈や、幅広い美的概念を扱うことのできるような美学が現われてきた。
第2章以下では、美的な事柄にまつわる素朴な疑問が、美に関する本質的な問題につながってゆくことを示す考察が展開されている。たとえば、「センス」とは何か、カタカナで表現される「アート」は「芸術」とどのように違うのか、さらに、複製芸術の成立や、スポーツと芸術の接近、芸術と関わる身体のあり方といった観点から、私たちの芸術の鑑賞の仕方を問いなおしている。
ふだん見過ごしている美学的な思索の「芽」は日常の中にあるのだということ、そして、それを大切に育んでゆくことから美学の思索が生まれるということを学ぶことができたように思う。
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圧倒され、揺さぶられた。根本的に美学とは何かが分かっていなかった。そして、美学が照らし出す、近代という時代の限界と、21世紀で最も重要な課題の提示。「人間の力は美には届かないのです。」との著者の最後の言葉が鮮やかだ。
・近代とは、人間が独力で、いかにして平和で生きる喜びのある社会を築くか、という課題を背負った時代。そこで、創造的な力を持った人物が、近代のヒーローになる。19世紀に結晶する天才の概念がそれを表現している。
・創造性を図る基準は、感性。「何とも言えないもの」。第六感。
・バウムガルテンは藝術の本領が美にあり、その美は感性的に認識されるという考え方を示し、藝術と人感性の同心円的構造を打ち立てた。
・美学は感性を問題にするところから明らかなように、作品の鑑賞の面に焦点を合わせる。鑑賞するのは、ほとんどが素人の愛好家だから、美学の成立は、藝術論が一部の専門家からすべての人びとへと開放されたことを意味している。
・藝術の虚構性と美の無関心性に基づく二つの価値論が、近代という時代の喫緊の課題である《いかにして、神抜きで平和な社会を形成できるか》という問題に直接応える。
・人間の言葉が動物の言葉と違ってきたのは、生命の必要を超える必要を人間が持ったから。共感の次元である。喜びやつらさから始まり、感情や見方を共有することの喜びを必要としたことによって、人間は動物を超えた。
・人形を考えることは、藝術の特殊性を逆照射する。
・近代に成立した藝術概念は、文学、美術、音楽。違うものであるにもかかわらず、よく似たものである、同類であると見なしうるとしている。
・近代の半世紀ほど前には、詩、音楽、絵画とならんで、兵法や航海術が同類だった。他方で現代は、スポーツと映画の距離はどうか?
・ちなみに、近代的藝術概念を結晶化させるときに、新興国フランスの文化政策が触媒を果たした。
・精神的な藝術。肉体的な職人仕事。という分類で上級文化としてのステイタスを得た。
・リズムとはからだがそれにのって動いていく、そのような時間秩序。リズムは呼吸に関連づけられる。
・藝術鑑賞のなかには、身体感覚によるところがある。この感覚はリズムをうみだすが、リズムとは身体の呼吸のようなもの。遠近法に代表される近代の美術が身体感覚を知らず、近代の美学がリズムの真実を捉えられなかったのは、身体を単なる物体と見るような哲学と相関している。
・鑑賞は文化的に教育された行為。
・作品が最も輝くようなポイントを探して色々試みる、というしなやかな態度が、藝術についても大切。
・一見分からないと見える作品に対するとき、重要なのは作者の哲学を知ることよりも、むしろ、作品のin-tensionを捉えること。
・藝術は知覚されるものから、考えるものになった。
・藝術史を識らなければ、藝術は分からない
・古典の高人気、現代作品の不人気は、歴史上異例の事態。
・デザインは新しさ故に存在し、必要とされている。
・旧来の新しさが、藝術家の意欲に基づくものだったのに対し、近代は精神の創造性にある。藝術論=美学的な主張としての新���さ。
・近代の藝術というのは、端的に藝術。西洋近代に成立したものをそれ以前の時代や異文化に適用したもの。
・beautifulの訳語を美しいとしたのは中江兆民。
・19世紀以降、藝術における関心事が精神性へ、さらには藝術の自己反省へと移行するにつれ、美しさは古い概念になった。
・人権宣言は神という超越的な調停者抜きに人間が互いに協調しあって生きてゆくために則るべき基礎哲学の表明だった。