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  • みんなの評価 5つ星のうち 3.6 115件
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  • カテゴリ:一般
  • 発売日:2004/04/17
  • 出版社: 講談社
  • サイズ:20cm/146p
  • 利用対象:一般
  • ISBN:4-06-212342-8

紙の本

ブラフマンの埋葬

著者 小川 洋子 (著)

【泉鏡花文学賞(第32回)】夏のはじめのある日、ブラフマンが僕の元にやってきた。朝日はまだ弱々しく、オリーブ林の向こうの空には沈みきらない月が残っているような時刻で、僕以...

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ブラフマンの埋葬

税込 1,430 13pt

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商品説明

【泉鏡花文学賞(第32回)】夏のはじめのある日、ブラフマンが僕の元にやってきた。朝日はまだ弱々しく、オリーブ林の向こうの空には沈みきらない月が残っているような時刻で、僕以外に目を覚ました者は誰もいなかった…。心の奥に届く忘れられない物語。【「TRC MARC」の商品解説】

著者紹介

小川 洋子

略歴
〈小川洋子〉岡山市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。「揚羽蝶が壊れる時」で海燕新人文学賞、「妊娠カレンダー」で第104回芥川賞、「博士の愛した数式」で第55回読売文学賞を受賞。

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みんなのレビュー115件

みんなの評価3.6

評価内訳

紙の本

死のにおいに満ちたおとぎ話

2004/09/23 18:35

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:とみきち - この投稿者のレビュー一覧を見る

一見、軽いおとぎ話のようだ。しかし、そこは小川洋子の世界、タイトルによる暗示が、小説全体を支配している。日常からかけ離れ、時間のとまった、死と隣り合わせの世界。大事件は起こらず、声高に主張する人もおらず、しんとした、生と死のみに支配される現実。そんな中、僕の一人称で描かれるのは、ブラフマンがやってきて、ブラフマンと別れるまでの短い時間。

舞台はこのように描写される。

『〈創作者の家〉は村の中心から車で南へ十分ほど走った、田園の中にある。畑と草地が広がる風景の中に、所々こんもりと茂った林があり、たいていその中に一軒ずつ農家が建っている。このあたりの土地特有の季節風を避けるためだ。〈創作者の家〉はそうした古い木造の農家を改装して作られた。』

ぼくは、〈創作者の家〉の管理人である。

この小説には死が満ちている。ぼくが心を寄せる雑貨屋の娘が、列車に乗ってやってくる恋人と手をつないでデートをするのは、古代墓地である。ぼくが唯一心が通じ合って話をすることのある相手は、〈創作者の家〉に工房を持つ碑文彫刻家である。来る日も来る日も墓石に碑文を掘るのである。ぼくは、骨董市に出かけ、身寄りのない年寄りのところから集めてきたという、アルバムからはがしたような、変色した写真を一枚買って、部屋に飾る。既に死んでしまったであろう見知らぬ家族の、古ぼけた写真を部屋に飾るぼくの、壮絶な孤独感。

ぼくの日常は、どこにも向かっていない。ブラフマンがやってきたこと、そして娘に淡い心を寄せること、このことだけがほんの少しだけ生きていることを感じさせていたのに、その二つが皮肉なことに最後には……。

根拠のない人生礼賛や、明日が同じように訪れることを徹底的に否定する、死のにおいに満ちた閉じた世界。ブラフマンに寄せるぼくの愛情の深まりが、孤絶した精神世界を際立たせている。

小川洋子ワールドがまた一つそこに。


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紙の本

詩だね、これは。解釈してはいけない。味わうための本だ。

2004/06/08 22:07

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:yama-a - この投稿者のレビュー一覧を見る

 詩だね、これは。解釈してはいけない。味わうための本だ。
 あっけないくらいに早く読み終わってしまう本だ。ブラフマンはあっけないくらい素早く読者の脳裏を駆け抜けて行く。そして、タイトルから明らかなように、最後にはブラフマンは死んでしまう。それだけの話だ。映画『未知との遭遇』と同様、タイトルがストーリーの全てである。
 『未知との遭遇』の場合は未知の異星人と巡り合うまでの長いプロセスが丹念に丹念に描かれていた。最後の最後に生身の異星人と相対し、「さて、彼らはこれからどうなるんだろう?」という大いなる余韻を残してこの映画は終わった。『ブラフマンの埋葬』の場合、この謎の小動物は最初のページの最初の行で、もう主人公の裏庭に現れていた。そこからブラフマンの外観や生態や性癖についての丹念な丹念な描写が続いている。しかし、終盤のページでブラフマンはあっけなく死んでしまう。死んでしまうと当然のことながら「これからどうなるんだろう?」という類の余韻はない。しかし、確かに別の余韻がある。
 作者は、既にタイトルで種明かしをしてしまっており、この可憐な小動物の突然の死で読者の涙を誘おうという意図は放棄してしまっている。いや、むしろ死はストーリーの初めのほうから、登場人物の設定の中に暗示されている。 では、作者は何を意図したのか? ──いや、解釈しないで良い。これは詩なのだ。
 優秀な詩は単に作者の感性の産物であるのではない。その裏には圧倒的な筆力がある。余韻の種類は読む人によって異なるだろう。ただ、この本は誰が読んでも1行1行に作家の力量を感じずに読み進めないのではないか?
 すごい詩だと思う。

by yama-a 賢い言葉のWeb

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紙の本

かわいくて、愛しいブラフマン

2004/05/28 22:44

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:nory - この投稿者のレビュー一覧を見る

芸術家が集まる<創作の家>の管理人である「僕」は、森で茶色いラグビーボールのような生き物を拾う。
水掻きと、肉球と、尻尾を持ったその生き物に「ブラフマン」と名付け、管理人の仕事をしながら世話をする。

ときに机をかじられたり、トイレ用の段ボールをめちゃくちゃにされながらも、まさに寝食をともにしての信頼関係ははとてもうらやましく思う。
私もブラフマンと一緒に暮らしてみたい。目を見開いて首をかしける姿を、泉を自由自在に泳ぐ姿を、ひまわりの種をカリカリと食べる姿を見ていたい。かわいくて、愛しいブラフマン。

小川洋子の体温の低い文章が、とくとくとくと流れる血液のように、静かに体中をめぐる。
そして、いつしか自分がブラフマンと一緒にいるかのような気持ちになり、幸福感と喪失感で胸が一杯になる。

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紙の本

あまりの悲しさに泣きたくなってしまったよ、と長女が言った。そう、やっぱり埋葬は寂しいものだ、でもただ悲しいだけの話ではない、この作家は癖になる

2004/05/28 20:43

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

装画は山本容子、装幀は十河岳男(K2)。カバー上部の、一センチほどの白い帯状の部分、そこにおかれたタイトルと著者名の活字の下の部分がホンの少しだけ、カバー画の地色である温かみのあるグレーの部分に掛かって、それが粋である。山本容子の装画もいつもの調子とはちょっと違って、BRAHMANという字をデザインしてしまったのは初めてのことかもしれない。

そのブラフマンは森に住む生き物である。主人公の下に現れた時は、子供だった。どのような形をしているかを示すことは、正直いって難しい。体を丸めると、腕にすっぽり収まるくらいの大きさになる。短い足が4本、水かきとひげを持っている。だから、水を怖がることは無い。

賢いかどうかはよく分からない。可愛いか、と言えば、彼(ペニスがあるから雄、と書いてある)を見た人の反応が一様ではないのでなんとも言えない。ただ、主人公である僕の言葉は、一応、聞く。といっても、齧るなといわれたものでも齧ってしまうし、散らかすなといわれた部屋も、なんでも引っ張り出しては目茶目茶にしてしまう。

でだ、この小説は僕のもとに現れた、怪我をしていた生き物に、僕が管理人をやっている、村はずれの元社長が別荘として利用し、今は創作活動に励む芸術家たちに無料で提供されている〈創作の家〉に工房を持つ碑文彫刻師のところで、謎という意味らしい「ブラフマン」という名をつけたことから始まる、静かで、歩みの遅い日々を描いた話である。

登場人物は、多分若いであろうぼく、とブラフマン。それから彼の名付け親である碑文彫刻師、寄宿学校を卒業し雑貨屋を手伝うために家へ戻ってきている娘、その恋人だろう生物学か何かの教師らしい男(あとで保健所の人間だとわかる)、そして夏になって〈創作の家〉にやってきて、見知らぬ生き物がそこにいることに不満を抱くレース編み作家などである。

彼らは、年齢を書かれることも無ければ、名前を呼ばれることも、容姿が描写されることもない。だからといって記号化しているのかといえば、けっしてそうではなくて、それこそ一人一人が身近の誰かであるかのように、その存在感を示してくれる。態度は曖昧にしながら、ちょっと下心を抱く〈僕〉もだけれど、自分のことしか考えていないような〈娘〉だって、いつもカリカリしているようなレース編みの、多分50歳以上のきっと太っているだろう作家も。

犬のようでも、ビーバーのようでもある不思議な森の生き物との生活は、しかし、この物語が繰る広げられる世界では禁じられているらしい。で、私はそのどことなく湿ったような、決して日差しも強くないであろう、曇り空こそが似合う田園の空気の中に、心地よく呼吸している自分に喜びながら、ふとタイトルの「埋葬」という言葉に、ではどこかで悲劇が待つのかと構えてしまうのである。

そして150頁にも満たない物語は、静かに幕を閉じる。それは夏を挟んだ、余りにも短い時の中のドラマである。この、声をひそめてしか語りたくないような雰囲気は、わたしに川上弘美の小説のそれを思わせる。夏が終わり、秋の風がひっそり近づいてくる、そんな季節の移り変わりと、池の濃密な匂いが、読者の心を包み込み、いつまでもそこに留まらせる。

気取りのない、やさしく、それでいてどこかしっとりとした文章は、なんとも言えずチャーミングである。ちなみに、この本を読み終わった高一長女は「あまりの悲しさに泣きたくなってしまったよ、とくに埋葬の風景なんて、慟哭こそしないけれど、寂しいよ」と叫んだ。この余韻は、癖になる。

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2004/11/06 01:27

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2004/11/30 19:55

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2005/02/03 18:26

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2005/04/03 22:11

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2005/04/30 12:23

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2005/07/04 13:45

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2006/04/13 01:24

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2005/11/03 13:50

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2005/12/01 20:18

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2006/01/06 19:57

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2006/01/09 18:02

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